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「恋愛犯−LOVE HOLIC 」凪良ゆう/サクラサクヤ(作品No.2)
〜共同祭り☆BLトラベラーのみずほさんと凪良ゆう作品コンプを目指す

季節が夏に向かうとある日、日永望は街中で高校時代のクラスメイト、勢田春人を偶然に見かけた。声をかけた瞬間、勢田は歩道橋から落下し、なんと記憶を失ってしまう。そんな勢田を日永は自分のマンションへ引き取るが、なぜか彼の過去を説明しようとしない。実は日永には、勢田をストーカーしたという過去があったのだ。歪んだ過去を封印したまま、2人の奇妙な同居生活が始まったのだが…!?罪にも似た妄執は、はたして本当の愛となり得るのだろうか?
期待の新鋭作家がお送りする超問題作、新レーベルで堂々の登場。

皆様、こんばんは。
先日始まった秋の合同学園祭、
「BLトラベラーのみずほさんと凪良ゆう作品コンプを目指す」

本日の拙宅模擬店は、「恋愛犯−LOVE HOLIC 」(作品No.2)でございます。

なにを隠そう、こちら、想い出深いマイファースト凪良です。2008年11月のブログ開闢以前に読んでいた、唯一の凪良作品でもありますね。
全く知らない作家様ながら、「恋愛」の「犯罪(者)」という、ある意味ストレートなタイトルに惹かれて新刊を買ったのが、凪良さんとわたくしの出会いでございました。

恋愛犯。初恋。落花流水。これらはみな、同じ精神(こころ)を表しています。
シリアス凪良もコミカル凪良も、同じ想いを底流に、物語は紡がれておるのです…。



なーんて、今日もマジガチ絶好調!ネタバレも遠慮なしです。どうかご注意の上、先へお進みくださいませ☆



◆イメージソング                                          



気持ち伝える事で 全てが壊れそうで
いつわる君への想い 心がはりさけそう
お互いの気持ちさえ  分かってるはずなのに どうしても踏み出せない


はじめは、鬼塚ちひろさんとか、元ちとせさんとか、ボーカル力のある方のしっとりバラードがいいかなーと思ったんですが、サクラサクヤさんのイラストを見ているうちに、このぐらいスタイリッシュな曲も似合うのではないかなーと思いつき…。

ひらめいた曲を聴いてみたら、キタこれ!(笑)




 
◆イラストチェック/サクラサクヤ                                

・カラー★★★☆
「BLACK」を冠する新レーベル(当時)、おどろおどろしい暗めの選色でもよかったところを、あえての清々しいブルーホワイト。いいですね♪

なによりもこの色遣い、非常に高度な技がある。平台に並んでいる時よりも、書棚に収まった本を取り出して手にした時に生きてくる視覚効果を狙った節があるからでございます。

今作発売当時、または直後、「恋愛犯」「凪良ゆう」と聞いて、表紙絵までさっと浮かぶ腐女様は今よりずっと少なかったと思います。その後のご活躍で興味を持ち、今作を探した場合、この本は平台ではなく、書棚に収まっているはずです。そしてご存知の通り、このレーベルの背表紙はBLACK=まっ黒。
本を手に取り、視界が黒から白に一気に転じるさまは、さぞ印象的でございましょう。
新刊が平台に陳列されるのはわずか1月弱、書店によってはもっと短い、いや、平台さえないかもしれません。この効果は、今作が書店に並んでいる限り永続的に続くのです。素晴らしい…!

