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「座布団」「花扇」 剛しいら/山田ユギ
〜同人誌簡易感想付 

◆「座布団」「花扇」同人誌各種 剛しいら/山田ユギ                                                                
 ■計画達成度 ★★★★★★★★      
 ■読み応え度 ★★★★★
 ■お好み度   ★★★★☆
                         (但し同人誌「布団」「夫婦茶碗」は★5)
■計画達成度…ラジオ体操のハンコ状態。星が増えれば嬉しい、わたくしのお楽しみ
■読み応え度…精一杯客観的・総合的に判断した、内容充実度
■お好み度…お気に入り指数。個人的好みなので、世間評価とかなりズレることも 
 「お好み度」の★数が少ない感想は、辛めになっております。
 次ページへ進む際の目安として、ご利用くださいませ。

問:代表的なBL作家を1人上げなさい。

なんて質問があったら皆様、どなたのお名前を上げますか?
シリアスアングラの巨匠・英田サキさん?魅惑のエンターテナー榎田尤利さん?BL界の至宝・木原音瀬さんなんてのもありですね♪
わたくしも相当悩みますが、1人ということならやはり「剛しいらさん」と答えるように思います。

ゆりかごから墓場まで、この方の著作でいまだ扱われていないジャンルはないのではと思われる、振り幅の広い作品群。しかも多作で遅れなし。←腐界では賞賛すべき美徳
アタリやハズレの有無も含めて、この方の作品をいくつか読めば「BL」というものはほぼ把握できる=代表だろうと思います。

そんな「BL界代表作家」様の代表作。
ようやくUPいたしました「夏の計画表」のメイン企画・「名作感想」第一回は、剛しいらさんの「座布団」「花扇」+同人誌です。

…といっても、完成形には程遠いんですが…。
でも納得するまで書いていたら、夏中かかっても完成させられないとやっと気付いたので、ここでいったん手打ち。少しづつ追記してまいります。



◎イメージソング
本日はイメソンから♪ 本当は桜よりふさわしい花がいくつかあるのですが、

いつか空に届くように。いつもいつも心に願う。 

そう思って生きてきた人たちのお話(と思う)ので、こちらを選ばせていただきました。
名作には名曲です。
    
     

本日の掲載順はイメソン→全体感想→イラストチェック→各話覚書となっております。
今回もものすごく長いです。お時間ある時にちょっとずつお目通し下されば幸いです。









 
■「座布団」あらすじ
師匠・山九亭初助の死を知らされた森野要こと山九亭感謝。その胸の内に、一枚の座布団の上で常に話芸の極みを目指し別世界を繰り広げ続けた誇り高い落語家への想いが去来する…。
噺家は一生涯の全てを自分の芸の肥やしにするものだと、学ばせてくれたのも師匠だった。たとえそれが情愛でも、別れでも…。
■「花扇」あらすじ
今や人気の落語家山九亭感謝こと森野要がまだ半人前の頃、元兄弟子の寒也とそういう仲になった我が身の幸福に比べ、何の未練もなく男を使い捨てる師匠山九亭初助の孤独を気の毒に思うこともあった。しかしその人生には真実の愛を貫く、想像以上の物語があったのだ…。

◎全体感想
かつてはラジオやテレビで耳にする機会も多かった、大衆芸能の代表格である落語も、今では能や文楽よろしく一見さんには敷居の高い伝統芸能のイメージです。

かくゆう私も落語観劇にはトンと縁無し、「笑点」だって楽しみなのは大喜利だったし(笑)、こうして落語(家)を題材に扱ったドラマや小説を読んで触れる方が圧倒的に多かったりします。
ドラマなら大傑作「タイガー&ドラゴン」、小説なら「ハナシが違う!」や「しゃべれども、しゃべれども」、マンガなら「タマちゃんハウス」?
そしてBL界にもございます、落とし話(おとしばなし)転じて「落語」、ハートをずどんと撃ち「落とす」伝説の名作が。

名作と名高い作品を読んで、まことその通りと曇りなく賞賛できる。
本読みにはこの上ない幸せにございます。

            *             *             *

第一話の冒頭から師匠・初助(うぶすけ)の訃報を電話で受け取る、山九亭感謝こと森野要。
この時、師匠は享年65、要は43歳です。
のっけから人の死、しかも主役は不惑越えであまりにラブとは縁遠い出だしですが、でもちゃんとBLなのよねぇ…。これが10年以上前の作品なんだってぇから、恐れ入谷の鬼子母神☆←雰囲気を出してみました
この後、要が山九亭の門を叩いた20年前の回想シーンへと話は進んでいきます。

