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「天国に手が届く」 夕映月子/木下けい子

◆あらすじ
登山が趣味の会社員・佐和は、あこがれの登山愛好家・小田切に出向先で出会った。思い切って山に誘うが、小田切の心の傷になっている、亡き有名登山家の叔父・叶の話を持ち出したせいで、冷たく断られてしまう。ある日、一人でクライミングに来た佐和は、偶然同じ場所に来ていた小田切が原因の落石でケガをする。彼の罪悪感に半ばつけこむように、登山の約束を交わすが…?
孤独な心に寄り添う、天上の恋。


皆様、こんばんは。 本日は突然降ってわいた新企画、
「第一四半期読書感想・独立編」をお送りいたします。←長い&字面(じづら)が重い

本企画は、月間読書記録にコメントつけていたら止まらなくなった=わたくしの萌えツボ刺激作品を、第一四半期(1〜3月)読書記録からピックアップして、独立感想に仕立てる企画となってございます。

それって、通常萌え記事ってことなんでは…?と感じられたお客様。はい、その通り☆
コメントからスタートしているので感想ボリュームが若干少なめ=並ナガってことに、特別感を出してみたかっただけでございます。
通常スタイルがあまりにお久しぶりすぎて、なんだかUPが怖くて祭り仕立てにしないと勇気が出ないという、わたくしのヘタレチキンさが生み出した企画とも申せましょう。

完成度云々はおいといて(やって下さい)、わたくしの、書きたい!ツボ高刺激作ばかり集めてございますので、スナック感覚で我が萌えツボをつまんでいってくださいませ。←?

                              
              
チキン企画第1弾は、ディアプラス期待の新人・夕映月子さんの「天国に手が届く」でいってみたいと思います。
昨年末の発売直後より聞こえてまいりました高評価の嵐に、グラミーランキング変動を懸念し読むのを控えていたワクワク作でございました。

新刊とはもう言えないってことで、ネタバレも気にせず書いてございます。未読のお客様はお気をつけ下さいませね。


 

◎イラストチェック/木下けい子 アート&コミック派                          
カラー★★★☆ 口絵★★★★☆
絵の雰囲気とカラータッチがとてもよく合っていて(透明水彩の魅力)、ついつい目を奪われます。平台で目を引く存在感、これぞ絵センスと申せましょう。作品の透明感ともばっちりです。
でもって表紙よりも、口絵の良さが際立ってます♪
わたくし、本編読む前に口絵をうっかり見てしまいましたが、薄目で見たにもかかわらずジワッときてしまいました。空に手を差し伸べる佐和。佐和を見つめる小田切。2人の心情を思うと…。
ヘタに岩や稜線を描かず、空と人だけに絞ったのが大成功です。すべてを語らなくとも伝えられるものがある、としみじみ感じ入ります。
※余談「口絵」・マイルール
以前もどっかで書きましたが、ネタバレがイヤというわたくしのしょーもないこだわりで、本編読む前の口絵はできるだけ見ないor薄目で通り過ぎるようにしております。←例外・F&B 買ったらまっ先にガン見

カット★★★☆ 
ごちゃごちゃと描きこまない、「線」で勝負のフリーハンドペン画、好みです。
最近コミックの発行数が多くて追いつけませんが、この方の絵描き魂はアート派だと思うので貴重な両刀使いとさせていただきました。
                         
はっとする素敵な表情を描かれる絵師様です。P109やP172なんてステキ〜♪ ただ、「はっと」出現率が安定していないのが惜しいんだよな〜。
でもって1枚1枚だけではなく、カット全体としてのメリハリがもう少々欲しいところです。カットのほとんどが同じ大きさの人物ばかり(ウエストアップか顔アップ)なのが、悪くはないけどもったいない。
せっかくの雄大な自然を舞台にしている作品ですから、1枚ぐらい作者様のお名前にちなんだ(笑)、夕映えの雲とか月の夜空とか山の稜線などをドドンと描いて、「天国」「ちっぽけな肉体」「(心の)無限の広がり」なんかをもっと感じさせてもよかったような気がします。←口絵と真逆の指摘をしております。カラー(口絵)とモノクロカット(挿絵)の性質は全く別ものだと、こんなところからも分かるのだった←え?私だけ?

