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「肌にひそむ熱のありか」 神楽日夏/高宮東

    メリークリスマス☆皆様   お下品な…

聖なる今夜は、わたくしの芸術魂(もちろん萌えも)揺さぶりまくった神楽日夏さんの、
「肌にひそむ熱のありか」感想をお送りいたしたく思います。
芸術を愛する心は、わたくしにとって神聖なものでございますゆえ…♪←少々強引なこじつけ


拙宅初登場作家様でございます。
(わたくしの感じる)この方の作話の発想法がちょっと変わってる、面白いと思って、確認の意味も含め一気に幾つか読んでみたのでした。でもって、既読作TOP1作品が今作です。 
本当はそこ(考察)から書いた方がこの作品の良さがさらに伝わるように思うのですが、そうするといつにもまして長〜くなってまう…。
この年の瀬にあんまり長すぎるのも申し訳ないので、本日は、作家様考察(めいたもの)は抜きで今作感想のみモリモリ書いてまいりますね。

今年の単独感想作はおそらくこれがラストでございましょう。(あとは年明けまで企画モノのオンパレ、仕上がるか不安
今年最後の感想を、このようなステキ作品で締められますこと、とてもうれしく思います。

まずは、ステキイメソンで心温めて下さいませ。

◎イメージソング

    
絵師様渾身の美麗表紙イラストを拝見しながら、この曲を聴いているとなにやらこみあげて来るものがあったりなかったり…(やだよ、年取るって。笑)
そして本編を読んだ後、再び絵と曲を味わえば、さらに深いなにやらが。うん、いいね


ではでは、マジガチ一歩手前=笑い全くなし&ネタバレまくりの激ナガ感想と、熱のこもったイラストチェックは次ページで。



 
◆あらすじ
美大生の倫生は絵が思ったように描けないことで、スランプに陥っていた。そんな時、新進気鋭彫刻家の遼河から、骨格のモデルをしてほしいと依頼される。彼の作品に魅せられていた倫生は、遼河の強引で誘うような態度に戸惑いつつも、天才から何かを得たい気持ちもあり承諾する。最初は頭蓋骨を触るだけだったが、首筋、手足と触れてくる場所がきわどくなるにつれ、倫生は官能的な感覚を募らせてしまい…。


新進気鋭の前衛彫刻家×日本画専攻の美大生。

あらすじでこのカプ設定を知ってから、とっても楽しみにしておりました。
画家×音楽家とか、彫刻家×小説家とかではなく、同じ美術畑のジャンル違い。
この組み合わせには、作者様の考える意味がしっかりあるだろうと察せられるからでございます。

3次元立体芸術の「彫刻」と、2次元平面芸術の「絵画」。

2次元・3次元は人体・肉体を構成する次元でもありますね。
そこに「創作」に込める想い=実体のないもの=多次元に所属しうるもの、が加わり「芸術」が生まれます。
少々乱暴ながら端的に申せば、芸術とは、体(五感で実感するもの)と心(感性・第六感に響くもの)が融合して初めて成せるものと言えましょう。

体と心が融け合って成るもの。
まるで恋愛のようではございませんか。

作者様はおそらく、体を熱くする言葉にし難い想い(創作意欲や恋愛感情など)言葉にするために本作を描いておられます。なので本編は彫刻や絵画を題材としながらも、制作過程や完成品そのものよりも、言葉=会話・セリフがより重要な意味を持つのです。
互いの芸術観をまじめに語っているはずなのにラブオーラダダ漏れで、聞いてる(読んでる)こっちがテレテレ(///∇///) かと思えば、甘くかわすピロートークがまんま真摯な芸術論だったりいたします。
肉体を交わすことが美を表現する喜びと重なり、恋心を模索することが創作理念の追求にも通じる。
芸術家同士が惹かれあう恋物語である意味が、しかと存在しているのです。う〜ん、面白い。


さらに同じ芸術畑で、ジャンル違いである意味。これもとっても面白いんだな。

「骨」を生涯モチーフとする遼河が、一目で惹かれた「完璧な骨格」の持ち主・倫生。
モデルとなった倫生の「骨格」を確かめるために、体中に手を這わせる遼河。

「骨」とは体の奥に秘めて誰にも見せ(られ)ないもの。心もしかりでございますね。
肌をたどって体に奥まる骨を探る行為は、心の深層にもぐり秘められた想いを探る行為と似ています。
触りたいと手を伸ばした時点で、その行為を許した時点で、この2人は強烈な恋に落ちたのがよくわかります。←表紙がそこんとこズバリで、まったくもって素晴らしい。

そして「熱」。
熱にも、2種類あると思うのでございます。
一つは、ホカホカの肉まんとか、ひなたの温もりとか、「体」で実感できる熱。
もう一つは、萌えとか情熱とか(笑)、嫉妬の炎とか、「心」で感じる熱。

