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「恋情の雨が君を濡らす」 鳩村衣杏/あさとえいり

まさか「兄編」が今頃出るなんて思わなかった…。というか、書店で表紙とタイトル見るまで知らなかった…。

前作「追憶のキスを君は奪う」で、「王子」「王子」と散々持ち上げられておきながら最後までいい事イッコもなく、門番以下の扱いじゃ?と同情しきりだったモリエ兄様。
この方がそもそも♂とくっつくこと自体「え?」なのに、一体どんなお相手だったら納得できると言うのか…作家様はいったいモリエ兄様をどうお料理なさるのか期待半分怖さ半分、久々に読む前から緊張です。このビクドキ感は「交渉人は振り返る」以来?

イラストチェックで相当のネタバレ、感想ではキモネタバレ、とかつてないほどすべてを語ってしまってますので未読の方は本当にお気を付け下さいまし。





 
◎あらすじ
 「完璧な男」「人を虜にする天才」「王子様」―彼・渡辺森江を彩る称賛はいくらでもあった。そんな森江が離婚してから一年。雨の夜に出会った喪服の男は、転職先の社長秘書・椿佳道だった。そつのないストイックな秘書ぶりと私生活を一切明かれない頑なさに森江の興味は惹かれる。
「友人…から始められないだろうか」
ところが、気持ちはすぐに言葉を超えて加速した。性別、過去…すべてを超越する、なりふり構わない情熱。初めてともいえる想いに森江は溺れるが…。

◎イラストチェック/あさとえいり(コミック派)
カラー★★★3.0
うっかり「二人羽織り?」とか「桃O郎侍?」とか呟いちゃった、そこのアナタ。ナイスセンス 座布団3枚差し上げたいです。でも正直すぎても生きにくいですよね、お互いに(笑)
お顔ばかり描いていらっしゃる方だな〜とすぐ分かりますね。
顔がまるっと女性顔なのに骨格(というか体つき←骨組みを考えて描いているわけではないから)だけ男性にしようとされているので、頭・胴・四肢のバランスがバラバラです。「表情」はいいのですけども…。
口絵は特にソコが強調されてしまっていて、せっかくのカラーなのになんとも…。

「雨」に滲む雰囲気がよく出ている色遣いは、とっても良いと思います。
ロゴの「雨だれ」の表現も凝ってます。ピンク×ブルーは上手くいけばとてもエレガントでフェミニンな上級色遣い。
巻末のボツラフが採用されていたら、白×グリーンがいいだろうな〜とか勝手に想像してしまいました(笑)

カット★★☆2.5
なんともクラシカルな少女マンガ風のお絵柄ですが、モリエ兄様は今どき少女マンガでも珍しいほどの完璧王子。白馬の王子が持つエレガントさがお絵柄とあっています。でもそれはノーマルモード(前巻)の場合。
今作・恋愛モードの兄様は啼かぬホトトギスを殺してしまいかねない激昂型なので、少々迫力に欠けるかな。加えてお相手が策士&ビッチのトンデモ受け、せっかくの豹変シーンもかなり物足りない仕上がり。最もイラスト映えがするシーンなだけにもったいない…。
全体的に構図も全く工夫なく、オールバストアップショット。驚くほど時間のかかっていない「カット」に少々目が点です。前作(「追憶の〜」)の工夫を凝らした丁寧なカットとはエライ違い。もしや絵師様ご体調でも悪い…とか?だったらこの評価は申し訳ないかもです。
余談ですがこの絵師様はきっと手(のひら)フェチです。描写入魂度が他の部位(顔以外)とまったく違う(笑)


◎本編感想

作家様に何かありましたか?迫力と気合が近年作とまったく違いますよ?
なんちゃってハードボイルドな珍作「弔愛」よりずっ〜とハードボイルドではないですか。
それもそのはず、作者様が長年(4年ぐらい?)考えて温めて、満を持した兄様のスピンオフ。自信のほどが伺えます。

兄にコンプレックスを抱く弟・冽(前作主人公)と完璧王子の兄・森江が同じ恋愛事情を辿るという、作者様の狙いが唸るほど良いです。
兄様のキャラが前作でかなりたっているので、あっさりお相手とくっつける単純ラブストーリーでも 月並みとはいえ充分イケたところ。そこをあえてのハードルあげにプロの気骨を見ました。素直に賞賛。

ただ前作の(攻めの)行動トレースありきで創ったストーリー展開そのものについては、少々強引な運びになっている感は否めません。特に、心配だったモリエ兄様を満足させる「受け」、この子(という年ではない)の動かし方が…。兄様初めその他の人間関係はよくできているだけに、う〜ん。

何度も褒めてしまいますが、兄様の心情はとってもいいのです。
できすぎクン特有の悲哀(判官びいきしてもらえない人)が前作にもまして色濃く描かれ、本来なら友情→恋情にひとっ飛びのあまりに発情的なエピソードも、「兄様こんなにがっついちゃって、よほど今まで寂しかったんだね…」と同情しきり。
お相手は森を豊かにする慈雨、恵みの雨という事で雨男の美形・ツバキ君。渇いて立ち枯れ寸前だった兄さんが激しく魅かれてしまうのは自然の摂理ってやつですね(笑)
そして今どきの雨って酸性雨なんだよね、と言わんばかりに上手くいかない彼との恋模様。というか「上手くいかない」なんて生易しいものではなく、兄様ハゲちゃうんじゃ…と心配になるぐらいきっつい酸性・ph1!です。

