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連動コミック企画・マンガしりとり「さ」〜「櫻狩り」/渡瀬結宇

■マンガしりとり・ルール
・第2日曜担当:わにこ 第4日曜担当:miru-ha マンガのタイトルでひたすらしりとる。
・必ず自分が読んだマンガとする。ジャンルは不問(雑誌・同人は不可)
・続けることが目的なので最後が「ん」でもよし。(例:「ドラえもん」⇒次回「も」)
・同上理由で 濁音・拗音はあるなしどちらもOK。(例:「しょうこうじょ」⇒次回「しょ」か「じょ」か「よ」)
・同作家の作品は各人1回ずつ。2回目は罰ゲーム(後日発表、笑)

 ■前回までの流れ(タイトルポチでブログを超えて記事にジャンプ)
「真空融接」→「月に狼」「ミルキーウェイ」「イティハ―サ「サラディナーサ」


本日は第4日曜、暗黒萌え友「北の主腐から」わにこさんとのガチンココラボ企画・「マンガしりとり」開催日です。今回いただいたお題は「さ」です。

本日、私のすまう地方はとてもよいお天気。桜(ソメイヨシノ)は散ってしまいましたがヤマザクラ、八重桜系は今が盛りです。
ギリギリ季節に間に合った!と皆様と自分への言い訳をたっぷり含んだご挨拶はこのへんにして、早速本題にまいりましょう。

今回わたくしの用意したマンガはこちら

    

わにこさん、次回のお題は「り」です!ちょっと難しいお題になっちゃいました、ごめ〜ん
でもわにこさんなら絶対大丈夫だよ♪(byカードキャプターなさくらちゃん)

             
             *         *         *

こちら、去年の春に「上」・「中」と感想書かせていただいています。
もちろん「下」もいずれ書くつもりでしたが、しばらく予定一杯だからこの際季節無視してもいいや、書ける時に書こう、な〜んて思っていたら今回のお題が「さ」
ああ、BLの神様がまたも今書けとおっしゃってます。←疲れから来る電波

毎年1回、桜の季節に刊行、足掛け3年かけて完結した作者入魂の作品です。
が、正直申しますとこの作品の感想は大変書きづらい。
かなり考えこまされた作品であることは確かですが、何について考えたかを書くには、作者様の意図とは違う、私自身が今まで避けていたシンプルかつ究極の命題について考察しなければならないからです。
真剣にマジガチで書かせていただきましたが、結果楽しい事は一つも書いていない、かなりの辛口&結論がない感想になってしまっています。
私自身も書いてて相当気が滅入りましたので、なんでしたら読み飛ばしてくださいませ。(わにこさんへのお願いバトンをしょっぱなから書いているのもそのためです)


作者様が少女マンガ界の重鎮様ですので、『腐のつく方』(本作後書きより)以外の方もここを読まれることがあるかもしれません。その場合、更にしんどいと思いますので本当に本当にご納得のうえお進みくださいませね。



※作者様のこの作品にかけた熱い想いに敬意を評して、「桜吹雪」を2日間限定復活いたします。記憶の中の満開の「桜」の情景を思い浮かべていただければ…せめてもの癒しに。




            
           *         *         *

◎本編感想(マジガチ 別名「〜である」文
華麗な画である。豪華な装丁である。数々のカラーページも(無論モノクロ画も)上質の紙に丁寧に発色されており、印刷にも細心の注意がはらわれている。作者の情熱に出版社が応えた、作家冥利に尽きる作品だろう。
熱い思いに水を差す感想を書くのは本当に気が引けるが、正直に書くとこうなってしまうのでどうかお許しいただきたい。←ここに来てまだ言い訳…


前回までの感想で私は上巻に「表現と作品精神のとギャップ」を、中巻感想では「結末の予想」を書いていた。「上」は予想通り、「中」は予想外、が今回最終巻を読んだ私の結論である。

「表現と作品精神とのギャップ」はさらに広まった感だ。
そもそも蒼馬の「男も女も狂わせる魔性」がどうしてもどうしても伝わってこない。
『蒼馬が(意に染まぬ)行為の最中に無表情だったことをいったい何人の方が気付いたでしょうか』と作者様は後書きで書いているが申し訳ないが私も気付けなかった。だって蒼馬はずっと無表情だもん。心が通じた後の行為は作者様がページをたっぷり使って描いたというだけだし?