偶然耳にした初助の落語、彼の演じる女役に惚れこみ、一流企業を退社してまで弟子入りする要。そこで3歳年下の兄弟子・寒也と出会います。BLですから、修行中の辛いアレコレがあった後、寒也と要はそういう仲に。
でもってBLですから、恋愛成就がストーリー上のゴールでよさそうなものなのに、そこはただの通過点にとどめ、話の真髄をここから、数十年にわたる山九亭一門の歴史をここからようやく始めるのです。
寒也×要、寺田×初助、(ついでに香田)と、このお話に出てくるキャラクターは当たり前だが男ばかり、でもここで描かれる人間関係は、恋愛の業・肉親の情・果ては老いや肉体の衰えまで、わたくしどもが日常生活上で当たり前に経験する愛や悩みと変わりません。

夢と現実、フィクションとノンフィクション、ドラマと日常。
BL・非BL、シリアス・コメディなどフィールドやジャンルに限らず、「名作」と呼ばれる作品はこれらのバランスが絶妙、「傑作」はさらなる高バランス=黄金律である作品と言い換えられるように思います。
「女」を「男」に置き換えただけのいわゆる「身代わりBL」では決してないのに、女心に訴える人間模様。恋愛模様ではないことが、この作品の最大の特徴であり功績であるのですよね。


1作目「座布団」は4話、2作目「花扇」は2話と、各巻一話完結の連作小話で構成されていますが、まず面白いのが構成そのもの=お話の組み立て方です。
どの小話も、)粗・現代→∨楸據Σ鸛朮甬遐Dめ・現代の構成になっています。これって落語の構成「枕・本筋・落ち」と同じです。「はなし」に一工夫…これも落語の特徴ですね。

さらに、読者と同時代に生きている「要」と、回想の中にしか生を与えない「初助」の2人をダブル主役に据えて、群像劇とは違う形の複眼視点を実現していることもこの作品の特徴です。
また、後述いたしますが「かさなる」がキーワードのストーリーですので、過去も現在も微妙に触れ合うけれど決して一つにはならず、1話の中でも、各話の間にも「時」が流れてお話が進みます。
今を生きる要の時間、過去回想に存在する初助の時間、どちらも一か所に留めないことで流転する=常に動いている「時代」をも表現しているようにも思えるこの構成、ここから浮かぶのは「昭和」そのものです。

初助の生き様は、東京オリンピックまでの「激動の昭和」時代の象徴、激しい運命を受け入れざるを得ない非力な「個人」、拠り所(国)を失った焦燥感と諦念にあふれています。

要の生き方はオリンピック後の高度成長期の「昭和」、未来を自力で選べる希望が持てる時代とでも申しましょうか、豊かさと安定を信じられた時代です。だから要は「枕」が変わると眠れないのです。

芸に生きる人生を選べた要と、芸しか選べなかった師匠。そういう時代に生きた2人。
どちらか一方ではなく、この2人を書いたからこの作品は傑作になったのだと思います。
更に言えば、同人誌「枕」で真打ちになる要の弟子・心太が「平成」の象徴かな?
理由は違えど、未来に夢が見られない冷めた心が戦後と重なる。初助と心太が似ているのはこういった意味もあるのではと思います。



ダブル主役と先述したように本当なら要も主役ですが、師匠があまりにあまりなので(笑)すっかり語り部役に落着いちゃってます。
回想の中の初助師匠はそれはもう強烈な徒花、人生の酸いや甘いをすべて芸の肥やしとするために、覚悟を決めて修羅の道を歩む孤高のお人です。思い出話の中で感じることのできる、色(艶)鮮やかな初助師匠の生き様は、まるでテープやCDの中でだけ甦る物故噺家の名演技のよう。
改めて本作全体を見渡すと、こうやって「話」と「噺」を重ね合わせて、なるほど!上手いな!と手を打ってしまうところがいくつもあったりします。

咲き重なる花。積み重なる想い。
時を重ねて、面影を重ねて、「噺」を重ねるごとに、深みを増す「話」。

狙った言葉遊びのように、「はなし」と「かさなる」をキーワードにして物語を広げていく。
「言葉遊び」は落語の基本、作者様もちろん確信犯です。

ですが、ここまで狙っておきながら、うんちくよろしく寄席や落語そのものを詳しく講釈する描写はほとんどないのがこれまた…。
一般小説やhow to本を書いているわけではなく、、落語を仕事に選んだ男たちの愛と人生を描いた物語を書いていると、作者様自身がしっかり意識していらっしゃるのがよく分かります。
いよっ、ごじらん師匠、粋だねえ

