スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

 

励みになります、ありがとうございます♪ 拍手する
- | - | - |

「Don’t touch me 」 一穂ミチ/高久尚子

◆「Don't touch me」 一穂ミチ/高久尚子                                                                
 ■計画達成度 ★★★★★      
 ■読み応え度 ★★★★
 ■お好み度   ★★★★  

■計画達成度…ラジオ体操のハンコ状態。星が増えれば嬉しい、わたくしのお楽しみ
■読み応え度…精一杯客観的・総合的に判断した、内容充実度
■お好み度…お気に入り指数。個人的好みなので、世間評価とかなりズレることも 
 「お好み度」の★数が少ない感想は、辛めになっております。
 次ページへ進む際の目安として、ご利用くださいませ。
お詫び:上半期ランキング・コミック編と名作感想がなかなか完成しないので、UPを迷っていたこちらの感想を。
これを書きあげたのは1ヶ月前ですので、「一穂さんの最新刊」になっていたり、「交渉人が発売前」など、時事がおかしな記載がちらほらありますが、書きなおす時間が惜しいのでこのままいっちゃいます。どうぞお許しくださいませ

           *           *           *

「雪よ林檎の香のごとく」以来、(私にとっては)なかなかアタリが来なかった一穂さんの新刊です。
もったいないな〜と思うところもありましたが、お話はとても面白うございました♪

ただ、誠に残念ながら私が個人的に最も嫌う、作家様が悪いわけでも絵師様が悪いわけでもないのに、室伏投げまでしたくなるホントにホントにホンットーに腹立たしい1点が、この本にはございましたの…。
これまで何度も煮え湯を飲まされ、その都度自己処理してきましたが、今回は我慢ならん。
一回言わなきゃ分かんないと思うのよね…←言っても届かないとわかってますけども


作品が良かっただけに残念すぎて、今だにこの本見ると心中穏やかではないという、大層大人げない個人的怒り、イラストチェックでかなり下品に吼えてます。
本日は、本編感想→イメソン→イラストチェックの順に置いておきますので、意味の分からん負のオーラを浴びるのはちょっと…というお客様、どうかイメソンまでにしておいてくださいませね。






  ◎本編感想
今までどちらかと言えば、「子供みたいな大人」や「大人みたいな子供」という、実年齢と精神年齢のギャップが強いキャラによる恋愛ものが多かったように思う一穂作品。
今回のような、子供時代を卒業して大人の世界に生き始めた若者同士の等身大恋愛小説というのはなんだか新鮮です。そしてこの方が断然イイ。

受けの園田は潔癖症。汚いものを徹底的に嫌う彼は、滅菌やら消臭やらの研究という個人の特性を生かしたお仕事をしています。とんでもない性格の悪さを許してもらえる、肌も顔もスタイルも美しい人です。←もし彼の顔がぶーだったとしてもやはり潔癖症でいられるんだろうか、などと思うわたくしは意地悪おばさん
が、園田は確かにイヤなやつですが、さほど計算高いわけではなく、生き方はむしろ不器用です。
対してお相手の長谷川は、仕事の必要性と目的にキチンと折り合いをつけられるまっとうな社会人ですが、人としては案外計算高くももろくもあり、よくある完全無欠の救いのヒーローには描かれておりません。作者様が、人が魅かれあう恋愛ドラマを書こうとなさっているのがよく分かります。

「無神経」と「神経質」の意味をもっと考えろと言われているような、据えた視点も素晴らしい。
「気にしてないってことは、忘れたってことじゃないんだよ。」はグサリとささるセリフでした。

潔癖症と特殊清掃員という、これ以上ないぐらい分かりやすい恋愛ハンデも、其々の仕事の様子や悩みの描写が真摯なので嘘臭くはなく、前のめりに読み進めていけます。
猫(しっぽがカギだから「カギ」かわいいっ♪)が単なる萌え要素でなく、キチンとお話に絡んだ重要な一キャラ(?)になっているところなども、動物スキーのわたくしには好ポイントです♪

タイトル「Don't touch me」も一見ベタですが、()書きで「あなた以外には」って言葉が続くのですよね。ビバ☆ツンデレ!!
攻め受け共に、相手を通じて新しい自分を発見する魂の再生物語だと作品を定義づければ、キリスト復活時の御言葉「私に触れるな」まで解釈が広がる、なかなかよいタイトルです。
※今やすっかり「ツン」が取れて「デレ」オンリーになった2人のちょこっとSSが、作家様ブログ・ここをポチ★で読めます。このSSの「締め」がこれまた上手いの!知る人ぞ知る人しか読めないのが惜しいです。掲載情報を教えて下さったY様、ありがとう
         
