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「玩具の恋」 四ノ宮慶/奈良千春

4月の読書記録からのレディースコース感想・1本目です。今回はイラストメイン、感想は軽めとなっております。
少々予定が詰まり気味で焦っております、サクサクと書かせていただきますね♪

もちろんネタバレしておりますのでお気をつけ下さい。









 
◆あらすじ
「お前は俺の玩具だ。俺が飽きたらお終いだ」
恋をしたことのない初心な高校生のケイゴは、初めて行ったゲイバーで泥酔した客に強姦されそうになり、店の常連客で、冷酷な眼鏡の男・草加に間一髪で助けられる。一目で彼に惹かれてしまうケイゴだが、草加には悪い噂があり、しかも子供は相手にしないのだと知ってしまう。それでもあきらめきれないケイゴは、彼に相手にしてもらう為に、髪型を変え、年齢を偽って迫り、ついに一夜限りを条件にベッドを共にすることに成功するが―。
ケイゴの初めての恋の行方は。
◎イラストチェック/奈良千春
カラー★★★★←★4だけど細かい描き込みを見ていただきたいので画像UP
最近の奈良様の傾向がよく顕れた1枚。
全身(ポ―ジング)を意識した人物描写・背景まで含めた構図・ディテールがすべて等比重、「人物」に最も比重を簡単においてしまう、コミックイラスト界の無意識王道セオリーを意識的に覆してます。これはお絵柄が変わった事と無関係ではないと思われます。ご自身のお絵柄の変化とそれについての読者の評判をよく自覚されている&出来る範囲でファンの希望に応えていらっしゃるのでしょう。
絵を描くものにとって以前の絵柄を絶賛される(お絵柄を戻せと言われる)のは一番辛い&出来ないことなのです。←あくまでレーターの感覚についての私説です。読者は「前の方が好きだ」「嫌いだ」と言う権利があります。私も言うし。

ぶっちゃければ私も今のお絵柄は好みではない、でもこの等比重、ご覚悟、原作理解への姿勢、どれをとってもここまで到達されている絵師様はいない、やはり挿絵マイスターだな〜と尊敬するのです。
この作品の口絵を見ると、更にその想いを強くします。
他の誰が商業誌でこの構図を取るというの…。今年の「グラミー口絵賞」も持っていかれる気がします。

表紙の本の山、本編中のキーアイテムの一つです。「経済と株の動き」「新日本経済」とかちゃんとタイトル入ってます、細かいわ〜…。←コレ調べるのに眼鏡を外した自分が色んな意味でコワイ。

カット★★★☆
う〜ん…。奈良様のK点越えは作品と相乗効果タイプの大飛躍(例:「最果ての空」「龍とDr」)と本編価値をイラストが引き揚げるタイプのK点越え(例:「愛炎の檻」「僕のねむりを醒ます人」)があると以前書かせていただきましたが、本作は後者、ただし奈良様のお力を持ってしてもK点を超えるところまでは行かず、限りなくK点に近いP点どまりです。
正直、伝わりやすいとはいえない本作の世界観を端的に表現して下さっている表紙に比べると、カットはパンチ不足、シーン再生の範疇を超えていません。記憶に残る一枚をあとから辿るのはかなり困難です。
が、本編感想で書きますが、実はこのシーン再生に徹底した、オーラ抑え気味の配慮こそがこの作品の持つ残念点・前半と後半の違和感をならして平らにしてくださってる絵師様独自の工夫、イラストとしては最大級のアシストなのです。
もし奈良様以外の絵師様がこの作品をご担当されたら、イラストはもっと地味で印象に残らなくなり、作品ともども埋もれてしまった可能性大です。
これはイラストを起こすの相当苦労したはず。私なら桜の下のシーン以外はどう切り取っていいか相当悩む、つかできないな、多分。
そのご苦労をお察しして☆1コプラス 計★3.5です