これが意図的か偶然かは分かりませんが、効果が発生しているのは事実です。こういう喜びに出会えるから書店に足を運びたくなるのだよなー。
ネットの迅速性も捨てがたい、画像早々アップもありがたいけど、やはり本物を手に取ることを忘れたくないな〜と思うのです。

でもって、花丸文庫には口絵がないですが(マレにある時があるけどね)、BLACKはあるんですよね。嬉しいおまけー♪ でも、今はどうなんでしょう。あまり買わないレーベルなんだよなー

・カット★★★★
スッキリしたタッチの中にどこか病的な雰囲気が漂っていて、まさにこの作品の攻って感じです。
イイっすねー 枚数も10枚の充実ぶりで文句なし☆

P76、(スーパーの客の中で)受けが一番綺麗だと臆面もなく言い募り、周りと受けを唖然とさせる攻(笑)のシーンで、「ジロジロ見ている周りの客」に軽く吹きました。このシチュなら主婦持ってくるよな、普通は(笑)

そして、記念すべき2作目の土下座本ー♪(現在3作発見しています)←いつのまにかコレクション



◆本編感想                                             
ガッツンきました。衝撃です

上手さからくる称賛の衝撃というよりは、ちょうどシュールアートを見た時のような、作品から伝わる強烈な波動に衝撃を受けました。

ご周知のように、得てしてデビュー作品には独特の輝き・パワーがあふれるものですが、今作は2作目。単独作品2作目でこれだけの個性を輝かせられる作家様は、業界広しといえどもそうは多くはございません。←デビュー作だと思ったぐらいすごかったって意味ね
「凪良ゆう」のお名前は、ファーストコンタクトにして、わたくしの腐脳に深く刻まれたのでございました。                         
                           *

なかなかの問題作です。問題提起作といった方がいいのかな。恋愛特化作でありながら、罪と罰の倫理を考えさせらてしまいました。

主人公・日永は、あらすじにあるような事故がきっかけで、記憶を失くした学生時代の片想い相手・春人と暮らし始めます。

過去に因縁のあった相手との数年ぶりに再会。記憶喪失。
業界大人気アイテム、テンコ盛り(笑) にもかかわらず個性的なのは、攻・日永が確信的に犯す罪の質とその扱いが少々変わっているからです。
オレ様攻の力ずくの愛の表現=監禁凌辱は推挙にいとまがないけれど、真綿で首を絞めるような、暴力抜きだが残酷な軟禁は、当時とても新鮮だったのでございますね。今ならヤンデレ攻とか、わんこ攻など、近いタイプをわりとお見かけするんだけども。

(わたくし思う)日永の罪とは、ストーカー行為ではなくて、記憶を失った受・春人の身元が簡単に割れないような隠ぺい工作をしてしまったことです。彼は、過去にストーカーと糾弾され、本人もそれを自覚していますが、実はさほどのことはしていません。

蛇足ながら、ストーカー行為とは以下の8つの「つきまとい行為」を繰り返し行うことでございます。

1.自宅・学校・職場などでの、つきまとい・待ち伏せ・押しかけ等
2.監視していると告げる行為(行動調査など)
3.面会・交際の要求
4.乱暴な言動
5.無言電話、連続した電話・FAX(ファックス)
6.汚物・動物の死体等の送付等
7.名誉を害する事項の告知等
8.性的羞恥心を侵害する物品等の送付等

彼が繰り返したのは1の「つきまとい」のみ、しかも自宅限定です。(絶賛勘違い時代のビセンテの方がよっぽど…

ターゲット?の春人でさえつきまとわれていることに気づかないうちに、彼の家人に通報され、警察のお世話になっちゃった非常に運の悪い人・日永。持て余す情熱をバイオリンで昇華するすべも知っているし、事件後は転校などして受けと距離を置くことができる=理性がきちんと働くきわめて普通の人なのに…。←普通よりは濃いかもしれないが、本人(と彼の家族)が言うほど異常じゃないって意味ね
そもそも、好きな子の自宅をこっそり訪ねるなんてことは、甘酸っぱい思春期には誰でもやっていることだし、しかも追っかけてるのは男子なんだから、受の家族も過剰に反応しすぎと思うんだよなー。この後、攻は学校でイロイロあって、結果、親に勘当されて転校していますし、攻は被害者でもあったと思うよ。(傷害沙汰はいかんけど自発的でないって意味の被害者ね)