更に、作者が特に入念に描いた、この作品の大きなキーである「大正時代」が萌え要素以外の何物でもなかったガッカリ感はひとしおである。
西洋文化と日本文化が混じりあう大正デカダンス時代は、「女」というジェンダーを決定づける大きな要因である「衣装」が百花繚乱な時代ともいえ、女流作家が好んで選ぶ時代である。画という分かりやすいアウトプットが絡む「少女マンガ」ならその傾向は一層だ。
だからこそ単なる萌え要素にせず、作者の挑戦を助ける存在であってほしいと願っていたが残念ながら予想通りだったわけだ。家長制度売られる子供(の苦悩)を描きたくての時代選びとのことだが、そこを描きたいならむしろ正嵩の兄を主役にしないと…。

だがこれはまだいい。題名にも冠し発行時期までこだわった「桜」まで単なる萌え要素とは…。
結末予想の「予想外」はココである。

『散り際の美しさから明治の頃に「男の死」のイメージを与えられてしまった桜』ではなく本来持つ生命力にあやかりたいと集まった古代の人々』と同じ気持ちで最後桜の下へいった蒼馬なのだと作者様は後書きで語っているが、は?その程度でいいの?との想いが頭をよぎる。

蒼馬の身内2人に桜の名がついている事が下巻で明らかにされる。
ならば彼が最後桜の下に行ったのは、過去への懺悔と後悔と赦し、今憂いなく正嵩のことを胸に想える感謝、死の覚悟、叶わない未来への渇望、ぐらいまで表現したとする方が本編にはより沿っているハズなのである。
もっと言えば桜に「生命力」を見出すのは『古代の人々』ではないし、『男の死』を見出すのも明治以降でもない。戦国武将の命とも誇りとも言える「鎧」に図案化された桜吹雪が刻まれている事実、その意味は少し考えれば分かるだろう。

同じく後書きによれば、作者様は男同士の恋愛を描くにあたり『真面目に向かい合わねばならない』歴史上の「男色」文化から児童虐待まで調べたそうである。
主人公が「桜」の下で迎えるラスト。
題名。
けれど「桜」の解釈は作者の「イメージ」。これでは片手おちである。

作者様は後書きでこうも語っている。
腐のついた方はさておき、あくまで一般読者には『男同士』は下手すれば負要素にもなってしまう。それをどこまで『ああ、この2人ならば』と『男同士だらこそ成り立った物語』に持っていけるかも、一つの目標でした」
大変残念ながらこの目標は達成されていない。
「この2人ならば」と思うには2人の恋情が表現不足だし(←恋心を伝えてはいるが肝心な「どうして魅かれたのか」が抜けている)、「男同士だから〜」も蒼馬が男も女も相手にする事でしか表現されていないが、「蒼馬が女を抱く事」はこの作品ではおまけ的エピソードだからだ。(←母による性的DVの描写が極薄なためあまり意味を成さない=肉体的DVだけでこのお話は十分)つまり彼が傾城の「美女」でもこの展開は可能、むしろそのほうが自然である。その他モロモロ、例えば「妹」の狂気の動機も結末も「え?これもこの程度?」だ。

