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「貴公子の求婚」 和泉桂/佐々成美

Q.貴方が一番好きな和泉作品は何ですか?
A・「罪の褥も濡れる夜」です。潔いエロ特化ファンタジー、両想いだと認め合うためにこうまで壮大なすったもんだを繰り返さなければいけない伏見とパパがドツボです。

と今までは答えていましたが、これからは
A・「罪の褥も濡れる夜」と「貴公子の求婚」が同率です。萌えは前者、質は後者が勝ちです。

と答えようと思います。
面白かった…!作家様の代表作といっても過言ではないと思います。出会えてよかったです。
        
                         

ここがいい、あそこが好きとダラダラ長々語っております。
雅な貴公子様からみたら野暮の極み、つくづく現代に生きていてよかったな、と思うネタバレ感想は次ページで。

          
  ◎イラストチェック/佐々成美(アート派マスター) 
今回はカラーとカットをご一緒に。
カラー&カット★★★★☆(★4.5以上は画像UP)
「アート派」としましたが、先日の亜樹良さんと同じで挿絵師としてデビュー後にコミック経験をつまれたのでは、と思います。ペン画の表現にも慣れていらっしゃいますし…。でもコマ割りそのものに慣れがみられないのでさほど量はこなしていない…ような。

できるだけ客観的にチェックする、というポリシーに反していて申し訳ないのですが、この絵師様作品は個人的事情でずっと避けていたのでした。地雷ジャンル「ショタ」絵師様というイメージも強かった上、とある過去作でエライ人体間違い?カットをお見かけして猛烈にガッカリしたことがあったためです。
が、今回拝見して申し訳ない気持ちでいっぱいです。
こんなにお上手になっていらしたのか…。(←上から目線でごめん)もー挿絵マスターにしたいぐらい。極上です。烏帽子や袍をこうまで多角的に描ける絵師様、少女マンガ界でもマレです。この方の絵でなければこの作品は台無しだったと断言できます。
蘇芳の鬼気迫る(笑)美貌と蘇芳にしか分からない美男ぶり(わはは♪)の朝家、しっかり描き分けていらっしゃるところがこれまた…。「十人並み」と書いてあっても花の顔(かんばせ、笑)、がお約束のイラスト界で不快なく「平凡」を描くのは相当難しい…。
美形(キメ絵)は誰でもうまいのです。最もたくさん描きこむから。でも「平凡だけどたまには光る」容姿を納得させる画力は相当です。わたくしも烏帽子?を脱がせていただきます。トレビアン♪
この絵師様の現代画?(スーツや白衣)はあまり見たいと思わないんだよな〜。時代装束や民族衣装をバリバリ極めていただきたい、アラブやファンタジーなんかもイイと思います♪

唯一の不満は表紙絵そのもの。せっかくのSHY作品、御自慢?システム・「裏まで一枚絵」を貫いてほしかったです。

              *        *        *

◎本編感想
直球を良しとせず、婉曲かつぼかし匂わせる様を「をかし」と愛でる平安の世。
言葉の方違えをお得意となさる作家様との出会いは必然&もってこいでございます。
こんなにバランスの良い作品が書ける方なのになぜあのような萌えの暴走超特急を…ゴホンゲホン

BL、非BLに限らず「良い時代小説」とは時代の息吹が感じられる表現が出来ている事、その時代でなければ成し得ないエピソードを通じて現代にも通じる普遍的な命題を模索していける事、の様に思います。同じ平安の世を舞台にしながら「姫君の輿入れ」の満足度が低いのは(あくまでも我見です)、ジャンル・時代問わずのロマンスの定石「とりかえばや」を「平安」で繰り広げた理由と根拠が弱かったせいだろうと思うのです。
でも今作はお見事。タイトルにその良さが集約されています。

あらすじだけで判断していた時は、なぜタイトルを「貴公子の妻問い」にしないのかとずっと不思議でした。「貴公子」が「求婚」なんてどちらかというと西洋貴族を連想しちゃうし。
でも読んで納得、これは「求婚」じゃないとダメ、平安(調)の世でなければ不可能なお話です。


このお話は、まずは蘇芳(とあえて呼ぶ)のごゆるりお貴族様ぶりがなくては話になりません。
鬼神のごとき美貌、その身からくゆる薫香、妖しの退廃。ゴージャス形容詞の大盤振る舞いでクラクラしますが、これがさほど大げさでもない。彼の魅力は本当にこんな感じだからです。遊びを極めたがゆえの退屈、けだるさ、加えて大人の余裕。夜這い間違い&同性逆手篭という酔狂極まりない朝家との出会いも、蘇芳なら「興がのった」の一言で納得できてしまいます。
磨けば光ると分かっている玉を、値打ちが分かるのは自分だけでいいと原石のまま愛でる。これまた凡人にはムリです、時代に関係なく満ち足りまくった大人の御仁でなければ出来ない達観です。
つまらない、面白いことがないと鄙に引きこもる彼は、反面、面白いことさえあれば楽しく生きていけるのにと自分の人生を充実させることを渇望しているアツい人でもあります。そして天から与えられたかのように「面白い」朝家を手に入れる。そりゃゴキゲンだわね(笑)

