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イラスト考察・「イレズミ」

イラスト考察・第3弾。テーマ「イレズミ」です。
前回考察「コミック派」と「アート派」で触れました通り、「生物」表現に重きを置いたイラストチェックでございます。
奈良千春さんの独り勝ちに近い分野ですが、探せば意外と貴品珍品あるんですよね。
あわせまして「生物イラスト」についての考察、ここでまとめておきます。

      
◆イラストにおける「生物」
(一部前回と重複)
イラストを描く方が「生物」に到達するまでには各派で発展ステップが若干違います。
「コミック派」の場合…人物→背景・小道具などの無機物→コミック効果(ペン、トーンなど)→生物(興味がある人だけ)
「アート派」の場合…人物→生物

コミック派の方は相当枚数をこなしてからでないと「生物」に到達しません。
到達しないままの方もいます。生物描写はマンガに必須ではないからです。
アート派の方は比較的早く「生物」に目覚め、更に哺乳類〜鳥類〜…のようにジャンルを極めていきます。
タトゥーと違い、刺青は「人物」か「生物」ですので刺青カットが上手い方=ほぼアート派です。


◆「生物」描写発展ステップ
「生物」到達後に進んでいくモチーフの変化です。

1.「哺乳類」
…まずは「犬や猫」などのペット系→「馬やライオン」など大型の哺乳類へと移行。動物の骨格や大きさは人体と全く違うので、否応なしに人体描写力も増します。
例え動物単体が上手く描けても、馬に乗った「人」が小さすぎたり、「人」が抱いたネコが大きすぎたり、などの方はまだまだ修行中、動物を多角的に描けるまでのレベルには到達してないという訳です。
参考:実相寺紫子さんの「狼」(本編感想こちら) 
アングルは真横からで平凡だが、表紙に持ってきたのが非凡。
BL界に限らずケモノ変身ストーリーはあまたあるが、表紙にしっかり描きこむ人はマレ。描いてもせいぜい目だけとか、シルエットとか…。描き込みの大きさはそのまま自信の大きさのあらわれです。(自信比例の法則、と名付けました)
実相寺様は動物描くのお好きだと思う…

大抵の方はまずココまで。
さらに道を究める方は次ステップへ。


2.「鳥類」…
哺乳類の次、または同時期のステップ。
羽のある翼は乙女の必須アイテムですし。しかし「アート派」は翼じゃなくて「鳥」そのものを描きます。鳥の顔を正面から描くのは非常に難しいです。くちばしの立体感と目のつき方が哺乳類にはないものなので。
このジャンルまで到達絵師様はBL界ではお目にかかった事がない…。
  2’(ダッシュ)「植物」…鳥類から植物(ボタニカルアート)へ進む方もいます。「花鳥風月」に花や木は必須アイテムだからです。
植物をある程度極めている方は直ぐわかります。想像上の「なんちゃってお花」を絶対描かないからです。現存する花を「葉」まで理解して描き込みます。植物ごとの「葉」の付き方の違い(単葉か複葉か、互生・対生・束生など)をきちんと勉強しているのです。
写真を見て描いても「花」はそこそこ描けますが「葉」はごまかしがききません。よって「葉」の表現を見ればレベルがすぐわかるのです。
また、植物の上手い方は「和服」も上手いです。和柄はほぼ植物のデフォルメだからです。
これもBL界では該当者がいない…

BLには「花屋」が結構出てきます。「ケーキ屋」と並んで女子永遠の憧れ職業だからです(BLは乙女の夢の反映なので)
とはいえ、少女マンガ界も含め鑑賞に堪える「花」屋はマレです。
参考:二宮悦巳さんの「花屋」(画像クリックで拡大)
BL界最高峰の「花」屋イラスト
花の種類、色など昨今の流行を押さえている。描きなれているわけではないので、おそらく最新の資料を見て描かれたはず。自分の描きやすい「なんちゃって花」にする絵師様がほとんどなので、それをしないプロ姿勢に拍手。
ただ、パリの街角の花屋…みたいな資料を見たと思われ、商店街の仏花メインの花屋にしては花の種類がハイカラ(笑)



3.「爬虫類」…
鳥類の次ステップ。(両生類も含みます)
手足の付く位置が全く違いますし、形そのものが哺乳類と違って非凡です。造詣として曲線や構成が美しいので実は描きがいのあるモチーフです。あらゆる角度からトコトン描きたくなります。
結果、寿たらこさんのコミック感想で書いたように、
「(口を閉じた)蛇を正面から描ける方は何描いても上手い」の自論が完成。
ここまで到達していると思われる方は今のところ、寿さんと奈良さんのみです。絵を描く事が好きで好きで一日14時間「絵」を描いてる様な人でないとここまで辿りつきません。
参考:寿たらこさんの「蛇」(画像クリックで拡大)
この蛇の角ばったうねり、相当描きこまないと描けません。
なめらか流線のヌルヌル蛇(9割コレ)より数段難しいのです。

この先「虫」・「魚」とありますがここまで達したら、以前書いたように研究者として後進育英に努めていただきたいです。


ふう、本題までが長い。
次ページにて、長々語った生物描写ステップにしたがって「刺青」を分類してまいります。
ぶっちゃけ、次ページだけで事足りるという事に今気付きました。
     

★言い訳
3月のPC昇天で全既読本リスト(購入リスト)も運命を共にしてしまいました。
ので、まず記憶だけでリストUP→本を掘り出して確認、という手順を取っており脳細胞の衰えから記録としてはダダもれです。
今後の追記にご期待下さい。(逃げた!)
(これだけ時間も文字もかけといて肝心部分がコレだけってどうなんだろう…)


      

◆Read more...

 

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[【特別企画・イラスト編】]考察〜イレズミ | comments(5) | trackbacks(0) |