スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

 

励みになります、ありがとうございます♪ 拍手する
- | - | - |

「神様も知らない」 高遠琉加/高階佑

若い女性モデルが謎の転落死!?
捜査に明け暮れていた新人刑事の慧介。忙しい彼が深夜、息抜きに通うのは花屋の青年・司の庭だ。自分を語りたがらず謎めいた雰囲気を纒う司。刑事の身分を隠し二人で過ごす時間は、慧介の密かな愉しみだった。けれどある日、事件と司の意外な接点が明らかに!しかも「もう来ないで下さい」と告げられ!?
隠された罪を巡る男達の数奇な運命の物語が始まる。
闇の中をひたひたと近づいてくる、得体のしれない「なにか」
姿は見えず、聞こえたと思った足音さえ、空耳かもしれない。
怖くて身がすくむのに、捕まったら終わりだと思うのに、立ち止まり振り向いて正体を見極めたいと思ってしまう。
終わるのか、始まるのかも分からないまま、ただ心を研ぎ澄まして「なにか」の気配を探し続ける…。

良質のミステリーの幕開けは、こんな感覚を引き起こしませんか。

怯えているのか、焦がれているのか。
逃げたいのか、捕まりたいのか、それとも追いかけて続けてほしいのか。

そう感じるのは、主人公・司であり、慧介であり、物語を読んでいるわたくしであるのです。
作品世界へと一気に引き込む筆の冴え、相変わらずお見事でございます。


◆イメージソング                                          
        

散ってしまうなら 咲かないで
置いていかないで ひとりにしないで 
私に命は重すぎた 私にあなたは綺麗すぎた

う〜ん、怖いぐらいぴったりだ☆←自画自賛
17歳とは思えない歌いっぷりでございますね。近頃の若者は頼もしい…
             
                        

面白さのあまりガツガツ感想書いてしまいました&ネタバレは多分しておりません。←まだ大いなる序章なのでネタばらしようがないのね 
こうかな?どうかな?と夢想しているだけなのになぜか長いので、ページ折らせていただきます。

   ◆イラストチェック/高階佑(アート派)                              
カラー★★★★☆
画像UPでも耐えうる美しさ。おさすが…
顔アップ+ロング人物画。絵師様には珍しい、コミック構図でございます。(多分2作目?)
「DEADLOCK」連載も始まって、現在絶賛マンガ活動中でいらっしゃるので、こういう構図はこれから増えていくかもしれませんね。

今回の表紙、佐季ではなく流(慧介の上司)を描いたセンスに脱帽です。
既読の方はお分かりと思いますが、流は今後化けそうなキャラながら、今巻ではまだまだハ役です。この段階で、後ろ姿とはいえ流を描こうと思う絵師様、業界広しといえどもきっと高階さんだけと思います。そう、これなのよ!このBLらしからぬ感性が、わたくしの最も愛するところなのです。トレビアン
薔薇の花束も綺麗。集中点がきちんととってあり、花のデッサンのご経験があると一目で分かります。ちなみにこの薔薇は「ホワイトメイディランド」ではない…と思う。←花の大きさが違う

口絵△虜患┐陵撤陲気縫ラッときました。カラーでもカットでも、高階さんの描く徒花・佐季はそれはもう美しいです。
「破滅顔」と称されるほどの妖しい美貌。夜にしか咲かない幻の豪花=青薔薇。そうよ、こういう美形が見たかったもっともっと凄みを増して、人外の域までイッちゃってください(≧▽≦)キャッ♪

カット★★★★
高遠作品には珍しく、1巻から濡れ場がしっかり(しかも複数回)あるお話でございます。
にもかかわらず良い意味でエロくない。身体というよりも、魂をやりとりしているような、抑えた熱の交歓は、イノセントな高階さん画にぴったりでございます。激しく汗を散らさなくても、乱れた顔など描かなくても、十二分にそそられます。花は満開だけが美しいわけではないものね〜♪
高階さんは流(ながれ)がごひいきなのかな、作品の方向性を示唆する重要なファーストカットにもメインキャラのごとく登場してます。(今後活躍せざるを得ないキャラですけどね)
全体的に人物サイズが同じで、ちょっとメリハリに欠けるのがもったいないな〜ってことで、今回は★4ですが、風雲急を告げる次巻以降はもっと上がるのではないかと思っております。


◆本編感想                                              
近年の高遠作品に、「花」と「色」を探すのがわたくしは好きだと申しました。
※参考記事「世界の果てで待っていて〜嘘とナイフ」←実はこの感想のために独立させた(笑)