つまり「予想外」とは私の予想を下回った、素人の私よりもっと踏み込みが浅く、掘り下げが甘かったという意味で「予想外」だったのだ。これは私が鋭いという意味では決してなく、ある程度BLを読んだ事がある方なら誰でもこのぐらいの予想は立てられる、いわゆる「王道」範疇の予想を下回っているんである。
多分、作者様は現代BLレベルをよくご存じではないのだろう。←実際後書きで「嫌いでもないが縁がない」「レクチャーを友人から受けた」と言っている

が、研究しなければBLを描いてはいけないと言うわけではないので、緩かろうが甘かろうがそこは別にいい。どんな作家にだって当たり外れはある。
しかし、作者様の後書きは更に疑問を私に投げかける。 
今まで避けていたシンプルかつ究極の命題、ズバリ「BLとは何か」である。


「男同士のラブ」なら何でもBL、とはいえないだろう。ゲイ小説はやっぱりゲイの方(男性)対象の小説だし、「ニューヨーク・ニューヨーク」や「日出処天子」はどう考えても少女マンガだ。では発表場所(レーベル)による区別なんだろうか。でもJUDYで発表された「窮鼠はチーズの夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」を少女マンガ(レディコミを含む)だとはどうしても思えない。
結局はっきりした定義づけはできないが、女性が女性のために書いた男同士のポルノ(恋愛重視)かなあ?という漠然とした概念のまま、今までの記事中で「BL界では」だの「BL史上」だのと表現していたわけである。
今まで深く考えてこなかったのは、「娯楽」に細かい線引きなんぞ必要なかろうと思ったりもしたからだが、今回のような後書きを読むとイヤでも考えさせられる。

下巻の後書きで作者様は冒頭、
ネタが「男同士」というだけで、開始前に他人に言えば固定概念から「ああBLね」と軽く返された、そんなところから始まりました。
と書いておられる。
この後作者様は「男色」を真面目にお調べになり、傷ついた魂が救われるお話を描こうと主人公の2人と向き合い、最終的にはこの作品のジャンルは「ヒューマンドラマ」だという結論に落着かれるわけだが、結局この流れで筆者がいいたいことはこの作品は「BL」ではないという事なのだろう。そんなジャンルで仕切れるものではない、と。

この作品がBLか否かは正直どちらでもよい。
気になるのは「固定概念」「軽く返された」部分である。

この作家様の言わんとする「固定概念」とはなんだろうか。
この作品はその「固定概念」を打ち破る「ヒューマンドラマ」なのだろうか。
「BL」「ヒューマンドラマ」は縁ないものだろうか。
この作品がBLと呼ばれることが作者様には不満なのだろうか。
こんな事を疑問に感じるのは、私が『「腐」のついた方』だからなのだろうか。
「腐のついた方」は「男同士」なら何でもOKだと思われているのだろうか。
「腐」のつかない方にも「この2人ならば」と理解してもらえるマンガを描くことは、通常の少女マンガより崇高な挑戦なのだろうか。だから豪華本?



そもそも、ここまで考えさせられたのはすべて「後書き」のせいである。
お気づきだろうか、今回の感想で私が引用した部分(青文字)はすべて「後書き」からだ。

この作品の後書きは制作秘話の範疇を超えている。(特に下巻。A5版2段組で4ページ) 
作者自身がたっぷりと語る事で解釈の幅を狭め、方向を一定付け、補足し、言い訳までしているこの後書きがこの作品のもっとも残念な所なのである。

作者入魂の作品であることは認める。凝った豪華な装丁から判断しても、作者にも出版社にも特別な作品なのだろう。が、どんな傑作でも作品以外のソースをもって作品を補完するのは作者自身が行っていい行為ではない。(懐古的に後日発表するならまだ分かるが…) 
「出来いかんはどうであれ(元アシスタントさんとの)約束を果たせたことが満足」と書いたあの部分だけでこの作品の後書きは充分だった。

後書きも読者には楽しみだが落ちるほど語ってはいけない。作家は作品で勝負すべしだ。
そして作品を発表した以上、評価は読者におもねるべきである。
余談:
ブログも同様と一応は胆に銘じている。ページを折ったり、冒頭で辛口&ネタバレのお断りを入れるのは知らずに読んだ方にご不快・ご迷惑をかけないようにするためで、これはすべてのブロガー様が実践していることである。公に発表された商業作品下巻の後書きで「ご了承ください」は何をかいわんや、である。


とはいえ、「BLとは何か」を改めて考えさせてくれた機会を下さったことには感謝する。

未だ結論は出ずだが、正解に辿りつくために今後もせっせと「BL」を読み続けなければならない(笑)








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Comments

こんばんは!