突然ですが、キレイでしょう 
この方の文章を読むと、いつもこんなイメージが頭に浮かびます。透き通った、色様々のガラス玉が持つ煌めきとでも申しましょうか。
こういったイメージで事象を表現できる文章感覚は、望んで得られるものではなく、「文」を書くものなら少なからず憧れるセンスです。今作は特にその感覚が冴えていると思います。

が、上の玉をそのまま繋げてもステキなネックレスにはならないように、「作品」という一つの形に成すには、それなりの統一感を持って玉を淘汰しないと、せっかくの美しい個々の輝きが相殺されてしまうのです。つまり食傷。
ウッドビーズやパールのような素朴で控え目な天然ものなら、メリハリつけずにただ繋いでもネックレス=ポエムになるけれども、この方が創っているのは、もっと人の技が光るガラスの玉、またはスワロのような美しい=リリカルな「小説」です。
トーンを絞り、並べ方や形で緩急(メリハリ)をつけて、初めて美しい「作品」になります。 
「美しい作品」イメージ画像:好みは別としてこんな感じ

2人の恋路に大切な「つつじの夜」も、たまたま見あげただけの「月の夜」も、布団の重さから言葉の重みまで、すべてが同じ扱い・同じ長さでぽってりしっとりと抒情的=全部ビー玉(上画像)
一つ一つは本当に綺麗なのに多用で印象が散漫になるなんて、もったいないにもほどがある。もっと出し惜しもうよ!こうまで無秩序に大盤振る舞いされ、作者自ら価値ない扱いにすることが実に口惜しいです。

そして残念な点がもう一つ。
キラめかせてしまうあまり、本体が不明瞭になっている本末転倒部分が少なからず露見されます。
その一つが会話文(ダイアローグ)。 
本文中に会話を交える表現は上手くいけば抒情的・文学的ですが、多用するとモノローグなのか、実際に口にしたセリフなのか、そもそも誰がいつ言ったのかさえ分からなくなります。ただでさえ独特のセリフ回しで、どの作品もあのキャラ(「雪よ〜」の2人)を連想させてしまうという要課題点があるのに…。
読む行為自体にストレスを感じさせてしまっては、どんなに素晴らしいストーリーやステキセンスがそこにあっても、追い続けるのはしんどいです。
力のある作家様ですから、その活かし方をもうちょっと考える欲があってもいいと思うのです。

このあたりから鑑みるに、この方はどうも、執筆行為への渇望感がないように思うんだよなあ…。書くことは好きだけど、自身の才能は信じてない、みたいな?諦念というか、冷めた目というか、作品を読んでほしいというアピール(熱)が感じられないというか。
個人的にこの作家様は、「3大グレートデビュー作作家」様として、いつき朔夜さん・玄上八絹さんと共に気にしている方ですが、この3名の中で最も作家を続けることに執着がなさそう(に感じる)のが、この方なんですよね。
失敗してもいい!ぐらいの情熱を一度感じてみたいです。でもそれだと個性をつぶすかなぁ…。



◎イメージソング
        
澄んだ音、澄んだ旋律、でも生きてる「人」の歌。 タイトルもバッチリです。


◎イラストチェック/高久尚子(どうみてもコミック派)
カラー★★★★☆
柔らかいタッチ。海色マリンブルー。触れ合わない2人。
本編をよく消化&昇華されておられます。今まで拝見した中で一番いいです♪
デッサン力に不安は多少あれども、独特の世界観を持っていらっしゃいます。手塗りなのも高ポイント。
なにより、雑誌掲載時がほんの1年前にもかかわらず、カラーまで全部描きおろされたという絵師様の姿勢が素晴らしい。
ちょっとおまけですが、★4.5で画像UPです♪

カット★★★★
いいですね!シーン選択がまず良い!見たいと思うシーンにすべてイラストがついています。
初めに会社の同僚まで入れたカット1枚、あとは徹底的に2人しか描かれません。そういうお話なのだからこれでいいのです。描線もキレイ。ちゃんとペン入れしている人の線です。
P211の背景がコンビナートにはとても見えないの残念かな。

            *           *           *

さあて、吠えますよ。
もう一度申し上げますが、私だけが腹立つ理由ですからね?しかも初読み時限定怒髪です。いまだに覚えているなんて器のちっさいヤツって、言われる前に言っときます(笑)

P211!!勘弁してくれ、ディアOラス(編集)!
本文前にネタバレイラスト持ってこないでって、わたくしはブログ始まってから何度もお願いしてきましたよ?!←ムロン先方はご存じない