昭和の時代が薫る「耽美」やら「JUNE」テイストの作品を書くのではなく、昭和の時代そのものを作品に封じ込める。こんな事を考える作家も、またこれを実現できる作家もこの方だけです。
BL界に「そういう作品」を遺しておかなければならないと考える作者の視点は、もう一個人の範囲ではありません。ご自分の作品が、小説界やマンガ界においてどのような立ち位置を占めるかまで考えて創作する方が一体この世にどれだけいるというのか…。
驚異の多作だとか、レベル維持、広い作品ジャンルといった事だけでなく、この心構えはもう巨匠としか言いようがない。
というか、この業界まるごと俯瞰視点があるからこそ、多ジャンル・広振り幅の作品を休みなく繰り出せるのだと思います。



噂にたがわぬ傑作です。是非とも多くの方に読んでいただきたいと思いますが、本編は残念ながら絶版、つか文庫自体が廃刊だし。
ですが、作家様ご自身が同人誌とし発行して下さっていたり、「座布団」は電子図書にもなっているので、「紙」に拘らなければ、本編を読むチャンスは他の絶版本よりはありそうです。
ただこの作品は、商業誌になっている2冊「座布団」「花扇」だけでは不完全(未完)になってしまうのですよね、なんとも読者泣かせ…。
特に作者様が同人として出して下さった総集編「布団」は、商業誌で出てないことがもったいなさすぎる一冊です。掲載4話はすべて雑誌掲載作との事ですから、作者様もきっとご無念だったろうと思います。だからこそこの作品を文庫サイズ&ユギさん表紙絵で発行されたのですよね、きっと。こんな形の同人誌初めて見たもんなあ。←寡聞のせいかf(^^;)


今回ご縁あってフルセットで読むことができました大幸運に深謝すると共に、今後同人作品(「布団」一連や「夫婦茶碗」など)を、本編復刊と合わせて発行するという英断をなさる出版社様が出てきて下さることを切に祈っております。出たら必ず買うし!まぢでまぢで!
でも腐界の主役・現代お嬢様はそそられてくれない、購買層は若干高め…かも。



◎イラストチェック/山田ユギ
カラー&カット★★★★
本日はカラーとカットをご一緒に。

  
まだお若いお絵柄です。
そりゃそうよね〜、表題作「座布団」は小説JUNE・1999年4月号掲載、文庫発売が2001年と申しますから、ユギさんがデビューして間もない頃のお絵柄ってことになりますものね。
ユギさんは高口里純さんのアシスタントさんでしたが、自称少女マンガ王のわたくしも里純作品(「花のあすか組」や「シルキー」掲載のレディコミ作品)で、ユギさん画を見た覚えはないなぁ…モブは描いてなかったのかな?

人物毎に20代から40代まで描き分けなければならず、同じ「美人」でも師匠と要のキャラはまったく違い、攻めの寒也・寺田・香田にいたっては、3人がちょうど1人の人間の成長過程を見るかの如く同じ面影・同じ暗さを宿しているがしっかり別人という、かなり高度な画力を必要とするキャラとなっておるのですが、これがまた冴えております。
この作品には、絵師様のキャラクターの原点にして集大成が詰まってるのです。

以前のイラストチェックで、ユギさんや志水ゆきさん等、ご自分の世界を自作マンガで強烈に表現できるマンガ家(大家)さんのイラストは、よほどの原作でなければ、「ユギさんマンガのOOみたいだ」とか「是のOOの方がかっこいい」のように、原作が絵師様ワールドにパワー負けしてしまうので、作家様にとってはハードルの高い絵師様だと申上げました。
今回その想いを改めて噛みしめております。ユギさんの絵を素晴らしい「挿絵」だと素直に思える作品、このぐらいの原作でなければだめなのですね。
「花扇」の唐獅子牡丹(イレズミ)も素晴らしかった…コレクションに追加しとかなきゃ♪

              *         *         *

この感想を書き始めるまでまったく知らなかったのですが、最近になって「座布団シリーズ」のドラマCDが出たのですよね、しかも3枚!
文庫2冊でCD3枚ってかなり異例なことなのではないかと、CD界に疎いわたくしでもなんとなく分かります。
しかもジャケ画が…神(笑) 

座布団  花扇 ~座布団2 初助編~

この原作だけはCDに出来ないだろうと思ったけど、出来たのか…「今」だからできた偉業と申せましょう。

おかげで今のユギさん描き下ろしカラーが見られちゃうというたなぼた幸運♪
そして「今」感想を書いたからこそジャケ画を3枚並べられる、これまたラッキー♪なわたくし。やはりわたくしにはBLの神様が(笑)

白モクレン、牡丹、紫陽花、全部意味があるのですよね…鳥肌。
「花扇」ジャケなんて「♪傘に降れ降れ、夜の雪…」の名シーンでございます。うわ〜ん、号泣!!