今回はそれもひと際、なにせ主人公はお花屋さんです。
今作は「花」がキーアイテムになっているミステリーですので、まさしく百花繚乱。本物の花はもとより、登場人物も、メインキャラ始め事件の被害者に至るまで、すべて「華」ある美形ばかりとなっております。
妖しく芳しい花々が咲き集う、秘された園。作者様の丁寧な筆が、夜露のごとく花葉を煌めかせて、ぞくぞくするほど美しいです。

今シリーズ通しての象徴花はおそらく「薔薇」、色は今のところ「白」かな。
西洋人にとっての薔薇は、日本人にとっての桜に価いするように思います。日本人は桜に生と死を見出しますが、西洋人(ヨーロッパ系)は薔薇に秘密と道徳を託すのですね。
「sub rosa〜薔薇の木の下で」という言葉通り、咲き乱れる薔薇の下に眠る秘密。秘されているのは、過去の記憶(事件)であり、現在の感情(動機)であり、未来の行く末(真相)です。
薔薇の色が様々あるように、抱える秘密も惹かれる秘密も人それぞれ。それらを明らかにすることがいったい何を産むのか、神様は知っているのでしょうか
                            
                           *

初夏の花園を彩るのは、薔薇の他にも、ジューンベリー、アルテミシア、ベニバナハナミズキ、ミント…なかでも司のイメージフラワー、くちなし(梔子)が印象的でございます。
香りの甘さ、清楚な花姿、輝く程の白さ。育て方も難しくない綺麗な花木ですが、花の美しさを維持するのは難しかったりするんだよね。強すぎる甘い香りは虫の大好物だし、闇に負けない純白の花弁はわずか一日で茶色く朽ちはじめてしまうし…。←白の純度が高いだけに枯れた時の残念ぷりったらない
花が朽ちてもなお甘く匂うとか、日当たりの良い場所より半日陰の方がよく育つとか、う〜ん、まさしく司のイメージそのものって感じです。「いやらしい花」(by司)とまでは申しませんが、確かに妖艶淫靡な雰囲気の花ではあるよねぇ。

そして豪奢な薔薇の風情ながら、まつろう虫のような、木の根を噛む蛇のような不穏な空気を醸し出すのは、破滅顔のイケメン・佐季(芸名:時永咲也)でございます。
今の段階では彼のすべてがほぼ謎、司とただならぬ絆で結ばれていることだけははっきりしています。害なのか益なのかの区別さえ意味がないと思えるほど、長い間傷と秘密を共有する、司にとっての泣きどころ。
夜にだけ訪れる一瞬(とき)。夜にだけ開く華。ううむ、退廃的に美しい…。
存在もミステリアスなら、お名前までミステリアスなお人です。
永い時間咲き誇る花=永遠に枯れない花なんてこの世にはありませんが、では彼の名は、この世ではないところでそれを見つけたいという願いの表れなのでしょうか。それとも、永遠に咲かせ続けたい花が、既に彼にはある?

もう1人、薔薇の木陰でひっそり咲くくちなしの憧れは強い光=慧介ですが、光だけで育つ植物などないように、彼にもまた暗い影がございました。いや、影を取り込んで光熱を増したのかな。
一連の事件を追う刑事でもある慧介は、司と心身を交わすことで秘密の保持者=事件の関係者になってしまいました。そして花狩人は、花であってはならないのです。←流刑事はこのための存在ってことですね 
光をさえぎり、涙雨を降らせる灰色のかげり。曇天の向こうには青空があることを、彼は忘れずにいられるでしょうか。


植物の成長に必須の要素は水と空気と光で、土壌は必ずしも必要ではありません。もちろん良い苗床は美しい花を咲かせますが、必須の要素がありさえすれば、砂漠などの劣悪な環境でも花を咲かせることはできます。言いかえれば、夜にしか咲かない花であろうと、生殖に花という形を持たなかろうと、生きている限り必ず光を必要とするのです。
自らを花にたとえた時点で、司も(多分佐季も)救いの光を欲しているように思えます。
これがこの物語の本質かな。まだ分からんけど…。

植物が環境に応じて進化してきたように、司という花が強い光と熱を知って、これからどのように変わっていくのか。
永遠に咲く花は、果たして今生にあるのか。本当に、神様は何も知らないのか。

すべての答えが明らかにされても、変わらずに咲く花の名前は…?


