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「ブルームーン・ブルー」 夏乃 穂足/北沢きょう

■あらすじ
古い洋館に住むライターの堂園要は、満月を映す書斎の鏡から、過去の館に迷い込んだ。そこで自分の曾祖父である清巳と恋に落ちる。
彼のため過去に留まろうとするが果たせず、絶望した要は自棄な生活を送っていた。そこに清巳そのものの容姿を持った遠縁の高階望が訪ねてくる。望は姿以外はまったく清巳とは違い、弟妹たちのために必死に働き、前向きに生きていた。要はその望の明るさに徐々に癒されていき―。

鏡に映る像のように、確かに在るのに手にできない恋。
鏡が映した人のように、この手で抱きしめられる恋。

青ざめた僕の心に満ちるのは、願いをかなえる2度目の月の光。

作品にやられて、うっかりポエマーになってしまいました。皆様、こんばんは。

本日は、「第一四半期読書感想・独立編」 第2弾、
夏乃穂足さん「ブルームーン・ブルー」をお送りいたします。

本企画は、月間読書記録にコメントつけていたら止まらなくなった=わたくしが面白いと思ったBLを、第一四半期(1〜3月)読書記録からピックアップして独立感想に仕立てる企画でございます。
実のところ、普通の読書感想であって企画でも何でもないので、せめてもの気持ちといたしまして、連続UPがんばってみましたYO! 
        
                                        
 
  
前回に続き、今回も新人様作品でございますね。新人様作品を連続で取り上げるなんて1年半ぶりのことです。←『9月新刊3本勝負・其の壱「同」 犬飼ののVS四ノ宮慶』記事参照(2009・9月UP)

うむ、今年のグラミー最優秀新人賞は今年のようなこと(該当なし)にはならないぞ♪
ではでは、早速。


  ◎イラストチェック/北沢きょう(コミック派)                                       
カラー★★★★☆←4.5以上は画像UP
素晴らしく美しい青!タイトルに2つも「ブルー」を使ってる作品ですから、「青」が最重要カラーだということは誰もが分かる=期待ハードルが高いですが、期待以上の青でございます。店頭平台で鮮やかに目を引くブルー、ごひいき絵師様ではなくとも表紙買いしたでしょう。
舞い上がるフクロウのダークな羽根で、ちょっと物悲しい雰囲気をも醸しております。お見事。★4・5あげちゃう
でも口絵は…。この作品に肌色オンリーを求める方って多いとは思えない…などと思ってしまうわたくしの感覚がおかしいのでしょうか。

カット★★★★
「是」ファンブックでイッキに知名度が上がったのではないでしょうか。あの本出版前と後で、お見かけする頻度が全然違います。←わたくしには珍しく、デビューマンガからチェックしていた方だもんね、ごひいきごひいき♪
どんどんお上手になっていかれて、おばちゃん嬉しいです。来年はお年玉を取りにおいで〜♪←意味不明
                        *
どれも綺麗ですね〜♪♪ コミック派絵師様の良いところが満載です。コマ割り、表情、密と疎、白と黒のバランス、どれをとっても誠実さにあふれています。←出来る精一杯の努力を捧げているって意味ね
出てくる男子もすべて可愛く、色っぽく、次のイラストはどんなかな?と、ウキウキ読み進めていけます。
1枚1枚はもとより、カット全体のバランスを相当意識して描かれている方と思いますです。全画を並べてバランスチェックしないとこのメリハリは出せないと思うな、BRAVO!

ぜひとも挿絵マスターを目指していただきたいってことで、あえて課題を申し上げますと「H画」でございますね。
とても丁寧で華やかなペンタッチ、絵師様のお人柄も、お絵柄通り真摯で誠実でいらっしゃると推察いたします。(絵には性格がモロ出ますよね)
でも、この真摯で誠実なお魅力がH画では少々邪魔をしておるように感じられてしまうのです。いや違うな、邪魔ではなくて、私の思うこの方のお絵柄を活かすH描写と、実際のH画にちょっとずれがあると言えばいいのかな…。上手く表現できなくてすみません