◎本編感想
今回も前作「乾いた肌にお前の愛を」(感想はこちら)同様、WEBで公開されていた作品を改稿しての商業化です。
短編寄せ集めがはっきりしていた前作よりも、数段しっかりと軸を見据えて改稿してあり、WEBで旧作を読んでいても新たな気持ちで楽しめる仕上がりになっています。

高校生の受け子クンがその手のバーに初めて行き、そこでとあるオレ様イケメンに一目ぼれします。好きで好きでたまらなくって、嘘をついて身体を繋げて遊んでもらって、嬉しさと苦しさが日々募り…と案外王道な年の差ラブストーリーです。
前作に引き続き、心を偽り、身体に直結する恋愛一直線の高校生が主役ですが、前作よりずっと一途に恋心を追っている分、説得力は増しています。
作品中の最も緊迫する「ヤマ場」が攻めの風邪という超繊細なストーリー展開、オレ様=強姦に慣れた身には少々新鮮です。
なにより攻め視点からみた「玩具の恋」が巻末にあることで作品の抒情性が増し、作品に重みがでました。
看護師の母との2人きりの母子家庭だが息子はバイトもせずバーに入り浸り、このご時世に大学進学で心配するのは学力だけ、それでも「真面目な高校生」と称される受け子クン、「祖父が厳しかった」からクスリはやらないとのたまう、品がいいのか悪いのかよくわからん攻め(祖父が厳しくなくても普通は無縁)、攻めの人間不信の原因となったドラマチックリアクション家族などなど、相変わらず浮世離れした、頭の中だけで練っってるよな〜と感じる部分は随所にありますが、前作よりも作者様の本気がずっと強く伝わってきて好感度大です。


でもな〜、やっぱり前作同様、寄せて集めて盛り上げたいわゆる天使のブラなのよねえ…。
前半と後半での文章テイストの違いなんて、いい例です。
ひらがなばっかの話し言葉状態の前半、浪花節テイストの濃ゆい言い回しの後半、ムロン後半が現在の作者様の書き下ろし部分でしょう。

前半と後半の文章テイストの違いはタイトルからもよく分かります。
前半「玩具の恋」、お前は俺の玩具だ→でも僕は好き→玩具の恋と、実にストレート。「玩具」をおもちゃと読ませないのが最大級の工夫です。当然本編もストレート、なんでも話して口にしないと収まらない皆様方、万一CDになったら役者さんの熱演が楽しめるでしょう。
反面、後半タイトル「この掌にきみを、花冠に接吻を」は凝り過ぎ&狙いがずれてます。
始まりが「玩具の恋」だったんだから、「真実の愛」ぐらいのニュアンス入れないと、せっかくのラストのセリフが生きてこない。どうしてもこれでいくなら、「桜」と懸かっている「花冠に接吻を」だけでよかった。つまり後半は表現もエピソードもこんな感じ、少々世界に浸り過ぎというわけです。

したがって、前半と後半では、人物像が(特に攻め)別人に思えてしまうぐらい違います。これを意図的に仕込んだのなら面白い狙いですが、執筆時期に差がある故の「偶然の産物」なので、違和感ありありで戸惑ってしまうのです。

その戸惑いを最小限にしてくれているのが奈良様の挿絵。
特にラストカット、本文では攻めは涙ぐんで受け子クンを抱き締めつつセリフだけは強がる、という描写になっています。
が、奈良様は視線を外して薄く笑みを浮かべる表情を描きました。
前半であんなに人をくった態度のオレ様攻めが、いくら心の雪解けを迎えたからといって16,7のお子様にすべてを預け、泣きそうにまでなっちゃうのは少々極端、というか大人げない。
その違和感を精一杯ならして、大人の余裕と心の揺れが生み出す「自嘲」の表情としたのが、あの1枚なのです。やってくれるゼ☆

総合評価は挿絵に助けられての★3・2です。←平均よりちょっといいけど3・5はつけられない
前作感想でも書きましたが、全くの書き下ろしを読ませていただきたいです。





これのどこが、「軽め」の「レディースコース」なのか…。
いや、私にしては抑えているのですよ。





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                                                              〔絵師:奈良千春〕〔カラー:★★★★〕

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