「OOOOO・OOOOO」や「OOOOはOでした」もそりゃひどかったですよ。でも、H行為やコミカルなオチを先走りされるのは、許せないとはいえ、私の口惜しさよりむしろ仕込みを台無しにされた作者様への同情の方が勝ったので、大きく吠えるのはやめましたが、今作のネタバレは過去最悪です。

今回のP211は、ここを目指して今まで読んで来たっていう作品のキモのキモ、大ギモ。
今まで様々な困難を、キャラもわたくしも乗り越えてここまで来たし、何より作者様が最大限のヤマ場としてここを見据えて書いてきたっていうシーン。
連が迎えに来たことも、その時カギを抱いていたことも、本編を読んで知りたかったっちゅーの、小説なんだからさっっ!!

真剣にアレコレ考えながら読みこんでいるだけに、本当に腹が立ちます。映画館で隣のバカップルに結末をばらされるがごとくです。作家様も絵師様も何も悪くないのに室伏投げをしたくなる作品、よもや出会おうとは。
海外イラストアートのオーソリティ・新書館様が出す文庫=ディアプOス、御社のデザイン力は大変買っているわたくしです。事実、今までのチェックでも何度も褒めてまいりました。
御社の特徴、作品もイラストも1冊まるまる大事にするデザイン、その精神をなぜ「カット」にも注げないのか不思議でなりません。

どうして、どうしてあと1枚後ろにおけないの?素人のわたくしにはわからない製本上の制約があるとかですか?だったらそこを説明、または改善してくださらなければ。「商品」なんだから。
出版事情がよくわからないが、挿絵まではいった製本前のゲラ刷りとかって、作者様はチェックしないのかしら…。それともチェックして、これでOKってことだった?だとすれば私がアツすぎるだけか…。
でもなあ、今までこの姿勢で「本」を読んできたのだもの、今さら変えられません。でもって悔しいことに、こればっかりは買って読まなきゃわからない。
そしてこんなことが続くと、この文庫の作品は、まずは挿絵を見ないで本編を読む、ぐらいの工夫をしないと本来の魅力を味わえなくなってしまいます。だったら初めからない方がマシです。
お願いだから、イラスト好きのわたくしに「ない方がマシ」まで言わせないで…クスン。




本当に個人的な泣きごとで申し訳ないf(^^;)  でもこれでようやくすっきりしました。


以下、「余談」です。
当作品を読んで思い出した本をいくつか、記しておきますぅ。


※「コンビナート萌え」
工場萌え 大山 顕 「工場萌え」
わたくしの知る限り、最も早くに発行された「工場萌え」ブームの火つけ本。今やナイトツアーまである人気ぶりです。こうして写真集としてみると、確かに美しい。
でもね〜「工場」というと、どうしても「許可証を下さい!」を思い出すのですよね。あの釣り宿の初夜(笑)前に、2人で眺めた工場群はきっとこんな感じかな〜なんて。立派に腐ってる(笑)


※「特殊清掃」
 吉田太一「遺品整理屋は見た!」
「あっ!これが死臭なのか…!!」
日本初の「遺品整理のプロ」の心に深く刻まれた壮絶な現場。少子高齢化、遺産相続争い、恋愛のもつれ、遺族の不仲、人に知られたくない性癖…。そこには、人の営みの光と影のすべてが凝縮されていました。これまでにない新しい視点と独特の語り口で、圧倒的な読後感。
その名の通り、故人の遺品を整理・処分するビジネスを、日本で最初に立ち上げた著者による実話集。当然、特殊清掃絡みの依頼が多い。
壮絶な仕事内容の数々を、「今日は晩御飯にハンバーグを食べました。」ぐらいの描写で、日誌風にサクサクと46話も書いてある。

一例(意訳):
「孤独死された故人のお部屋清掃で、ぬるぬるしたもので足を滑らせて転んだらものすごい異臭がこびり付き、作業服代を弁償してもらいましたが、後で確かめたらあのぬるぬるは「人」でした。」 第O話・終

ノンフィクションにしか生み出せない重さ。文庫版で3巻ぐらいまで出てますが、1巻読めば十分沁みます。

「交渉人シリーズ」発売前の資料としても最適です。←ほんとかい







8月3日追記:
荒れていてホントに申し訳ありません。書いたはいいけどUPをためらっていたビビりなキモチ、お察しいただけましたでしょうか。

ちなみに、一穂さんの現時点の最新刊「おとぎ話のゆくえ」は、この感想でわたくしが書いていた「情熱が感じられる作品を読んでみたい」に相当する作品でした。一皮むけたというか、胆が据わったというか。
「Don't touch me」と比べてどう変化したのかを書いてみてから、2本一緒にUPってのも考えましたが、そんなこといってたら年越しちゃうと思ってやめました(汗)