原作の世界観とのシンクロ率が半端なく、ユギさんご担当挿絵の最高峰と思っておりますが、それを裏付けるのがこのCDジャケです。こちらは文句なし、★5付けます!!

それにしてもこのドラマCDは、面白そうですね。
作中作で「高座の演技」を、しかも『誰よりも「女」を感じる』と明記されている初助師匠の名演技、これを演じられる声優さんがいるのね…。
高座の演技は1人芝居とはまた別物なので、役になりきってはいけないのですよね。噺家は素(自分)のまま高座で演技する=噺芸をこなすわけですが、その「噺家」を役として演じるということなので「役者」として劇中劇の演技をする事よりもっと難しいわけです。しかもCDだからしぐさ=視覚で補えませんし、演技としては難関中の難関。いったい師匠役はどなたが…と調べてみれば、なんと!三木眞一郎さんなのか!

うわ〜、この方なら出来そうだわね、う〜ん本気で聴いてみたい…。
どうもCDデビュー以来、CDだとどうなるんだろう?と考えるようになってきてしまった(笑)
本編・イラスト・イメソンの現構成に、項目「CD」が足される日がいつかきそうで、マジメに怖いです。


未聴ながら想像するに、CD3枚でも文庫作品を全部CD収録できていないのではないかと思います。それほどに濃いのですよ、「はなし」の「かさなり」が!
感想を1回で収めた自分を、褒めてもいいような気がしてきました。





◆シリーズ各話・覚書(未完・後日追記)

【座布団】収録作品
 
■「座布団」
枕…師匠享年65。要43歳。寒也40歳。
回想…師匠45・要23・寒也20。
登場演目…「芝浜」「麟気の火の玉」

初助師匠への弟子入りと、要の生涯の相方となる兄弟子・寒也との慣れ染め。
要捨て身のゆでたまごエピソードにまっ青になりました。クスリ程度で大丈夫なのか…?

■「どどいつ」 
枕…師匠没後半年
回想…師匠47・要25
登場演目…「舐める」

要二つ目に上がり、TVのバラエティや時代劇のちょい役などで売りだし中。←なんとなく活動内容が春風亭小朝とイメージが重なる。
お旦(おだん)=旦那様・パトロン。お旦から師匠へのご褒美・香田との出会い


■「品川心中」  
枕…師匠没後1年
回想…香田との出会いから数ヶ月後まで
登場演目…「品川心中」

師匠に本気になってしまう香田が、凄まじく哀れ。


■「相方」
枕…要43〜4 
回想…要40 寒也37ぐらい

要の甥であり、弟子でもある櫻二と喜久の漫才初舞台をこっそり観に行く要の回想。


◆「花扇」収録作品
■「子別れ」 
枕…師匠没後1年
回想…師匠47〜48 要25〜6 寒也22〜23
登場演目…「子別れ」

寒也の隠し子騒動。芸も人生も、親が稽古をつけるもんです。涙。


■「花扇」 
枕…師匠没後1年
回想…「子別れ」から半年後
登場演目…「時そば」「化け物づかい」「芝浜」「文七元結」「垂乳根」


シリーズ最高峰。運命の男・寺田登場。
芸の肥やしのために男を喰っては捨ててきた初助師匠が、芸を捨てるほど愛した唯一の男・寺田。
剛しいら作品に出てくる「男」の魅力をすべてを集めた、究極とも理想とも言えるキャラクターがこの人ではないでしょうか。色恋では化け物以上の初助師匠が、一目で魅かれてしまうのも無理はないかも。

◆同人誌「布団」収録作品
■「布団」  
枕…初助師匠没後半年 香田47〜48
回想…「どどいつ」のすぐ後

香田視点の小編。師匠に押しかけ亭主状態の香田。師匠の愛をまだ信じらていられた頃です。
キャラ単体だったら、香田が一番気になるお人かもしれません。
健気なオレ様攻めって結局は純で臆病ものってことなので、傷の深さも直りの遅さも半端ないのですよね。がんばれ〜。