それにしてもディアプラス作品は、あいかわらずフライングイラストが多くて疲れます。←ムダに感情をアップダウンさせられて気疲れするってことね
今回もP109、ついに崩れた小田切の髪を、そっと梳きながらいとおしむ佐和という、こんなに印象的なステキシーンで先走り(ネタバレ)です。
以前も申しましたが、小説なんですから、こういうことはまず読んで知りたいのです。それからイラストを舐めるように観賞し、ニマニマするってぇのが正しいお手前でございましょう。←言い切った! Σヽ(゚∀゚;)

どうも「挿絵」にマンガ精神(絵で語る)を投影しすぎるゆえのフライングに思われます。
さすがBLラブポーズ集をシリーズで出す出版社様、コミックフェチ体質はもう社風かな。そう思えば、怒りもちっとは収まるような(笑)

 【参考文献・新書館プロデュース最新ラブポーズ集】

「マンガ家と作るBLポーズ集 〜ラブシーンデッサン集」
          
BLマンガには欠かせないベッドシーンを、あらゆる角度から描いたデッサン集。 使用頻度の高い12体12方位から高さも三段階。計458点以上の線画を収録します。 もちろんトレースフリーです。
すべてのBL作に送る、最強のデッサン集!   
                        

わはははは、なんてツッコミ甲斐のある帯コピー!「使用頻度」って!(どうやってデータとったのでしょうか、わはは) 8点を惜しむ(「450点以上」と書けない)制作側のアツい愛、やはりフェチが入ってます(なにげに計算も合わないし、笑)
BLイラストチェッカーのマストアイテムとして激しく購入意欲をそそられる図案集ですが、2520円もするの?!さすが、腐っても美術本。←あら、ちょっとうまい☆
 



◎本編感想                                                  
新人らしからぬ、とのご評判通りでした。
筋金入りの山ガールだからこそ描ける作品と申せましょう、BLを読んでいるという意識が途中からなくなり、「物語」として引き込まれました。←ラスト(H)で思い出したけど

以前真崎ひかるさんの「白の彼方へ」「暁の高嶺で」感想を書いた時、「山岳BL」と称しましたが、この作品は山を題材にしてはいるものの、「山岳BL」と呼ぶのはちょっとしっくりこないかな。
BLそのものの枠から微妙に外れておりますものね。←ボーイズのラブがなくてもこのお話の伝えたいところは変わらない、と言いたい

いってみれば、真崎さんの「山」を登るのに必要なザイル(←2人を繋ぐ絆の意、笑)はラブ=山で育む2人の愛ですが、夕映さんの「山」登りに必要なザイルはセルフ・アイデンティティ=山が育む2人、に思えます。
この2人は互いに出会う出会わない以前に、「山」無しでの自己が成り立ちません。もしどちらか1人が何らかの事情で山に登れなくなっても、意志をついでもう1人は生涯山に登り続けるのではないかな〜。
一方、真崎作品のお2人は、何らかの事情で山を下りても2人一緒であれば幸せに暮らしていけそうです。むしろそこ見たいっみたいな。
どちらのタイプも美味しくいただける=その日の気分で萌え味を選べるってのがBLのいいところですね♫
                         * 

人物設定の巧みさが際立っておられます。こういう上手さに唸らされた新人様作品って、わたくしのの記憶するところ、いつきさん「G1トライアングル」、海野幸さん「八王子姫」ぐらいではないでしょうか。

小田切が持つ、時に人を拒絶する清冽さや厳しさ・頑なな純粋性。
佐和の持つ、包まれて溶けてしまいたいほど心地よい抱擁感や懐かしいまでの温かさ。
これらはそのまま、大自然・山の持つ魅力に置き換えられます。
同時に、作者様が2人を通して伝えたいのは、「人」の本質だと思うのです。山においては個としての「人」、下界では会社の同僚やジムオーナーに囲まれて社会参加する集団としての「人」、と、自己確立の誇りと集団所属の安心感、どちらにも喜びを感じるのは人である証しといえましょう。
「そこに山があるから」人は山に登りますが、「そこにある」と分かるのは下から山を見つめているからです。山は下界に立つからこそ見上げられる、還るところがあるから安心して孤高を追えるのです。

パートナーとしての2人は互いにその背を見上げ、天国に届く頂きで初めて2人並び立ち、恋を語る時だけ甘く向き合い、睦みあいます。

「一緒にアラスカに行ってくれないか。」
「天国にだって一緒に行くよ。」

叶える夢と叶わぬ夢。分かっていて、それでもかわす約束。欲しい言葉。

自然(人)があって、生命(想い)があって、地球(人生)は回っておるのですね。


ミクロとマクロで歌い上げる同じ賛歌。なんて壮大な!                         
この2人が惹かれあい、誰よりも側にいてほしいと願うのは当然だわね。お互いが唯一無二の対なる存在、陰陽は補い合って真円=世界=生命を成すのだものね。
こんな恋がしたい、というより、こんな人間関係を育みたいと思えます。