この2人の肌の下に熱くひそむものは何なのか、どんな形でひそんでいるのか。
すぐに見つかるものなのか、これからも探し続けるのか。
迷いも答えも、すべて体(五感)で認めて、心(感性)に刻んでゆく。
そうして得た甘く熱い想いをそれぞれの作品にインスパイアさせたのは芸術家の「業」、インスパイアできたのが「才能」、というわけでございます。

「肌にひそむ熱のありか」
このタイトルがどれほど素晴らしいものか、本作を読むと骨身にしみてまいります。


さらにさらに。
ジャンルの違いを「骨の彫刻」と「日本画」という組み合わせにしたことが、これまたイイのです。

正直申せば、本編から想像できる倫生の絵はどちらかというと西洋画、しかもエゴンシーレやクリムトのような世紀末退廃色の濃い画風に思えます。
官能を漂わせる女性像、魔に魅入られるモチーフとその色遣い、顔の表情までつけているのですからどう考えても西洋画の方が本編にあっているのです。
が、あえて日本画にしたのは日本…というより東洋画の技法に、「没骨法(もっこうほう)」という技法があるからだろうと思うのです。
没骨とは、骨や軸になる輪郭線を書かず顔料の濃淡のみで肉感を表現する描法で、日本画・水墨画の基礎にて奥義でございます。
本作がこの描法の名前に触発されて書かれたストーリーであることはほぼ間違いないでしょう。つまり、まずは骨を没する日本画をたしなむ受けがいて、骨を立体的に扱う攻めをお相手としたわけですね。本編だけ読むとまず攻めありきに思えますが、実は受けが要(かなめ)なのでございます。そこがまたいい。
没骨法のことを知っていても知らなくても楽しめるように、あえてこの描法を明記しなかったんだと思います。←書かれていたら野暮、でも若さってそうさせがち←だから感想ではぜひとも明記して褒めたかった。うむ、満足♪

遼河の彫刻モチーフ「骨」は、先にも書きましたように立体的で色のない美術表現です。
かたや倫生の描く「日本画」は、鮮やかながら平面的=骨のない美術表現。

表現法に共通性を一切持たせず(遼河が攻め、倫生が受けであることすら意味がある)、さらには、ひらめき天才型の遼河×自己とことん掘り下げ型の倫生、と人物像も徹底して真逆にしておいて、見つめる世界、響かせる感性は同じものとし、どちらが強いでも弱いでもなく、対等に喰い合わせる。
作者様の訴えたい「恋」と「芸術」が、美丈夫な骨軸となって本作を熱く貫いていることに感動します。
こんな関係、実にうらやましい。

                         
もういっちょ唸るのが、美しい骨組みを活かした「肉づけ=キャラ付けとその配置」です。

恋愛当事者しかこの世にいないかの如く閉じた世界で繰り広げられる恋愛バナシ、楽しいですが、一過性の楽しさ=記憶に残らない…でございますよね?あれ?私だけ?
が、このお話ではメインカプだけを主に据えていません。←主役だけど、華を主役にすべて持たせないって意味ね。

「理想を語るのって恥ずかしい」と照れるのは、理想を商品とする画廊オーナー

「描きたい絵があるのなら、恥など捨てなさい。」と諭すのは、描きたかったモデル。

「劣化コピー」とえぐるのは、コピーの容易な電脳界から。

これだけ熱く芸術に向き合う2人の恋バナですから、どのセリフも、2人のどっちかが到達してもおかしくない内容だったりします。でもこれらを絶妙に配したワキキャラに言わせちゃうからこそ物語としての厚みが一層増し、ドラマもごつ骨太になるのでございますね。

人として、芸術家として、周囲の人間と係わり育てられている(と読者が実感できる)からこそ、彼らだけが育てている恋の可憐な波乱にきゅん萌えできるのです。
遼河のやきもち焼き反省には悶えさせられたわ。達観した芸術観を持ってるくせに、なんてカワイイんだ、こいつ…!

ここから持っていくラストの一言とそれを紡ぐ唇(くちびる=後半のサブタイトル)がこれまた何とも美しい。「当て馬障害、ゴールは同居」のBLお約束コースが、一気に「シャンパンファイト」に昇華いたします。
でもって、綺麗なラストは、美しい余波(想像)を残すのです。

今後の2人が己の持つ「芸術家の業」に従い美をとことん追求する過程で、互いのジャンルに浸食することは当然考えられますよね。
リトグラフや版画の得意な日本画家はたくさんいるし、かの有名なモディリアーニだって彫刻家兼画家です。
世界表現の違いがジャンル=表現法だけならば、むしろ1度ぐらい相手の表現を試してみたい、創ってみたいと考えるのが芸術家思考の自然な流れで、「愛する人の得意分野だから手を出さない」という妙な線引きは、この2人が真の芸術家である限り決してあり得ません。
「追求」に枷を持たずあがいた末の血の叫び、名作と呼ばれる芸術作品が持つ熱を彼らはもう知っております。