う〜ん、1巻でここまで進めちゃうんだからすごいよな〜。この広げ方だと全3巻が妥当と思ってましたが、次で終わらせることも高遠さんなら可能かも。
何巻で終わるにせよ、キャラ文庫にまた一つ、伝説が誕生する予感です。陣痛間隔は長いだろうが…

                                                   
                                                               

ここからは余談でございます。お時間ありましたらおつきあいくださいませ。
                         
                          *

ここ最近の高遠作品を読んで感じたことが、「花と色」の他もう一つございます。
(本当は「葛城副編集長の最後の賭け」感想で詳しく書いていたんですが、完成しそうにないのでここで…エヘ)

腐歴のさほど長くないわたくしでも、数をこなすうちに、レーベルの個性というものがだんだんと見えてまいりました。←あくまでわたくしがそう感じるというだけでございますが…

・青春の輝きを詩歌のごとく謳いあげるディアプラス
・ファンタジックな翼で優雅に羽ばたくリンクス
・クールな大人のラブロマンスを目指しているが、ボーイなだけにやや迷走?ビーボーイ(ゴメン)
などなど。
でもって近年の高遠作品は、こういったレーベルの個性に相応しい物語を書かれることにご尽力していらっしゃるように思うのです。
例えば…

・スタイリッシュでシャープな無二の愛を追いかけるSHYでは、「世界の果てで待っていて」
・恋と仕事と人間賛歌のシャレードでは、「愛と混乱のレストラン」
・純文学文庫から映画会社まで傘下に持ち、華やかベタラブ上等!な角川では、「成澤准教授の最後の恋」「葛城副編集長の最後の賭け」

そして今回のキャラ文庫
女子好みの品良いエロマンスと緊張感、多人数キャラによる複雑な事件背景、完結巻数まで推理の対象(笑)と、生殺し度NO.1文庫に相応しい、先の読めないミステリーになっております。
「世界の果てで待っていて」と同系のシリアスミステリーながら、愛情面では、かたやたった一度の思い出、かたや真摯ながら2人の男と関係と、しっかり差をつけてきたのも、レーベル差を意識してのことなのかな〜とか。
こんな風に、レーベルの個性まで考えて作話するBL作家様、そしてそれができる作家様、他には榎田さんぐらいしか思い浮かばない。もはや巨匠の域でございます。


わたくしのこのヨミがトンチンカンではないことを祈りたく、是非とも高遠さんには色々なレーベルで書いてほしいと思っておるのです。果たしてどうだろう…?







                               〔絵師:高階佑〕〔カラー:★★★★☆〕〔カット:★★★★〕〔画:女装〕


励みになります、ありがとうございます♪ 拍手する
[小説・作家名た行]高遠琉加 | comments(5) | - |

スポンサーサイト

 

励みになります、ありがとうございます♪ 拍手する
- | - | - |
<<prev entry | main | next entry>>

Comments

■miOO様
相変わらずのイメージ感想を読んで下さってありがとう、でもってお礼が遅くなりまして申し訳ない!
これね、次回の既刊フェアの対象作にきっと入ると思われたので、買うのも待とうかな〜と思っていたのです。でも主人公がお花屋さんだと小耳にはさんだ途端、買いに走っておりました。そして続きに泣いたという…σ(^_^;)
でもこの展開だと、作者様の中でラストまでしっかり道ができている(と感じる)=次までさほど待たされないだろうと思ったんだけど…どうかな(笑)

私もフレブラ読み返しは年末年始のお楽しみにしようと思っとりました。積んで並べてえへへ♪って喜んで仕事する…みたいな12月です。あああ、はやくお休み来ないかなぁ…。

でもってゲーム…ゼルダ!ファミコン世代にはたまりませんね♪初めてリンクを見たとき「…チンクじゃん!」と驚いたことが思い出されます。
※チンク…「リボンの騎士」(古っ!)に出てくるちびっこ天使。そっくりだった。名前も何となく似てる…(笑)

そうそうゲームと言えば、後輩ちゃんがあの「うた★プリ」を貸してくれると言ってくれたのですが、泣く泣くご辞退いたところです。辞退理由としてまさか「BL読みとブログ活動で忙しいから無理!」とは言えず、大人らしいテキトーな理由を言っておいたんですが、今日「ホントにいいんですか?」と聞かれました。ミレンタラタラがばれてる…?σ(^_^;)
comment by: miru-ha | 2011/12/09 23:05
■瑞O様

高階さんご担当のシリーズもの、待ってたよね〜(≧▽≦)キャッ♪
あてにならない私のカンだと、全3作、いや2作かな〜…。

フレブラCDご予約されたのですね!今回13巻、14巻が2枚組、15巻が1枚と知って驚きました。
14は絶対2枚だと思っていたけど13もとは!でもってまさか15巻が1枚なんて…中2病和哉が圧縮されちゃう〜(笑)

comment by: miru-ha | 2011/12/09 23:14
こんにちは。miru-haさま こちらのページではお久しぶりでございます。

夕べは満天の星空の元での皆既月食、ご覧になりましたか?
おかげで放射冷却→初霜 冬本番!寒くなりました。。


今回のこの新刊、神様も知らない はホントに神様もビックリ?!の展開になりそうですね〜 
BLなのに最初に女性モデルの変死事件からですものね。
結構女性の描写も細かいし。。
読み進めていくうちに???これは一冊じゃ終わらない??
えっ?また登場人物増えてるし〜〜(日置検事)