彼にとっての朝家は朝家にとっての書物と同じ、一方的に構い慈しむものでした。面白い時さえ過ごせれば相手に心があろうがなかろうが関係なかった蘇芳が、相手を助けたい、喜ぶ顔が見たいと、影ながら力を貸すようになっていく。難題を聞きだしては根回しし朝家を立身出世させて行く様はまさに内助の功、一豊の妻さながらの献身です。
そうやって変わっていく自分をうっすら笑う余裕さえあるのに、朝家と彼の親友・実親との仲を疑って我をなくす。良くも悪くも他人に振り回されることを嫌って隠遁までした彼が、たった1人の男のために尽くして乱れる。振り回してほしいとすら願える相手と出会った彼の人生は、恋の自覚と同時に世界がフルカラー(笑)、人生バラ色とはよくいったもんです。

かたや朝家は書物さえあれば生きていけると思う朴念仁。
容姿は平凡で口が半開き(なんちゅうトホホ設定 痛快)、唯一のとりえかと思う「深い知識」も作中で全く活躍しません。彼は「書痴」であって「学智」ではないのです。ここがまた上手いんだよな〜。
知識は人並み以上だが大成しない(活かし方を知らない)、いわゆる「一般人」はこの世にゴロゴロおります(わぁ自虐的) 物語の中では見せ場と活躍が用意されていても現実には一般人にそんな機会はまずない。そこを踏襲するかのように今作品で朝家に見せ場はありません。
作中で様々な試練を課せられた彼を救うのは蘇芳の知恵と愛であり、親友との友情であって、彼の「知識」ではないのです。

朝家が作中最も健気に光る「歌合わせ」のシーン。
たった一人緑の庖という惨めさを押し殺して苦手な歌合わせに臨むのは、ただただ蘇芳のためです。ここでも彼にしかない「深い知識」や「(マシになった)美貌」は役に立たない。ピンチを切り抜けるのはあくまで蘇芳、朝家はなにも出来ずに突っ立てるだけです(笑)
それでもこのシーンの朝家が光るのは、人ならば誰もが実現出来る美徳・「献身」が彼を光らせているからです。


人世の理想を集めたかのような蘇芳と、冴えない(見せ場のない)「平凡」な朝家。
人物像を徹底的に対比させつつ、同じ行為=献身を互いに尽くさせる。
作者様の訴える「愛」がどんなものなのか、このお話、この2人からはとても良く伝わってきます。

この後、花嫁モノ必須アイテム「花嫁強奪」を仕込んでおいて「求婚」。世にも得がたい三国一の花嫁の誕生です。ここで初めて解けるタイトルの謎。蘇芳の一言にあっと声が出ます。
確かにこう思えば万事解決、すごいな一言で解決しちゃったよ。蘇芳カッコいい(笑)


な〜んてここまでほとんど蘇芳萌えですが、朝家の魅力はおまけ巻末「姫君の余情」で大爆発です(笑) あのかわいらしさは参ったな、まさしく「書痴」・読書ばかりで世事に疎い人、です。
ち、ちOび門答…ぶははははは!←どうも最近「ちOびスト」になってきたような…f(^^;)
せっかく恵まれた仕事についているのに活かせない知識なんて意味ないんだから、もっとしっかりせんかい!と本編朝家には正直イラッとしないでもなかったのですが、こんなにカワイイなら話は別(笑) もお君はずっとこのままでと目じりが下がる私は立派なおばちゃんです。


「光源氏の再来」やら章頭の和歌の無規則性(ピラメいたら載せる)など「???」な表現もちょいちょいありますが「平安流」だと作者様ご自身もおっしゃってますし、本格歴史小説ではないのでこれで十分、いや十二分です。
昨今流行りのお雅びBLとはあきらかに別次元、この2人の同人誌なら買いたい!読みたい!
おすすめ下さった萌え友様に大感謝です。


◎イメージソング
雅びな雅楽風アレンジで攻めようかとも思いましたが、このお2人は雅びな世界に住んではいるが恋愛観は現代的なんだよね(当たり前か) 
蘇芳はこんな気持ちで朝家を見ているんだろうな〜、脇息に凭れて檜扇を口に当てながら♪な気分で選んでみたらこうなりました。



SMAPの名曲をaikoさんの名カバーで。はっきりいって本家よりいいかも…とSMAPファンの私がいうんだから相当です、特に後半は必聴♪

え?子供?養子養子(笑)






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イラスト考察「コミック派」と「アート派」
当ブログ用語辞典




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[小説・作家名あ行]和泉 桂 | comments(1) | trackbacks(0) |

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Comments

>ばO様
「2人が眺める桜」の演出、気にいって下さって嬉しいです。やはりこの作品は今がぴったりです、ね♪
こちら、「桜の季節に読みたくなるBL」筆頭になりました、来年までにはそろえておかないと(笑)

絵師様はおっしゃるように作品イメージと思います。たまたま私が持っているこの絵師様作品4作のうち2作がショタだったもので…。しかも見事な子供体型(薄い・細い・あどけない)だったので妙に生々し…おおぅ。
気になる作家様とこの絵師様の組み合わせがあまりないものですから、今までスルーしておりましたが今後は意識して探してみようかな〜と思っています。
現代画?作品でもOKですのでオススメ作品がありましたら是非教えて下さいませ♪♪
comment by: miru−ha | 2010/04/08 16:09

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