■「傷」  
枕…師匠47ぐらい 要25(二つ目になった頃)
回想…師匠9歳と21歳
登場演目…「目黒のさんま」

珍しく、枕も回想も全部過去バナ。
本編中で1,2行サラッと書かれていただけの「淡い初恋」の君・少尉殿との刹那の後日談。
これも哀しいお話です…。
ただ、作中に出てくる王子とツバメのお話はアンデルセンではなく、ワイルド作の童話「幸福な王子」のことと思うな。


■「城ヶ崎心中」 
枕…香田視点。初助師匠没後半年 香田47〜48
回想…品川心中後の香田の人生。
登場演目…「城ヶ崎心中」

香田にもやっとお似合いの相手が現れました。幸せになっておくれ…。

25歳の輝く身体を前に、己の肉体の線を気にしてしまう38歳の心理。
男女関係なく当たり前の躊躇いだが、これが今のBLに(なれきった腐脳に)はどれだけ新鮮な事か!
20代と勘違いされるほどの美貌とか、艶男(アデオス、死語笑)願望の具現のようなオスくさいワイルド30代とか、現役バリバリ感を前面に押し出したファンタジーな30代ではない、でもイけてるアラフォーの男。作者様の得意年齢(?)ですね。

29で師匠と出会い、数年後心中騒ぎ→38歳で岡と出会い、京都でゲイバーを経営→「布団」の枕へ。…てぇことは師匠の訃報を聞いた時、岡は香田の傍にいたのでしょうか。そうだといいと思います。

■「おだん」 
枕…師匠 亡くなる半年前
「どどいつ」で香田を師匠にひき合わせた「おだん」との過去。おだんも師匠もゆがんでます。


◆同人誌【夫婦茶碗】 
(2004・10・10)
寺田と師匠の束の間の蜜月。←蜜月という言葉がふさわしいとは思えないが、でも蜜月としか言いようがない

苦しい。息が出来ないほど切ないです。師匠は高座に上がる=座布団に正座する度、あの「重さ」を感じていたのですね…。あれ?おかしいな、画面が滲む…、汗かな?

寺田と師匠のやり取りでさえ呼吸困難なほど苦しいのに、とどめの太田さん!(ハイヤーの運転手)
こんなの反則だろう!目から汗が、汗が止まらないっ

腐歴は長くないとはいえ数はこなしているわたくし、今までに1000冊以上読んでいると思いますが、潤むのではなく、落涙までした作品は「愛と混乱のレストラン3」だけなのです。
まさかの2作目…お〜い老い老い…


◆同人誌「枕」 (2008・8・17)
◆同人誌「蚊帳」 (2009・8・16)

この2作は、座布団・花扇のCD発売記念の本当の意味での同人誌。
でもこちらもきちんと時代を流転させているので、要も寒ちゃんもさらにお年を召しています。
このまま続いていったら老人ホームに入居するシーンまで本当に書かれてしまいそうです。確か男夫婦の老後ならこの選択肢は大ありだが、ここまではっきり言及した作品は初めてかも…。
さすがにそこまで読むのは、キツイな。






余談:参考図書「3代」
せっかくの夏休みなので(もう終わりかけてるが…)、名作感想には一般小説の参考オススメ図書もおまけでご紹介いたします。
お気が向かれましたら涼しい図書館で、避暑を兼ねて探してみて下さいませ♪

「座布団シリーズ」は師匠・要・おまけで心太の山九亭一門3代の人情味あふれるお話なので、あえて「落語」ではなく、「3代」の「人情」でこちらを選んでみました。

 森沢明夫「津軽百年食堂」
「東京砂漠」で乾いて生きるフリーターの青年は、ふとしたことがきっかけである女性に恋をする。
恋愛の距離、故郷の距離、祖父から父、そして孫へと受け継がれる想いと時間の距離などがじわじわ〜っと沁みてきます。心弱っている時に読むとマジ泣きです。
でも涙を本のせいにできますから凹んだ時にあえて読み、大いに泣いてしまうのも生きるテと思います。
私もこれを読むまで知らなかったのですが、津軽には本当に「百年食堂」と呼ばれる3代にわたる食堂がいくつもございます。このお話がフィクションかノンフィクションか、読んだ人が出した答えが正解です。






                                 〔絵師:山田ユギ〕〔カット:★★★★〕〔画:植物〕〔画:イレズミ〕
 

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Comments

これは全部読んじゃいけない。
いつか読みたいと思っている作品なんだから、
ネタバレするとマズいし、ちょっとのぞくだけでやめておこう。
そう思ったのに、一気に読んでしまったmiru-haさんの記事。