でもここまでの高みを目指すには、まずは己(おのれ)の自力を相当磨かなければダメってことか…。う〜む、えらいとこまで考えさせてくれるな。
お若いのにツウなツボのつき方してくるよ、効く〜っ☆←28±2ぐらいのご年齢とお見受けします    


冒頭で申しました通り、筋金入りの山ガールにしか書けない作品と思いますです。こんな世界をBLで見られるなんて、わたくしBL読みになって良かったでございます。

                           

とはいえ、大絶賛で100点満点!とはいかないのが拙宅感想でございます。すみません。
この作品で申せば、キャラ描写に少々「?」が。←設定ではなくて、心理描写とか性格描写とかそういった類

主役の心情(佐和の心の動き)をモノローグやセリフとして徹底的に教えてくださってますので、小説を読む醍醐味が半分しかない(読んで楽しめるが解釈の幅がない=感じるだけで考えられない=一度目で感じ入るけど二度読みを誘えない)のですね。せっかく何度も読み返したくなるものがここにはあるのに、なんてもったいない!
Hシーンでの、突然のキャラチェンジ(ベッドで豹変?)にも瞳孔がやや見開かれるし…。といっても、魔法の言葉を唱えれば忘れてしまえる程度のことですけども。ぽぽぽぽ〜ん←数をこなせば解決する、技術的?な課題だと言いたい
才能やセンスなどに既に恵まれているお方なので、このまま邁進し続けていって下さるだけでよいのでございます。

余談:Hシーン
「五合目」「八合目」はよかったですね♫ こんなとこでも山岳アタックかよ、みたいな(笑) でも作品の持ち味からして、笑っていいのか一瞬躊躇はいたします。ここで笑ったら人でなしかしらっていう…わはは
でもって、時をほぼ同じくして刊行された、「山」が全く出てこない超意欲的ナナメ山岳BL・Sさん「リバーシブルスOイ」のアタックは遠慮くなく笑い飛ばせたな〜と思ったのでした。(テントを張れ!いろんなルート=ヴァリエーションルートで昇りつめろ!的な笑)
まことBLの萌え味の豊富さには、感じ入る(ぶはっ)

                           
                                         

ペンネームからして、相当の自然派作家様と思います。
ワーキング(だけ)でもなく、ファンタジーでもなく、恋愛一辺倒でもない。「大自然」を舞台に雄大かつ繊細なフィクションを創作できる作家様、一般小説界でもそう多くはありません。
山モノ?というと、必ず故人=亡くなった人、または亡くなる人が出てきますし、この作品も小田切の叔父が故人ですが、この方なら「死」を扱わなくとも山と人を見つめられるのではないかとさえ思います。この非凡な個性、大事に大切にしていっていただきたいです。
次回作も山モノでも、わたくしちっとも構いませんので、この方にしか書けない世界で再び魅せていただきたいと切に願う、次作も買いですよ♪

                           *

それにしても、ディアプラス(新書館)と花丸文庫(白泉社)の新人開拓情熱度は素晴らしいですね。BL版プロジェクトXと呼ばせていただきたい☆
この分野にこれほどアツい出版社様は、業界ではこの2社様だけではないでしょうか。戦略も個性も全く違うのが、これまた面白いです。



◎イメージソング                                              
菅原紗由理「君がいるから」
        
国民的超有名RPGのエンディングソングです。(だったとは知らなかった、「X」以降のシリーズは未プレイなもんですから…)

壮大かつ優雅な旋律と希望に満ちた歌詞が、美しいイマジネーションをどんどん広げてくれます。←広げたイメージ→妄想までいっちゃうのは、体質なのでしょうがありません

立ち止まっても 忘れそうになっても
何度も何度でも 前を向いてゆくと誓うよ
見上げた空 光が差し込んでいる

2人でアラスカのオーロラを見上げながら、どちらともなく、亡きかの人にこう誓うのではないでしょうか。
                                              
                        
                       
                          



気がつけば普段と変わらぬ長さ…書きおろしイラストチェックで調子に乗りすぎました。ははは。





                           〔絵師:木下けい子〕〔カラー:★★★★☆〕

                   

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    Comments

    ■ゆOO様
    あまりにお久しぶりの通常?感想、こんなんでいいんだったか?のビクビクUPでしたので、戴いたお言葉がとても嬉しゅうございました、ありがと〜!