P54&P187。愛の嬌声さえ切なく響かせる本作で、あの表情、あのアングル、あの部分?は、少々サービス過剰というか、作品から少々浮いてます。
エロメイン作品ならセキララなピー×ピーでズンドコドン☆でも構やしない、むしろウエルカムですが、今作のようなセンシティブな作品では、どれほど麗しかろうとあそこまで見せてくれちゃうのは違った意味で青くなるっていうか、P133のように下半身を一切描かない朝チュン画オールでも無問題なんでございます。
想い通じてのアツい愛の交歓ですからBLらしく、かつP133と違ったテイストで出血(危険!)大サービス☆と考えて下さった(であろう)絵師様の真摯な挿絵ポリシーに感じ入りますが、例えば、シーツを掴む手、さらにその手を掴む手だけ、なんてのでも情熱は十分表現できますし、花や羽根などのオトメアイテムを散らしてもいい。
要は出し惜しみというか慎みというか、作品テイストに合わせた、コミック派ならではの「夢加減」を研究して下されば、おばちゃんなお一層嬉しい=お年玉上乗せ♪なのでございます。

重箱の隅に穴あいちゃうようなリクエストと自覚しておりますが、それだけ期待度が高いってことでお許しくださいね。



◎本編感想                                                  

ブルーは夜空。ブルーは憂鬱。ブルームーンは願いをかなえる、神秘を秘めた二度目の月。

2度の恋。2人の想い人。鏡像と実像。過去と現在。

ブルー・ムーン・ブルー、月を挟んだ青と青。

う〜ん、よく出来たタイトルだこと。主役3人の関係がよく分かります。
若竹のごとく清冽でまっすぐな情熱が、タイトルにも作品にもあふれております。いいね♪

不思議の力でタイムスリップ、そこで出会う運命の恋という設定は、マンガやSF界では嫌というほどお見かけしますが、BL小説でこの設定を描くのはかなりの難易度と思われます。
飛んだ先か、元いた時代、どちらかの人間関係との別れが絶対条件のタイムスリップ、ラブ成就のハッピーエンドにするには誰かがどこかで必ず泣くことになる=そのキャラだけBADENDになるからです。しかもこの作品は、メインキャラ3人による時代を隔てた三角関係という意欲的設定、「実らぬ恋=悲恋」をしっかり描いたうえで(キャラに体験させた上で)、最終的には「めでたしめでたし♪」で締めてあります。
JUNE時代ならともかく今のBL界で、過去バナではなく(過去だけど)、進行形で悲恋を描くというのはベテラン作家様でも難しいのではないかな〜。御大描く「F&B」でさえ、実らぬ恋体験は黒髪トリオ(ビセンテ&ないじぇる&和哉)だけ、メインカプには体験させておりませんもんね。
丁寧に心情を追える長編ではなくて1冊完結(しかもBL)でこのジャンルに挑戦なさって、完成形をとっていることがまずすごい。なかなか気骨のある新人様でございませんか。
                         
                          *

要(かなめ)・清己(きよみ)・望(のぞみ)の3人が織りなす、切なさ以上・悲しさ以下のギリギリのセンチメンタルに、絶滅寸前のオトメ細胞がざわざわと騒ぎます。

若気の至り、生意気さが少々ハナにつく要が、遺産として渋々受け取った古い洋館。
そこで出会った奇跡の恋と哀しい結末が、要を本当の大人にします。

そして、ブルームーンの魔力に導かれ、出会ってしまう、かの恋人とそっくりの少年。
青い月が連れてきたこの少年は、あの時の?それとも…。

満月の度に3年進んでしまう時差?が上手いんだな。1ヶ月と3年では流れる時が違いすぎ、焦る要の気持ちがよくわかります。
28歳社会人が14歳男子に一目ぼれしてしまうのも、現代社会では無理があっても、15でねえやも嫁にいく時代の「14」なので、(ぎりぎり)理解の範疇です。

要と清己(望にも)に血のつながりがある以上、清己は過去に結婚=女性と関係を持たなければいけません。彼はいったいどんな気持ちで、命をかけて愛した要を思いきったのでしょう?

清己の身代りと確信しつつそれでも要に恋をして、ついに自ら身代りを演じる望。
彼の想いは報われるのでしょうか?

要は清己と望のどちらを選ぶのでしょう←清己を選んでも過去は変えられない=要はずっと独り身ってことね

おおお、ひっぱってくれるぜ!!