でもって、問題はここからです。
過去の彼にこうした同情の余地があるからこそ、彼が病院でとっさに行った隠ぺい工作がやたら怖いんだな。人が一線を踏み越える瞬間を、まざと見せられたと申しますか…。
これが暴力やら、ビル破壊(笑)等の凶悪犯罪ならいっそエンタメなんですが、故意に身元だけを隠すという、妙に生活感あふれる犯罪なので、余計に背筋が冷たく…
でもこの行為の残酷さは、愛する家族を持つものなら誰でもわかります。


今度こそ自覚を持って罪を犯してしまった日永。4年前の騒ぎがあって、その後の寂しい4年間があってこそ越えてしまった一線です。日永は4年前の春人の家族の過剰反応とその結果を恨んではいないけれど、結果、あの家族に因果を含めてしまったともいえましょう。
同じ境遇(があったとして、笑)で一線を越えない人だってきっといるのだから、今回の日永の行動に弁明の余地はないですが、それでも犯罪の芽を誰が育てるのか、しばし考えこんでしまいました。

リーガルサスペンスでも警察小説でもなく、恋愛特化のBLを読んでるのに、この重ーい思考(笑)
このお味、ナナメブラック系最大手☆木原センセー作品を彷彿とさせますが、闇の底に流れているものが決定的に違うんだな。(←あくまでわたくしが決めつけてるだけの「決定」です この辺りはまたの機会にきいて下さーい☆)


この後の日永は罪の意識に苛まれながらも、積年の想い人との生活を精一杯謳歌します。
バイオリンにしか生き甲斐を見出せず、(愛することも愛されることも含めて)愛情に飢えていた日永と、記憶を失くしアイデンティ崩壊寸前の空っぽな春人。
砂漠に水どころか、吸い込む砂すらない空っぽ状態なのですから、どれほど大量の愛情を注いでも受け入れOK、つか満ちることがないよね。遠慮も、照れも、てらいもなく、全力で春人を愛せる日永をちょっと羨ましいとさえ思いました。

結局、日永の愛し勝ち(笑)、春人の恋芽は華と咲いて、まさに、1日でも永くこのままでと望む、春爛漫の権勢です。←日永望。勢田春人。2人のお名前をもう一度よっく眺めてみてくださいね♪

春人が記憶喪失でなく、日永もに後ろめたさがなく、お天道様の下で堂々歩ける健全な精神状態だったら、過去の行き違いは清算できても、恋愛は出来なかったように思います。
そう思うと全ては天の采配、運命の恋だったのかもしれません。おおう、スパイシーロマンチック☆初恋一つにこの重さ、小説の主人公ってつくづく大変です(笑)


こうなってくると心配なのは、いつばれるか、なにがばれるか、どうやってばれるか。ですよね。
日永の恐怖はわたくしの恐怖、彼と同じぐらいのチキンぶりで2人の暮らしを見守るのですが、「買いものに出た」とあればビクッ!「OOさんと話した」と言われればドキッ!
もー、事あるごとに怖いコワイ(笑)

でもって、さらに怖さを掻き立てるのが、2人の再会が偶然ではなく、ストーカーの被害者である春人が、加害者である日永を訪ねてきたという事実です。
この真相を知るには、彼の記憶を取り戻さなければなりませんが、でも、記憶が戻れば、二度と傍にいられなくなります。かといって、彼の温もり知った今、知らなかったあの頃には戻れません。
記憶が戻り、真実が暴かれることで日永が受ける罰は、法的なものだけではないのです。

彼らの幸せはいつまで続く?そもそも、これを幸福と呼んでいい?
でも、正義と幸福はイコールではないと、気づいたからって何ができる?

すごいひっぱり方してくれるよ、ゴールは「そして2人は幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし❤」に決まっているのに、そこに至る道筋が全く読めないよ?!