    私もここのところ、新刊ばかりザクザク読んでしまっていたのですが、書き留めておきたいな〜と思うトコ(萌えツボ刺激ポイント)が結構あった作品が多くて。で、今やらないともうできないな、並ナガならなんとかなるかな、とf(^^;)

    完成してる感想がこれを入れて3作、イメソンとイラストチェックがまだ書けてないのが3作、まったく手つかずだけど構成は頭にあるってのが3、4作あるけど、このうちいくつあげられるか…。
    お楽しみ、とはとても言えませんが、お気楽リラックマに遊んでいって下さいませ♪←「お気楽」に遊ぶにはカタすぎるけど(爆)

    comment by: miru-ha | 2011/04/15 22:21
    ■ゆOO様
    そうそう、NO.9はやまねさんで正解でっす♪「ファインダー」新刊、アニメイトさんだと別SSがつくと知らなくて通常限定版を買ってしまって床が抜けるほど地団太踏んでます。
    1冊だけ注文するのもなんだし、くなったら店まで買いに行くか?!←店頭販売してるんだろうか…
    comment by: miru-ha | 2011/04/15 22:25
    ■みOO様
    わはははっはは、も〜みOO様ったら♪<山男Oッチ
    極寒のテントでアレコレなさってしまったら、声が漏れる云々より凍傷とかシモヤケとかそっちの方は心配ないんだろうか…とかうっかり考えてしまった、でも作風をおもんばかって書くのを遠慮したわたくしのストレスを発散させて下さるコメントありがとうございます♪

    >新人発掘
    おお、情報ありがとうございます!!早速チェックしてみま〜す♪拙宅次回感想も新人さん作品なのですよ、みOO様はもう読まれたかな〜?


    P.S あの〜ここでお伺いするのもなんですが、私がお送りしたツイッターって届いてます?2回ほど挑戦したんだが、不慣れなものでうまくいったかよくわかんないの…。
    comment by: miru-ha | 2011/04/15 22:57
    >凍傷とかシモヤケとかそっちの方は心配ないんだろうか
    確かに!(笑) 特にあの部分が凍傷になって、切断・・・とかなったら大変ですよね!(ならないと思うけど・・・汗)

    「ブルームーン、ブルー」は読んでないのですよ。
    今度書店を見てみます! 新人さんは無限の可能性を秘めてるので、素敵な新人さんを見つけるととても嬉しいです♪
    (あの高遠琉加さんでもデビュー作はあまり上手くなかったですから)

    松雪奈々さんの「なんか、淫魔につかれちゃったんですけど」はトンキワBLとオヤジ受好きならお薦めです♪

    >私がお送りしたツイッターって届いてます?
    届いてませんでした(笑)
    miru-haさんのお名前で検索して見つかったので、フォローさせていただきました。
    これで、これからはmiru-haさんのつぶやきが見れるようになりました。
    フォローしないとつぶやきが見れないのです。
    よければフォローし返していただけると嬉しいです。
    (フォローしてもらえると、miru-haさんが私の返信を読めるようになるので)
    といいつつ、私もツイッターはビギナーなのでよくわかっていません・・・(汗) 最近ようやく返信とリツィートの違いがなんとなくわかってきた程度です(笑)

    これからはツィッターの方でもどうぞよろしくお願いします♪
    comment by: みずほ | 2011/04/16 12:06
    ■みずほ様
    >凍傷
    そうなの、なんせ局地的に高水分でしょう?冷えやすく凍りやすいと思うのよ!(わははははは!)

    みずほさんオススメ作品のフルタイトルに爆笑です。<なんか、淫魔に〜
    ははははは、水瀬さん「にゃん急便」に負けてないよ!トンチキでアタリってこれまたすごいです。今日行った書店では見つからなかったんですよね、いつものネット屋さん?でポチってきます♪

    >ツイッタ
    うわ〜、やっぱり失敗してましたかーっ!ごめんなさいっ(- -;;)
    探していただいた上にフォローまでしていただいて恐縮です、よく考えたら読メで連絡できたんでは…、と今頃気づいてしまいました。ソコツ者で重ね重ねごめんなさい!

    ついったは、こたびの震災で被災地にお近い萌え友様にご連絡とろうとして始めたのです、メールもPCもダメでもツイッターは動いてた?んですよね。緊急時のツイート威力を改めて実感いたしました。

    ブログ活動最優先&膨大かつ圧巻のつぶやき量に圧倒されて、いまだ眺める専門です。
    私自身のつぶやき参加は程遠いですが、みずほ様のつぶやきはとっても楽しみにしてます。でもっていつかまともにつぶやけるようになりましたら必ずご挨拶に参りますので、どうか気長に待っててやって下さいませね。
    comment by: miru-ha | 2011/04/17 20:28

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