                          *

今作の攻様・要は、過去に生きる清己と今を生きる望を愛する訳ですが、1作中に2度本気の恋に落ち、しかも前の恋にケリがついていない要のような攻キャラは、無茶はするけど本気なのはたった一人の運命の人(受)だけ、が大前提のBL界ではかなり珍しい存在といえましょう。

言いかえれば、要の心の動きに説得力があれば、読み応えある作品になる=大成功作になるのですが、過去編は要視点、現代編は望視点になってしまうため、後半の要を理解するのにチト努力が必要なのが惜しいところです。
本編最大のヤマ場、身代わりとなった望とのHシーン、望視点で読んでいくのでけなげな一大決心に胸震えますが、この時の要の心情にまで想いを馳せると「…ハテ?」
望の健気さを分かっているなら、ここは乗っかっちゃったらいかんだろう(きちんと気持ちを伝えてからコトにいたるべきだろう)っていうね…(ピンク変換不可、笑)
加えて、あんな悲しい別れ方したわずか3ヶ月後に望と出会ってしまうのが時期尚早といいますか、10年、せめてもう2,3年はひっぱってくれないと、前の恋(清己)がどれほど大切だったのか、どれほど要の人生に影響があったのかが伝わってきづらいんだよね。
 
弟SSが入れられるぐらいだからページがないわけではないと思うので、若干空気が違う弟編を削ってでも、本編の要をもう少しじっくり味わっていきつつ、1冊まるっと3人の世界、冴えた青い月の世界を堪能したかったようにも思います。←おまけはあればあるほど嬉しい=SSはやっぱ読みたかったとも思うので、「ない方がいい」と断じることができない、むずかしいよな、この辺…

※余談
作中、要に「ブルームーン」の意味をおしえてくれたのは、「天文マニアのバーのマスター」です。約1年前「ブルームーン」をフリにドラマティック感想書いてた、どこぞの腐女子と同じニオイがいたしました。このバーの住所を教えてくれ!と、その腐女子は切に願ったと聞き及んでおります。

                          *

作者様が大事に、慈しんできた作品だとよく分かります。
本編から溢れる作品への愛が、読み手の心まで清らに満たしてくれます。まるで、夜の世界をあまねく照らす、冴えた月の光のように。うむ、良い作品でした☆



◎イメージソング                                                
月を目指して夜空を舞い上がっていく、ちょっと切ない歌声とメロディ、って感じで選んでみました。

城南海 「 ルナ・レガーロ〜月からの贈り物〜」
       

巡り合いは贈り物、あなたがくれた光 抱きしめて

一秒でも長く そばで あなたといられますように 

満ちていく 月のもとで

いや〜、本日もいい曲ですね(笑)
最近大活躍の城海南(きずきみなみ)ちゃん、若干20歳の歌姫です。

え?歌い方が元ちとせさんに似てる?
おさすがでございます、実はお2人とも奄美のご出身、奄美島唄の歌い手さんなのでございます。
お若くても歌唱力は折り紙付きってことでございますね。

「月からの贈り物」とは、本作のためにあるような曲ではございませんか。




                          
                     〔絵師:北沢きょう〕〔カラー:★★★★☆〕〔カット:★★★★〕


                            
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    Comments

    ■ゆOO様
    わたくしたちの思い出?のブルームーン(笑)&きょうさんのイラストならば買うしかありませんよね♪

    作品から感じる作者様のオーラがすきっていうか、安曇ひかるさんのような、確実に一歩ずつ階段を上がっていかれるタイプの新人さんかなと思いました。次回はこういった特殊設定(ファンタジー)ではない、等身大ラブストーリーをぜひ読んでみたいな、と思うんですが、出たばっかりの新刊ってそういうお話だったかしら?

    ショコラのフェア?ってことは先日教えていただいた作家様サイトのSSの後日談が読めるってことですか?うわあ、読みたいじゃないのおおおおおおおおおお!
    出来れば店頭で配ってくれないかしら、応募はいろいろとしんどいのですよ、リンクス小冊子も大慌てでようやく今日送ったよ、とっても気に入ってる全サなのにこの体たらく(ははは)

    comment by: miru-ha | 2011/04/17 19:47
    ■あO様
    いらっしゃいませ、初めまして♪
    このような電脳最末端のトンチキブログを見つけてくださってありがとうございます。とっても嬉しいお言葉まで頂戴し、照れと恐縮でふわふわ浮足立っておるわたくしでございます。