なんだか甘く見ておりましたよ(泣)

イラストの高階さん・・・・あまり遊びがなくて表情が均一に見えてしまうのはストーリー展開の駆け引きで仕方ないのかな?
あと10日ほどで高階さん初のコミックにお目にかかれると思うと期待に胸が膨らみますけど。(これでまぢ胸が大きくなってくれるとウハウハなんですけどね笑)



この前、教えていただいた沙野さんの”ムシムシ”シリーズ。最終巻の蜥蜴の巻はどこにも在庫が無いばかりか、
Amazonにいたってはプレミア価格!うへぇぇぇ〜お手上げ。

そんなこんなで最近はちょっと昔の(極道系)シリーズ作品モノに嵌ってます。完結していると思うと安心して読めるし〜!と、とことん我儘読みなわたくし。
今回のレーベル別考察を参考に漁っていきたいと思います。
miru-haさまのフレブラに到達するにはまだまだ時間が掛かりそうですが(笑)


そろそろインフルエンザも流行りだして来ました。
予防策をしっかりと、年末に向け頑張ってくださいませ。。

p.s
この前、miru-haさまのツイッター見つけましたよ!
comment by: iku | 2011/12/11 13:30
■iku様
こんばんは〜♪皆既月食素敵でございましたね〜♪一生懸命見ていたら首が痛くなった&すっかり鼻風邪をひいてしまいました。
iku様は風邪などひいておられませんか?どうぞあったかくして遊んでいって下さいね!

>BLなのに最初に女性モデルの変死事件からですものね。

そうなんですよ、今までも女性を少なからず登場させていらしたけどここまでオンナオンナする高遠さんも珍しい…。でもってイラストには一切登場させてないものね。←これは作家様か出版社サイドの意向と思われます。
司とサキが絡む過去の事件にオンナ(母とか姉妹とか)が関係してるような気がするので、その辺の絡みもあるのかな…?


>イラストの高階さん・・・・あまり遊びがなくて表情が均一に見えてしまうのはストーリー展開の駆け引きで仕方ないのかな?

うんうん、もうちょっと遊びがあってもいいですよね〜。もともと表情がない「キメ絵」が美しい絵師様ですし、この作品には動きや表情があまりなくてもいい気がするんだけど、カットそのものが均一に思えるっていうのは絵師様らしからぬ…ですよね。お疲れのせいでなければいいんですが…。

>あと10日ほどで高階さん初のコミックにお目にかかれると思うと期待に胸が膨らみますけど。(これでまぢ胸が大きくなってくれるとウハウハなんですけどね笑)

わはははは、確かに!近頃膨らむのは腹部と妄想ばっかりですよ、胸なんてタれる一方で(爆!)先日しみじみと小太りな我が身を眺めて「何かに似ている…」と思ったのですが、出た答えは…「土偶」でした。サイアクにソックリだ☆


>Amazonにいたってはプレミア価格

ええええ、そうなのですかっ?!う〜ん、こないだ発売したばっかりな気がするのにもう絶版状態なのか…。新装版が出たばかりだし、今が増版のチャンスだと思うんですけどねえ…。

>(極道系)シリーズ作品モノ
うわ〜これなんだろう?!「黒羽と鵙目」(あ、これは未完か)とか、「やってやる!」シリーズとかでしょうか?感想是非お聞かせくださいねっ♪

>そろそろインフルエンザも流行りだして来ました。
>予防策をしっかりと、年末に向け頑張ってくださいませ。
ありがとうございます〜♪ お互いに頑張りましょうね&いつでも息抜きに来てくださ〜い♪

>ツイッター
おおお、よく見つけてくださった!ありがとうございます〜っ!ブログ最優先&つぶやきベタなのでほとんど、というか、まったく活動できてないのですが、ケータイから読直後感想を書くとかブログに貼るとか、なんか、なんかできないかな〜とは思ってます、思ってるんですが…σ(^_^;) 
早々に何とかしますので、万事整いましたら友達になってやってくださいね〜っ(T^T)

comment by: miru-ha | 2011/12/13 23:26
■お名前なし様
拙い激ナガ文を読んで下さってありがとうございました。そしてお返事が遅れましたこと、大変申し訳ございませんでした。
いただいたお言葉、なるほど〜☆と読ませていただきました。うんうん、レーベルからの依頼も確かにございますね!
それを受けて、その枠の中で創作しようとして、思いつく筋がこれらの作品なら、やっぱりすごいな、もはや別格といってもよい風格がある方だな〜と、高遠さんがますます好きになりました♪

お声かけくださってありがとうございました、どうぞまた遊びに来て下さいませね。
comment by: miru−ha | 2011/12/20 07:59

Leave a comment