こんにちは、ご無沙汰してます、あるとです。

こういうのを読むと、
いつもの尊敬・羨望・憧憬(そして秘かな愛!?)のまなざしで
見つめさせていただいてるだけでは足りないと、
痛切に思い知らされます。
miru-haさんの思いに引き込まれてしまって、
読むのを止められなったのですよ・・・
どうしてくれるんですかっ!(←責任転嫁)

この記事に限ったことではなく、
miru-haさんの、
すべての作品に、分け隔てなく正面から真摯に向き合っていらっしゃる姿に、
いつも感動を覚えます。
だからこそ書きあげることのできる言葉たち。
これからも追いかけさせて下さいね。

あちこちで絶賛されている本作品。
これだけ切望されてるのに、新装版などで出版されることはないのでしょうかね〜。
私の好きなゲームや、ゲーム音楽でも、
様々な大人の事情?で、発売・再販売は無理っていうのがあります。
そういうのすごく寂しいですよね。
大人の事情なんかふっ飛ばして、発売・再販してくれる太っ腹な会社はないかしらん。
私も絶対絶対買うのにっ!!

まあ、再販されるかされないかはともかく、
すごく読みたい作品だけど、今は焦っていません。
死ぬまでに読めればいいかな〜という気持ちなんです。
自分自身が落ち着いて、色んな意味で気持ちに余裕がある時に
読みたいなぁと思ってマス。

今後、さらに記事に随時追加もあるのですね?
楽しみです。
きっとCD感想もUP・・・しますよね(笑)ぜひぜひ!!

それでは、
訳のわかんないこと書いてすみません(^^ゞ
読んでないので内容はわかんないです〜ハハハ。
またオジャマします。
comment by: あると | 2010/08/20 20:11
■あると様

いらっしゃいませ、嬉しいコメントありがとうございます♪
いただいたコメントがあまりにもったいなさすぎて、恐縮と照れ隠しのべネチアンダンスを1人踊っているmiru-haでございます。←パートナー募集中(?)

実のところこの感想は、長いだけで笑いもオチもない内容で終わってしまってる事をかなり心苦しく思っていたりします。
できるだけ作風にあった感想にしたいナ〜というのがわたくしなりの密かな目標なんですが、このお話はせっかくの「落語」作品なので、オチだけでもつけるべきだと思うのよ、やっぱりね!で、「おあとがよろしいようで」で締めると。

でも時間なくって書きたい事を書くだけで精一杯だったので、後日追記…というか構成を少々変えたいな〜と思っているわけです。いつになるか分かんないけど。


>私の好きなゲームや、ゲーム音楽でも、様々な大人の事情?で、発売・再販売は無理っていうのがあります

なるほどぉ、ゲームやCDは原価がかかるだけに書籍よりもっと条件が厳しいかもしれませんね。出た時すぐ買っておかなきゃいけない=迷ってるヒマないってことなのね。
趣味ってどうしてこんなにお金かかるんでしょうね(^^ゞ


>自分自身が落ち着いて、色んな意味で気持ちに余裕がある時に読みたいなぁと思ってマス

うんうん、この作品は特にそう思います。落着かない環境で読むのはもったいないです。読んだ後しばらくは他の本を読む気失せますしf(^^;)  じっくり大事に読みたい作品です。



>またオジャマします。
わ〜い。お待ちしてます♪
こうやって読んでいただける方がいるので書き続けていけるのでございます。これからも叱咤激励よろしくお願いいたしまっす!
あるとさん宅の更新もお待ちしてます♪

comment by: miru−ha | 2010/08/22 02:57
同人誌「布団」のみ手に入らず未読ですが
(ここでユギさんの表紙が見れただけでも嬉しかったです。)
他は何とか手に入れて読めました。
それだけでも凄くラッキーだと思っています。
>同人誌【夫婦茶碗】
これは私も泣きました。あの同人誌の中に二人の思いがぎゅっと入っていて
切なかったけれど、しあわせな二人であったことが分かる良い本でしたね。

わたしもユギさんの挿絵で同人誌も入った完全版が出たら絶対買うと思うし
こんな良い本はもっとたくさんの人に読んで欲しいですよね、
何処かの出版社様が出してくれるのを祈っています。
comment by: まひる | 2010/08/24 22:19
■まひる様
お帰りなさ〜い、夏休みは満喫されました?