いずれ訪れる波乱の時。
この2人は、その時でさえ喰い合いのだろうな。むしろその時を、待ってさえいるんだろうな。
そうして生まれる新たな作風を、是非見てみたいよな。
…なんて、すっかりオーナーか和久井氏のポジションシンキング(笑)

そんな事を考えながら、絵師様入魂の素晴らしい表紙イラストを見ていると、なんだか熱いものがこみあげてくるでございますよ。

これが本格美術家(?)小説だったならば、ここからが本当のドラマの始まりとなりますが、わたくしが読んでいるのはBL、なのでこれはここまで(想像の範疇の後日談)で良いのです。
ここから先、作者様がもっとあがいて血を吐いてみたくなった時、この2人にもう一度会わせてほしいと淡い期待すら抱けます。

どこまでも、面白かった。読メ32Userはもったいないよ、いいお話でした


   

◎イラストチェック/高宮東コミック派(もうちょっとでマスター)
カラー★★★★☆
大変、美しゅうございます〜!!
ブルーグレー系の綺麗なお色遣いをする絵師様が今回挑戦した「熱の赤」。

お互いしか見ていない2人。
愛する人を求めて両手を差し伸べる遼河。両手をささげる行為は、自己防御を放棄する=滅私純粋の情熱行為でございます。
かたや、まるで誘うかのように、高い塔?でラプンツェルよろしく王子を待つ倫生。愛しい人からの両手が我が身に届く「その時」を待っています。が、姫も隠れた右手で王子の情熱の結晶である「骨」を愛おしそうに抱いているのです。
※便宜上「姫」と呼んでいますが、どちらかといえば倫生は中性、男も女も感じさせないユニセックスなお人です。そこのところもよく出てマス。

散華の花は、血(肉体)と情熱と恋情の赤。
恋する2人と、2人の魂(骨彫刻と絵そのもの)、作品の心が凝縮された素晴らしいイラストでございますね。

ただ口絵は…。
肌色オンリーなのはよしとして、う〜んう〜ん…。「完璧な骨格」を持つお人を描いているだけに余計に痛い。
表紙だけなら★5以上つけたい、でもこの作品における口絵の残念さは…ってことで、カラートータルは★4.5です。

カット★★★★
コミック派だけあって、お顔の表情がどれもこれも素敵ですね!!特に、H(えっち)画♪
H画におけるお顔の表情って、観賞サイドからの注文がかなり多いと思うんです(わたくしだけか、笑)
美少女には美少女、女王サマには女王サマに相応しい、ハニカミ度と感じ度?の混ざり比率があるというか、大げさすぎてもダメ、大人しすぎてもダメ、下品でも能面でもイヤでしょ?

描く側からすると、顔の角度はもちろん、眉の顰め方から、頬の紅潮、口の開き具合(笑)などなど、ほんのちょっとの線の違いで表情=感じ方(わはは)がまるで変わってくる、相当神経質な画題です。でもって、この絵師様はそういった、顔の表情をモノすっごく研究されていると思うのです。
P89、P137 P189、小さいけれど、P118の受けコ君の表情も素晴らしいっす

お顔ばかり研究されていたせいか、全身になると時々とんでもなく不安定になるのがちょいと心臓にわるいけど、今回のカットはそこまでのこともなく、どれも本編にあっていてステキでございました。

ヘタに2人の作品を描かなかったのも、想像の余波を残していて◎です。
本編におけるわたくし唯一の残念点は、この2人が美術表現するモチーフが、ドラゴンや魔物、乙女や薔薇だったりと少々月並みなメルヘンモチーフだったことでございます。
骨作品はともかく、絵画の方はもっと感性重視の抽象的な仕上がりにして、それでも同じ世界を感じる…ぐらいの方がより芸術性が高かったように思うのです。その方が「没骨法」もより活かされます。
そうしなかった理由は、今回書かなかった作家様の「作話発想法」に起因すると思われますし、ここが作家様の譲りたくないところ=個性かなとも思うので仕方ないかなぁとも思うのですが、わたくしにはなんとももったいなく思えてしまう…。

だから、カットで2人の作品、とくに倫生の絵を描いて下さらなくてよかったと思うのです。←脳内修正がきくから
あれを見たい、これを描いてと毎度訴えているチェックコーナーでございますが、描かなくて良かったと書くことは少ないです。絵師様(作者様の指定ポイントかもしれないが) グッジョブでございます♪



  

12月23日にお送りするつもりでガンバッたんですが、結局今頃…。
クリスマス終わっちゃうね


次回は26日、今年最後の「マンガしりとり」をお送りいたします。

その後は、「BLグラミー・2010」です。ああ、いよいよ来たかぁ、この時期が…
1年早いなあ…。




                                           〔絵師:高宮東〕〔カラー:★★★★☆〕〔カット:★★★★〕
                                               

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