この作品、下巻が出た後の評判見てから買うかどうか考えようと思ってたんだけど…多分読まないと思います。(汗)
渡瀬さんのマンガって何やかや言いつつ買ってるんだけど、どうもオチに納得できた事があんまり無くって、少女マンガならそれでも無条件で買ったろうけど今回BLっぽいという事で、珍しく様子見してました。
そっかー、やっぱり心配した通りのオチだったっぽいですね。

まあ、今後はふし遊玄武の続きを頑張っていただきたいです。もう2年以上も放置プレイだから、そろそろ終わって欲しい。
PSPのゲームなんて、とうの昔にコンプリ済みよ…(ノД`)

>次回のお題は「り」です!ちょっと難しいお題になっちゃいました
大丈夫です!「り」ありますよ〜。
マイナーっぽいのしかないのがちょっと心配ですが…(笑)
comment by: わにこ | 2010/04/26 00:07
>まOOさん♪
スパイシー長文に最後までお付き合い下さってありがとう、そしてお疲れさまでございました。次回はもうちょっと楽しい内容を心がけます…。

雑誌は1月で終わってたんですね、正月明けからモヤッとしますよね〜。
激しく頷きつつ、まOOさんコメント拝見しました。
2人の愛情(特に正嵩)も、あのシーンも、私もそう思ったもん!(笑)あのラストもおっしゃる通り!もっと前にいくらでも出来ただろうになぜあのタイミング(汗)
あの人も取ってつけたような正体でしたねぇ。正嵩の出生の秘密といい、3巻でわれもわれもと唐突に秘密の告白が始まりビックリです。
あれはどんでん返しとはまた違う、ミステリー…でもないもんなあ…。

「ふしぎ遊戯・玄武」の連載再開(今年の6月)を楽しみにしたいと思います♪

comment by: miru-ha | 2010/04/26 10:03
>わにこ様

ダークカオスな感想でごめ〜ん、気が滅入っちゃうよね、次回はじけます!!

>渡瀬さんのマンガって何やかや言いつつ買ってるんだけど、どうもオチに納得できた事があんまり無くって

そうなんだよね、長期連載ゆえの凸凹の激しいドラマチック本編に比べて、まとめ(ラスト)が無難に思えてしまうというか…。でもこれはそれとはまた違う意味で無難なんだよな〜。お絵柄がくっきりと華麗すぎて、何をしててもさほど暴力的に見えず悲壮感がないんです。もっと鬼気迫る劇画調タッチにするとか、もっと「耽美」を追及するとか、画力がある方だけに「マンガ」を離れた「アート」表現を探したらまた違ったかもな〜、と思いました。
例えば、筆とか使ってニールセンとかビアズリーとかのような方向で「和風」…ステキじゃない?だったら「大正」もより活きたのにな。

>ふし遊玄武の続き
先のコメントにも書かせていただきましたが6月連載再開ですって。もうどこで終わったか忘れている…現代に帰ってきたんだよね、たしか?またこっちの世界に戻って来たんだったっけ?
あら?最近よく書くわ、このフレーズ(笑)


>大丈夫です!「り」ありますよ〜。
さすがわにこさん!よかった〜♪
マイナーっぽいの面白そう、楽しみにしてま〜す(≧∇≦)
comment by: miru-ha | 2010/04/26 10:26

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