>同人誌「布団」のみ手に入らず未読ですが
>(ここでユギさんの表紙が見れただけでも嬉しかったです。)
>他は何とか手に入れて読めました。
>それだけでも凄くラッキーだと思っています。
まったくです!どうやって手に入れたのかしら、羨ましい。確か「マリア」も入手されてるのですよね?
まひるさんにもBLの神様の強力なご加護がございますね♪


>>同人誌【夫婦茶碗】
よもや「刑務所慰問」という文字をBLでお目にかかる日が来るとは思いませんでした。おっしゃる通り1行1文字に2人の想いがギュッと詰まっていて、こころなしか本の重みまで違いましたよ…

>こんな良い本はもっとたくさんの人に読んで欲しいですよね
かなり古い作品だし発行できないような諸事情があると思うのですが、火のないところに煙は立たないと申しますし、こんなスミッコブログでも「読みたい」と気持ちを明記することで、煙を絶やさないようにしていきたいな〜と思うのです。だから、こうやってコメントいただくことがとっても嬉しいです。どんどん火付けしちゃいましょう!CDも出たばかりだし、今がチャンスですよ♪

comment by: miru-ha | 2010/08/25 04:45
■みOO様

ごめんなさい!!なぜか書いたお礼とお返事がまるっと消えておりました!リターンをしっかり確認しなかった私の責任です、今日まで気づかなくて申し訳ない…本当にごめんなさい!!

以下、8月22日に書かせていただいていたお返事です。
今さらですがお時間ある時にでも、お目通し下されば幸いです。
         *   *   *
■みOO様
毎度激ナガな記事を丁寧に読んで下さってありがとうございます、記録的熱帯夜をさらに暑苦しく…地球にやさしくない(汗)

商業誌130って!ほぼ全部ではないですか!
もしやみOO様は剛さんデビューから、追いかけていらっしゃるのでしょうか?すごいな〜…。
私はこの座布団シリーズと、ドクターと犬シリーズを探していますが(どちらもクリスタル文庫…)今だそろわず、そろったとしてもそれでようやく、みOO様の半分といった既読数です。先は長いな。

アタリハズレ云々と記事中に書きましたが、それもこの作家様の中ではということで、決してハズレがとんでもない出来というわけではないのですよね。
今だ新刊に期待できる作家様、おっしゃる通り貴重です。

このシリーズは作家様の代表作といってもいいと思うのです、なのに絶版…。作家様OO年記念とかで、どこかが復刊してくれないでしょうか…。

みOO様オススメの剛作品をぜひともご教授下さいませ。できれば隠れた名作を♪(私の好みは「顔のない男」か「教授の密かな愉しみ」かな?)

comment by: miru-ha | 2010/08/25 05:15
miru-haさん、丁寧なレスありがとうございます♪
私もシステム上の問題かな?と思ってたので、あまりお気になさらないでくださいね。

>商業誌130って!ほぼ全部ではないですか!
剛さんは、おそらく190冊(数冊の新装版の重複含む)くらい、BL本をだされてるはずなので、これでも7割くらいだと思います。他にラノベも15〜16冊くらいだされてるので、それを含むと200冊超えるかと。
それにプラス同人誌もハンパない数をだされてますからね〜。すごい創作エネルギーだと思います。
あ、デビューから追いかけてるわけではないんですよ(笑)
ある時期に知って嵌り、剛さんがマイブームになったときに、過去作品も含めて読み漁った結果です。


>どこかが復刊してくれないでしょうか
私もこのまま埋もれるのは惜しい名作だと思います。
剛さんは良い作品が多いんですが、一度絶版になると、新装版で復刊されにくい作家さんみたいで、それが残念ですね。
他の作家さんでは、出し直しする程でもない作品が、バンバン新装版ででてたりすることもあるんですが(笑)
色々と出版社の大人の事情があるんだろうとは思いますけれど。

>オススメの剛作品をぜひともご教授下さいませ
私がmiru-haさんにお教えするなんて、とても恥ずかしいのですが、私の好きな作品を一応あげます。

シリーズもの
「ドクター&ボクサー」シリーズ8冊
「はめてやるっ!」シリーズ3冊
「月の秘密」シリーズ3冊
「水の記憶」シリーズ4冊
「まほろば恋奇譚」シリーズ2冊
「黒衣の公爵」シリーズ4冊
「顔のない男」シリーズ3冊

単発もの
「このままでいさせて」・・・ショタは苦手なのに感動した
「仇なれども」・・・時代もので、今さんの挿絵とぴったり
「海に還ろう」・・・幼馴染みの綺麗な純愛もの

読まれてのも多いかもしれません。あまり参考にならないような気がしますが・・・(汗)
剛さんは、単発ものよりシリーズの方が真価がでるように思います。

今収集中というドクボクシリーズはぜひ読んでください。
私の腐友達の中でも、ドクボクは評判がいいです。




comment by: みずほ | 2010/08/25 11:28
■みずほ様
この度は本当に失礼いたしました、いただいたお言葉に心底ほっとしております。どうか今後もご懇意の程よろしくお願い申し上げます。