    でもって、わたくしと同じ萌えツボ持ちでいらっしゃるのですね!(=趣味があう)いや〜ん、嬉しーっ♪♪同志同志(≧ω≦)
    皆で一緒に萌えあえば、さらに楽しいBLライフでございますよ(こうやってお言葉をかけていただく度に実感いたします) 
    参考にしていただけることがあるかどうか自信ないですが、魅惑の腐界を共に航海してまいりましょうね♪セール・ホー!<ないじぇるボイスでお願いします

    どうぞこれからよろしくお願いいたします。
    あO様の萌えツボ刺激BLも、ぜひ教えて下さいませね。
    comment by: miru−ha | 2011/04/17 21:00
    ■ゆOO様
    おおおお、ちゃっとちゃっと(笑)

    SS&新刊情報ありがとうございます、等身大ですか!!今日書店で見かけて、表紙が美しいので迷ったんだよな〜。でも気づいたら10冊近くBL抱えてたものですから(大汗)、今回は見送ったんですが、いやん、読みたくなっちゃったよ〜! 

    でもってペーパー!
    またもコミコミさんオリジナルですか!!くーっ、コミコミさんったら商売上手!
    あのサイトに行くと、なんだかホストクラブに行った時のような高揚感がございますよ♪(←行ったことないんだけど、そんなイメージ笑)
    イケメンを買うって意味では、ホストクラブと通ずるものがないわけでなし、うむ、腐女子の不夜城とお呼びしよう☆

    >佐田さん新刊
    なんだか木原さんと同じ怖さが待っていそうで、いまだ手を出せずのお方なのですよ。ゆOOさんの感想拝見してから決めよう…などとフラチに考えております<なんちゅう他力本願

    いつもご好意に甘えっぱなしで申し訳ないです、あれやこれは改めましてご連絡いたしますぅ☆

    comment by: miru−ha | 2011/04/17 21:20
    ■あO様
    BLにイラストなければここまで好きにならなかった、と常々公言しておる私でございます。ツボにはまったイラスト(とストーリー)に出会えた時のほわぁ〜♪♪感は、堪らないですよね。

    そしてなんと!あO様は絵様でいらっしゃいましたか!もしやPIXIVに公開していらしたりとか?
    わ〜ぜひぜひ拝見したいです!
    今ではもうすっかり描けなくなった私です。絵って描きつづけないとダメですよね、たまに描くと、思うように手が動かなくてかえってストレスが(^^;)
    時間と気持ちにゆとりができたらもう一度絵筆をとりたいな〜とは思っています。でも今風イラストはもう描けないから、絵手紙…とかかしら、やっぱり(笑)

    「絵」への渇望を、そのまま絵師様への愛(注文、ともいうか、ははは)に転じたのがイラストチェック
    や考察でして、ブログ名を「BLイメージソングとイラスト!聴いて見て描いてより萌えBL読書日記」 にしてもよかったかも☆←いいわけない

    イラストがあるのでラノベも読みます。腐界と違った絵師様がご活躍されてたり、先日の葛西りかこさんのように腐界でお見かけする方が別名でご活躍されていたりと、こっちの水?も甘く美味しゅうございます。(そのうちこの辺も書けたらいいな〜と思ってます)

    どうぞまた遊びに来て&話相手になってやってくださいませ♪
    comment by: miruha | 2011/04/21 22:43
    ■みOO様
    私もみOOさんと同じく、ショコラのフェア対策のため迷っていた例の2作目を結局購入したのですが…あはははは☆て感じです。
    これももろ手を上げて大絶賛ってわけではないですが、新人様らしい澄んだ情熱が好感度大、そこをお伝えしたかったのでございます。

    ショコラさんは去年あたりから存在感がすごいですよね〜。特に経営面で。ノベルズ廃止したり雑誌の電子化に踏み切ったりと、企画経営陣にやり手が入ったのは間違いない&経営のスリム化の次は販売拡大→独自市場開拓→新人発掘となるのですよね。しばらく勢いは続きそう、今後も楽しみですね♪ 
    >佐田さん
    読む時期を選ばないと強烈なしっぺ返しが来そうなので(笑)、ただ今タイミングを計っておりますです、もう少し仕事落ち着いたらいってみるぅ

    >ひのもとさん
    「遠くにいる人」感想はほぼ書けてるんですけどイメソンが見つかりません。このまま日の目を見ずに終わるかもです。誰だ、こんなブログコンセプト考えたの。

    comment by: miru-ha | 2011/05/17 22:43

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