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「グリーン・グラス」 暁由宇/岩清水うきゃ

先日トライしたBL小説家ソートであまりに石橋体質の自分にトホホ感が増し、今年は、「気になるけどな〜」で放置してある作家様や、苦手絵師様だから(私にとっては大きなウエイト)という理由で避けていた作品も読んでいこう!と今ごろながら新年の抱負をたてました。

抱負実行第一作が本日の作品、暁由宇さんの「グリーン・グラス」。
作家様について何の予備知識もない状態ながら、この作品を選んだ理由は「表紙」です。
珍しいですよね、主人公1人だけの顔アップの表紙って。(コミックならチラとお見かけしますが)
そしてあらすじを読むに主人公は男娼だとか。この爽やか表紙で男娼?こりゃ気になる。


結果がどうだったかと言えば…
大当たり

どんなに探しても「らしい」欠点が見つかりません。これってすごくない?
選んだイメージソングもBLでは使えないだろうと思っていた、まさかの曲です。
べた褒め感想と爆涙イメソンは次ページで♪




  ◎イラストチェック/岩清水うきゃ(コミック派)
カラー★★★☆3・5
表紙の力強さにシビレタ。いさぎよいわ〜。
表紙絵の清しさに比べると裏表紙のイラストはもにょもにょ…て感じです(笑)
顔ばっかり&おじさま描くのはあまりお得意じゃないな〜などなど思いますが、表紙の潔さで相殺です。ピアスですのでもちろん口絵は肌色オンリーです(笑)

カット★★★★4.0
うまい。しかもエロに超合金製の極太筋金が入ってます。基本、あまり描きこんだ画面にされない絵師様ですが、エロへの突き抜け方だけは奈良様に匹敵するかも。
P79とP87はさすがの私(?)も正視しづらく、ナナメ見です(笑)
しかもこの方どうやら「O毛」好き(拙宅初出アイテム…笑)、どの濡れ場シーンにも黒々と描き込みが!わはは!
ここまでなら★3.5ですが、最終Pの絵師様によるコメント付イラストにヽ(゚Д゚;)ノ!!と(〃∇〃) が同時に襲ってきたのとアッパレなPN(うきゃって、笑)を讃えて☆1コプラスで計★4です。


◎本編感想
BL初めてO年(はっきりしない)、腐界の歴史や昔の名作など良く知らない私なので、大ボケかましているかもしれませんがそこは今さらって事でお許しいただいて、断言させていただきます。

私が常々考えていて、でも実現不可能と思っていたまさかの「男娼」BLがココにある!

BLにおける「花魁」や「男娼」モノはほぼショタロリ系、でもって運命の人と愛し合って身受け(卒業)、ばかりで苦界に堕ちた悲惨さや苦しさといった生々しい感情はさっぱり伝わってこないのがお約束でした。もしくは好きでやってるビッチ設定、とかね。

仕事で否応なく相手にする複数の客(ここがポイント)ときちんと向き合ったうえで、なおかつその男娼の背景(どうして男娼やってるか、とか)もしっかり描いた作品はないものなのか、あるとすれば1冊1顧客で長編だろうな〜、とか考えていたのですが…あった…。
しかも1冊読みきりで。
しかも2004年に。
しかも「総ページ数の3分の1がエロ」が必須条件のピアスで。
これだけ「しかも」が重なって、なにこの完成度。

BL天才じゃないの、この人?!
…小学生並みの言葉しか出てこないのが悔しいです。←「並み」じゃなくて「以下」だろ

ピアスならではのエロ条件があるが故の「男娼」だったと思いますが、身体を重ねる事が束の間の癒しになる関係を顧客全員に書き切っています。加えて本人の恋愛事情もしっかり描いてBLのお約束に持っていってしまうんだから…。
これこそBL界でしか書けない心身一体のリハビリテーション、人の心の暗部に「性」は切り離せないことを「男娼」という立場を上手く使って色濃く伝えてきます。

主人公の男娼がどうしてこの道を選んだかが動機としては弱くて軽いので、結局悲壮感や絶望といった重い心情は描かれていませんが、作者様は暗くなりがちな「男娼」をモチーフにしつつラストをさわやかに締められるように初めからストーリーを組んでいます。それが狙いなのだからこれはこれでいいのです。