次回はコミック編ランキングか、名作感想第一回を…がんばります。






                               〔絵師:た行〕〔カラー:★★★★☆〕〔カット:★★★★〕〔画:動物〕


励みになります、ありがとうございます♪ 拍手する
[小説・作家名あ行]一穂ミチ | comments(3) | - |

スポンサーサイト

 

励みになります、ありがとうございます♪ 拍手する
- | - | - |
<<prev entry | main | next entry>>

Comments

■ゆOO様
拍手システムがおかしかったようでご迷惑かけました、ごめんね〜っ!!

一穂さん作品、なんだかんだと言いながらついつい手を出してしまっています。今回はその甲斐あった(笑)
でも新刊はさらに驚きました(というか、感心した)こういう方向に情熱をもっていったか!みたいな。
あの作品は作者様初挑戦の「××××」なんですよね。←キモネタバレになるので伏せ字にしときます
そこんとこ是非とも書きたいんだけど…。

>イラスト
これはもう、ホントに読んだ時投げ落としたんです。ぺっ!て(笑)
でもここで止めたら作者様にも絵師様にも申し訳ないと思って拾いあげて続き読んだけど、拾いあげるまでに2,3時間要しましたf(^^;)
もし私が書き手だったら、書くことがイヤになっちゃうと思う、それほどの大打撃ですよ(怒)
社会見学、ナイスアイデア!もー質問攻めだよね(笑)


>参考図書
実はわたくし、神社仏閣巡りが実益をかねた趣味(枯れてる、笑)、お伊勢さんのもしょっちゅう詣でてます。で、復路は必ず地道で帰って「あそこ」通るのです。今にも合体しそうなコンビナート群を抜けてくるのが楽しくて。だから「工場萌え」って言葉を知った時、我が意を得たり!な気分になりました。でもその道の方から見たら、一緒にすんなって言われそうです(笑)


>イメソン
お声を活かした綺麗な曲ですよね〜♪お名前が高鈴だなんて、天上高く響く鈴の音ってことなのかと思うと、これ以上のお名前はないな〜と、またもや「ネーミング」に感心してしまうのでした。

>優也くん
聴いた聴いた!萌えました♪いつか使ってやろうと野望を燃やしてます(笑)
「4Seasons」というPOPな夏ソンもでてますよ、夏ドライブのBGMにこちらもぜひ♪
comment by: miru−ha | 2010/08/06 14:56
■みOO様

下品に吼えててごめんなさい、アレでもずいぶん書きなおして抑えたんです。初稿の出だしは「ざっけんなよ、ディアプOス!」でしたから(苦笑)

でもあれはないですよね。ミスは誰にでも何にでもあることですから、落丁や誤字、イラスト自体が間違ってる(アイテムや人物違い)なんてのも、おいおいとは思うが怒りにはならないのです。
が、今回のこれは、やらかした当事者が「ミス」と思ってないないでしょう?そして傷が深い。キスやHシーンなど、来るとわかっている事の先走り(下ネタ?)ならまだ許せますが、今回はどれも当てはまらん→許容の臨界点を超えた(笑)

出版社に直接嘆願する勇気がないものですから(主観で腹立ててるような気もするから)、まずは自宅で吼えてみましたが、いつかは行動に移してみるべきですかねぇ…。

comment by: miru−ha | 2010/08/06 15:29
■紫の高アンテナのliOO様へ

バナナ問答に悶死寸前のmiru-haです、こんにちは♪
2本までOKとは、さすが我が国(日本)!!←暑さで質低下中    

それにしてもすごいお方がいるものです、出版社ってどんな本作ってるところからお声がかかるのかしら。
もしかしてBL出版社が、うちの帯はどうですか?って聞いてくるとかそういうことですか?それもすごーいっ(笑)

う〜ん、でもこれってブロガー様が男性だから余計注目度が高いのですよね、きっと?
だったら私が男性向け官能小説のアレコレを書いたら同じことが起きるのかしら。でもやりたくないよ(苦笑)

ってえことは、やはりその男性は腐ですよ!好きじゃなきゃイタリアの時事ニュースまで調べられないって(笑)


>帯クイズ
惜しい!「もうこれ以上は〜」→「君が恋に溺れる」
後は全正解〜(ノ^∇^)ノ☆.。.:*・ドンドンパフ☆


帯コピークイズ(?)なかなか面白いですね、毎月新刊でクイズ出しあいましょうか(笑)

comment by: miru-ha | 2010/08/08 15:51

Leave a comment