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「プレイス」 木原音瀬/館野とお子

プレイス (アイスノベルズ)■「プレイス」木原音瀬/舘野とお子
※表紙画像が不鮮明ですみません…

敬愛いたします萌え姐様のご厚意で、木原絶版本をどっさりレンタルいただいたわたくし、手当たり次第にいただいてはウキウキ凹んでおります←初心者でも楽しめる凹みを吟味していただいた、ありがとうございます❤

こういった、独自強固な世界と価値観をお持ちの作家様の過去作(初期作)を追いながら思考的な変異をたどって(探って)いくことは、わたくしには大変面白い作業ですが、この方だけは追い甲斐があると分かっていてもなかなか手を出せなかった…。

あ〜んな名作やこ〜んな問題作を生み出される作家様の精神構造などわたくしのような凡人には一生理解できない=この方の作品のマジガチ感想などよう書かん、とも思っておりましたが、こうやって短期間でイッキ大量の過去作を集中読破すると、現在に繋がる思考の流れがなんとなく感じられては来るような…(気がするだけですが)
この辺りは時間ができましたらゆっくり形にしてみたいです。

■あらすじ
横山の営業の新しいパートナーの加賀良太は、無愛想なうえに融通がきかず、言葉もキツい。見ためはかっこいいのに、辛辣なので女子社員も敬遠するほどだ。てっきり嫌われていると思っていた横山は、酔った加賀に告白されて戸惑う。嘘ではなくて、本当の気持ちだったから。―横山には、嘘を見わける力があった。それは天使の父からもらった二つの物…羽と、もうひとつの資質だった…。


木原さんが「天使」なんて?!と読むまではおっかなびっくり、読んでみたらこの上なく木原テイストな、ほの暗いが柔らかい「天使」本でありました。

あらすじだけ読むと、トホホ寸前のファンタジーです。
意外とファンタジー(しかもローファンタジー)がお好きな作家様と思います。メッセージ性の強い作品を書かれる方なので、こういった非日常界の方が寓意をこめやすいのかもしれません。

天使だった父からの遺伝で、背中に白い羽根がある30過ぎのサラリーマン。相手のウソを見抜く力まであって、ある意味最強のヒーローといえましょう。
が、本編における「天使の能力」は異端の力ではありますが、さほど激しく異端視も問題視もされておりません。読み手が拍子抜けするぐらいにさらっと描写される男の白い羽根、広い世の中もしかしたらこんな人もいるかもね、ぐらいの扱いです。

この作品では、男に羽根があることよりも、男がやんちゃで不器用な若い部下・加賀に惹かれて戸惑うこと、さらには有能ながら社会的適合性の低い加賀への心配(笑)の方が大切に丁寧に描かれているのです。
まるで、現実世界における同性愛者への非難・好奇の目と男が天使であることの奇異、この2つに大きな隔たりはなかろうと読者に向かって問いかけているかのようです。

もっといえば、「自分たちと違う」と世間が判断するなら、オオカミ男でも異邦人でもおなじ「モンスター」で括ってしまう、日本人特有の集団価値観に対するアイロニカル視点で選んだ「異形」だろうと思うのです。
悪魔でも幽霊でもなく、「天使」という異形を選んだ理由も、「プレイス=居場所」という題名から察せられます。

正直であることを正論としながら、一方で「正直者がバカを見る」という言葉が生まれる現実。
表裏なく(正直に)生きて敵ばかりつくる加賀を、神の御使いである天使(のような男)が救うという構図。
天使(のような男)も加賀(人)に救われる。
もちろん救済手段は「愛」です。そして、「愛」にもいろいろございます。

なんたるシニカル。
なんともスイート。

1999年作品ですから、今から10年以上前です。
もしわたくしがBL創成期からずっとこちらの水に親しんでいたとして、ポッとこういう作品に出合ったら、今後のBL界に想いを馳せずにはおられなかったことでしょう。


<イラストプチチェック>
舘野とお子さんの繊細なペンタッチが、作風とよく合っております。
コミックは何冊か拝読しておりますが、結構なベテランさんだったのね〜、知らなかった。



<イメージソング>
後日追記いたします…実はすっごく迷ってる…
さすが、「イメソンつけられない=白旗3大作家様筆頭…




                                                                                       〔絵師:舘野とお子〕

 

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[小説・作家名か行]木原音瀬 | comments(0) | trackbacks(0) |