記憶が戻った方がいいのか、戻らない方がいいのか。
罪を隠し切った方が幸せなのか、暴かれた方が幸せなのか。
罰を受ければ、罪は許されるのか。

タイトルも、そのものずばりの「恋愛犯」
作者様の是=恋愛を通した罪と罰にどのような境界線を引いて下さるのかが知りたくて、本を読む手が止まりません。


注目のラストは、これまた、ふんわり花が咲くような、あったかい「是」で締めくくられておりました。幸せな、でも、痛みもちょっと残した納得の結末です。
ただ、記憶が戻った春人が日永を受け入れるまで=今作最大のキモ部の描写がこれまでの攻の迫力に比べてあっさりだったため、どうして日永を許す気になったかがやんわりとしか伝わってこなかったのが残念ではあったかな。ここが完全だったらもっと盛り上がれた〜紙吹雪(使用済みティッシュ)をわーっとまき散らしながらフィニッシュ!できたのになぁ。
※使用済みティッシュ=感動から生まれ出ずる、顔面から湧き出る体液の処理に使ったティッシュ。お間違えないようにね(≧∇≦)

でも、このぐらいのアンバランスさは新人様ゆえ=数をこなせば解決できると思えましたので(同じ症状でもそうでないケースも残念ながらある)、3、4作あとのシリアス作品を読んでみたいなってことで、「落花流水」(2010年)まで少々間をあけていたのでした。
結果は…「真夜中クロニクル」(一口感想はこちら★)で、示唆してございます。

あの本の感想(どこがどうすごいと思ったか)を詳しく書くには、今作の感想を踏まえなければ書けなかった=2冊分書くことに…ムリムリ(笑。
でも、すごいって感じたことはすぐ伝えたい。だから、あんな形の感想を書いたのでした。

これで書けます、真夜中も、積木も♪ マイファースト=萌えの原点だよね。


                          *


偶然にも、日永と春人が離れていた期間と同じ年月、わたくしも今作と離れておりました。
今回4年ぶりに再会し、ページを開いた途端、初読時の感情・感想が一気によみがえるこの感覚。


あなたがバラのために時間をかけた分だけ、バラはあなたにとって大切なものとなる。

こういうことでもあるのかな。






                 





【余談】本当にどーでもいいことながら、主役2人のお名前について。
攻…日永望(ひながのぞむ)  受…勢田春人(せたはると)
作中は「日永」「勢田」と表されていますが、慣れるまでこれが戸惑うのよ、漢字イメージが攻受逆なんだもん よって、記事中は「日永(攻)」「春人(受)」と書かせていただいております。←そう置きかえて読んでいたから

BLでも少女漫画でも、基本、

攻のお名前は「ますらおぶり」…画数多い剛的イメージ
受のお名前は「たおやめぶり」…字面さらりと柔的イメージ

の方が一見で理解しやすく、大多数の作品はこの大法則に乗っ取っております。(もしもヤクザ攻が「山田」で、カタギ受が「龍門」な作品があったらそりゃアッパレ=miru-ha杯を受け取って下さい、笑)

今回は、感想に書きましたように、名前自体に意味を持たせているため(多分)、このようなイレギュラータイプになってしまったと思われますが、読者(わたくし)の戸惑いと天秤にかけなければいけないほどの仕込みかどうかとなると、これが微妙なんだな。
まあ、おかげで、この方は表記(視覚)と仕込み(ミスリードとかダジャレ含む)にリーダビリティを見いだす作家様ではないかなーと気づけたんだけどね。
コメディ作品でのノリ、「恋愛前夜」のカタカナ呼び、「まばたきを三回」のアレなんかも、その現れと思います。


まぢどーでもいい余談ですね
でも、お1人ぐらい、そーだそーだと言って下さる方がいたら、みるは嬉し泣きの紙吹雪☆








 

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Comments

■みOO様

みOO様のファースト凪良も恋愛犯でございましたか!そしてその後の流れまでまったく一緒でございます、すごい偶然(笑)

最近の凪良さんはとても力強く感じます。「落花流水」では何かに迷っていらっしゃるような印象を受けましたが、「真夜中〜」以来迷いが吹っ切れた感じです。

凪良さんと木原さん、底辺に流れるものの違いをいつか書いてみたいです。でも読みたいといって下さる方はいないだろうな、どう考えてもガッチガチだものね(笑)

イメソン、気にいっていただけて嬉しいです♪
確かにこの作品、2時間ドラマとかいいかも!

comment by: miru-ha | 2012/09/28 02:29

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