どうしてそれが可能なのかと言えば主人公のウリ方に一工夫あるからなのですが、それもクセものオーナーがいるがゆえ。この人が思わぬ効果を出してくれるので、一見オムニバスっぽい構成でも作品全体が綺麗に1本化しているのです。
主軸に主人公の恋愛事情がキチンとある、でもオムニバスでもある、でもオーナーが…とループ状に上手くからんでいる構成もお見事。たった一冊でこれだけのキャラ(計6人)をこんなにきれいに組んだBL…初めて出会いました。

ワケアリの顧客も皆それぞれしっかり練り込まれていて、彼らだけでそれぞれ1冊書けるぐらい。でもこれ1冊で収めたいわけもちゃんとあるんです。その仕掛けがラストに上手く反映されていてこれまた唸る。
「先読み」や「犯人あて」には根拠なく自信ある方でしたが(ダメじゃん)、これにはコロッとやられました。全く予想していなかったぞ(笑)
顧客との刹那すら感じる濡れ場シーン(エロと表現するには精神性が勝っている、ただしやってるコトはすごい)と純情極まりない素での恋愛シーンの対比がまたいい。
「ランチ」シーンなんてほのぼのシーンなのになぜか泣けたよ!くうううっ〜っ

途中、興味本位で「男娼」を買うなんて許せない的発言がちらっとありますが、そこも含めて「身を売る」わけですからそれは甘いだろう、と言いたかったりもします。が、それもとある事情の伏線(とまではいかないがフリ)になっているので強く突っ込めません。
主人公が好きになる攻めの魅力がイマイチかな〜とも思いましたが、彼の魅力はラストに発揮されるように仕組んである。チクショー何もかも上手いな!

結果、多数と性交渉しながら嫌悪感0、主人公を嫌いになんてなれませんし、彼をお金で買う客たちにもそれぞれ思い入れてしまいます。←特にOOさん…あなたも鋼の筋金入りよ…でも1番気になる(笑)
読んだのはエロピアスなのに、読後感は感動&清々しさですよ?ありえん…。(ピアスの名作は他にもありますがたいがい1×1のハードボイルド恋愛か暴力めいたエロばっかり、これは複数と前向き交渉するにも係わらず重苦しくなく多感的だ、と言いたいのです。)


これから読まれる方のためにとってもとってもぼかして書いています。本当は何の予備知識もなく読んだいただきたい。そして読後唸っていただきたい。

今はお見かけしませんが、きっと全盛期は名を馳せた方ではないかと思います(だって上手すぎるもん) 
でもこれ読書メーターでも6ユーザー(泣) もったいない!←多分古めの作品なのであえて登録されていらっしゃらないだけで実際に読まれた方はかなりいらっしゃるとは思いますが…。


この作家様の他作品も読もう、と決心いたしました。




◎イメージソング


好きな人が往ってしまうと思ってこの歌を聴くと苦しすぎますが、金で買われた逢瀬の束の間、その時だけの真剣な恋をする、だから何度でも君に恋をするんだ、と解釈すればこれ以上の歌もない…。

この歌をイメソンにできるだけでも、この作品がどれだけ異色かつワンダフルなのかお察しいただけるかと思います。
いや〜マジよかったよ…。




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    Comments

    >hOO様
    禁断のお部屋にいってまいりました、納得です…。
    ここまで「性的暗部」を掘り下げて、しかも辿りついた深層をちらつかせる程度にとどめる驚異のバランス感覚がこの作品だけならこの人天才じゃん!と思いましたが、普段からあっち側(笑)の人なんですね〜。
    でも商業誌のせいか漂わせ具合が絶妙、やっぱり傑作と思います。お部屋作品を初めに読んでいたらアカンかったかも(笑)

    次作のオススメ、よろしければ教えて下さいまし♪
    comment by: miru-ha | 2010/02/22 21:19
    >ゆOO様
    きゃ〜っ、読まれましたか!良かったよね〜っ♪♪(やっぱり小学生、笑)

    昼の仕事と夜の仕事(笑)があんなに盛りだくさんに入ってるのにゴチャついていないし独りよがりでもない。上手い!のセリフしか出てこないっす。

    「また1人卒業…か」
    って、オーナー渋ッ(≧∇≦)
    このクサさギリギリのレトロな締め方がまた良いお味なのです♪

    他作品も読んでみたいのですが、ものによってはとんでもない世界の扉を開くことになるらしいので、ただ今じっくり検討中です。「あらすじ」は信用できないからなあ(笑)

    comment by: miru-ha | 2010/02/23 23:56

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