>剛さんは、おそらく190冊
えっ、そんなに?!今150冊ぐらいかと思っていました!40冊も誤差っていたのか…さすが巨匠。コンプしている方ってこの世にいらっしゃるんでしょうか(笑)


>出し直しする程でもない作品が、バンバン新装版ででてたりすることもあるんですが
新装版…腐界デビューしたての頃は書下ろし付きでタイムリーな出版が相次ぎ、結構嬉しかったんですが、ここのところ揃えたばっかだよ的な旧作の新装版出版が相次ぎ、若干萎えています。新装版対応早すぎないですかね?!

剛さん作品は確かに新装版ってあまりお見かけしませんよね、特に最近は。あの方やこの方のアレより需要あるように思うんですけど…。よくわからないですよね<大人の事情 
書下ろしもたっぷり書いて下さる作家様と思うけど…(笑)


>私がmiru-haさんにお教えするなんて、とても恥ずかしいのですが、
な、何をおっしゃいますやら!皆様からいただく情報がなければ萌えブログなんてとても運営できない、ダメ管理人でございます。←情報収集能力が壊滅的にダメなのよねえ…読み書きと新曲チェック(笑)で精一杯なんですもの… みずほさんの素晴らしい更新頻度とツボを押さえたレビュー、毎度感動しつつ拝見しております。

>私の好きな作品を一応あげます。
ありがとうございます〜♪
シリーズものはドクボク(早速使ってみた、笑)と「記憶」シリーズが未読です。←これも集まらないの…雪舟画聖のイラストなのに
「はめてやるっ」は3冊目が手に入らず、積ん読状態。やっぱり面白いんですね。早いトコそろえてイッキ読みしたいです。
短編の「このままで〜」と「海に還ろう」は存在も知りませんでした、早速チェック入れます♪


>単発ものよりシリーズの方が真価がでるように思います
うんうん、当初は単発スタートだったがシリーズものになっていったという作品が多いように思います。←1/3しか読んでないくせにエラそうに(^^;)
キャラや世界観を毎度しっかり創っていらっしゃるので(ワキまでしっかり固まってる)、話を膨らませやすいんだと思います。加えて膨らませ方が神がかりなので後付け感があまりないのですよね。
長編作家様ともちがう、読み切り連作(シリーズもの)で真価を発揮する、みずほさんのご指摘通りの作家様と思います。



丁寧なお返事ありがとうございました。
どうぞ、また遊びに来て下さいませ♪

comment by: miru-ha | 2010/08/25 23:07
■にOOこ様
ここまで丁寧に読んでいてくださること、憶えていてくださることが本当に嬉しいです。
ぜひこのページにもお礼を書かせて下さい。

                *

座布団シリーズは、BLとかいう括りで納められない、私の中ではもう別格です。
感想にも書きましたように、「昭和」を作品に残しておかなければならないと考える、考えられる作家様がいったいどれだけいるんだろう。映画「3丁目の夕日」が傑作と呼ばれるなら、志(こころざし)を同じくするこの作品を傑作と呼ばずしてなんと言おう。
しょせんBL、(一部)大衆向け官能小説、と呼ぶ輩(やから)がいるかもしれないが、大衆小説だって時代過ぎれば文学になることは乱歩や胡堂の作品を見れば明らかではないか、と、衝撃に近い感動がありました。


先輩萌え友様にお借りしてシリーズ全部読ませていただいたものの、自分でも持っていたい!読みたい!とワーワーわーわー騒いでいたらまさかの単行本になっちゃって(笑)、感謝の意を込めて独立感想にしたものです。
でも、この単行本2冊でも収録されてないお話がまだまだあるのだよね〜。
できればそれも出して完全版として欲しいよなあ…



代表的なBL作家様を一人上げるってのは、今考えても、やっぱり剛さんか榎田さんだよな〜と思います。でもって榎田さんは、一般小説への意欲も旺盛な方に思えたので外したんだよねー。
おっしゃる通り、毎度当たりとはいかないけれど(おいおいw)、剛さんにしか切れない確固たる切り口がある。



わたくし剛さんベスト3は、

1座布団
2顔のない男
3勅使河原教授の密やかな悦び
ドクボク、禁縛、手錠,水の記憶←4位横並び

不思議と榎田さんより剛さんの方がベスト3書きやすいなー、さすが組長☆

comment by: miru-ha | 2012/12/14 22:38

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