要所要所(のシーン)で降る雨、傘を投げ出しずぶ濡れになりながら求めあう2人。
作者様お得意の「シーン=場面」で綴るストーリー展開、BL脚本家(当ブログ用語辞典参照)の面目躍如です。BGM(イメソン)もつけやすくって助かるわ〜(笑)

と、ここまではいいんです。

いよいよ問題な受け子クンの核心へ。
ここからはあまりにキモネタバレなので以下に反転させます。
未読で以下を読まれると購入台無しになってしまうような事を書いておりますので、どうかお気をつけ下さいませね。

子供の心臓移植費用欲しさにモリエ兄様を陥れる陰謀に加担した受け子クン。
こちらも練り込まれた背景で感心はする。けれど扱いきれていないのです。←扱えたら医療ドラマになってしまう。

ゲイなのに頼まれて父親になる設定も既視感アリアリですが、そこよりも父性愛に目覚めた彼が子供のために金を稼ぐ手段が「男娼」ってのが…。
投資会社の秘書が出来るほど潜在的に優秀なのに、34になる今まで身体売っていたってそんなアホな(あら、言葉が過ぎました?ごめんあそばせ)

最低1億ものお金を稼ぐために34にもなってこんな手段選ぶ人間がいるでしょうか?1人5万で一週間に10人相手したって休みなしで4年ですよ?生活費だって必要だし現時点での入院費も高額だろうし…とか考えたら毎晩10人でもおっつかないんでは?自分が先にどうにかなっちゃうって。 
(保険金などで)死んで稼ぐ方法は選ばないが男娼はOK…一生の覚悟の証明として「男娼」を選ぶ意味がまったく分からないです。
「ビッチ受け」の背景としてこれしか思いつかなかったのかもしれないが、どう考えてもムリあり過ぎます。他が良く出来てるだけにここのお粗末さが際立ってます…。

だからその後の森江の行動(3億を個人で調達する)も大仰過ぎて、感心よりもひいてしまう気持ちの方が上回ってしまいます。いくら「王子」でもこのご時世に3億を他人に渡してしまう、しかもそれが恋愛動機ってのはさすがに…。
おまけによりによって「心臓移植」…具体的なご苦労はとてもここで書く事ではありませんが、手術成功だからと言って禊を終えたかのように会いに来る受けの心情もどうにも理解できません。
事が重大すぎて、BLに最も望む「そして2人は幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし」も信じられない。この2人が上手くいったからといって子どもの術後(の人生)の心配がなくなるわけではないですもんね。でもすべてOKであるかのように迎えてしまうエンドマーク。
子供の病気をここまで深刻なものにする必要があったのでしょうか。

緻密に練り込まれている部分とブッこみ部分の落差が激しすぎて、感情移入したいのに戸惑わざるを得ない。も、どうしたらいいの〜?です。



ここまでを、伝家の宝刀「BLだから、まいっか♪」を発動して許せたとしても、どうしてもどうしても笑ってしまうエピソードがラストに…。
アレですよアレ!「乳首」ですがな!
王子は人間が出来ていらっしゃるので感動できたと思いますが、私は庶民なので申し訳ないが大爆笑です。なにこのオチ?!「色狂い」の方がずっとましだったよ?
最高に盛り上がっているところで明かす、アナタだけよ愛の証しがこれって、わはは!

ふう、どこまでも理解不能な受け子クンです これで34…←しつこい


乳首シンドロームの震撼をのぞけば、再会して求めあうラストシーンは最高にいいです。
大地にしみ込む雨のように2人を満たす恋情と、突然の嵐(スコール)のように激しく求めあってしまう劣情、そのどちらもがビシバシ伝わってきて、このゴールのために読んできたのね、と感無量。

兄ゆえに弟よりも激しく、スケールの大きな恋愛。差し出す贄(にえ)も最大級でなければ王子から一国の王になれないということなんですね、きっと。
受け子クンは王国の「クイーン」ではなくて「ナイト」だったというBLならではの華麗なジ・エンドもばっちり決まり、さすが毎回きっちりエンドマークつけてくるな〜と感心しきりです。
(でも「王」と「騎士」では主従、兄様が最も望む「対等な関係」ではないんではないの?、とかいうツッコミも封印封印)


反転部分の不満がこれで帳消し♪とは言いがたいですが、近年(ここ1,2年)の鳩村作品中、一番読み応え&手応えがあったのは間違いないです。


◆サイテー余談:森江の「森」は「木」のカタマリ
今作の作者様のハードボイルド魂は赤裸々なピー描写にも反映されております。
肉の「棒」、男の「根」、硬い「茎」など出るわ出るわ、グリーン(木)絡みのピーが!
そりゃ原人の壁画時代からそういったモノにシンボライズされる類のものですけどもさ、よりによって「森江」が主役の今回に(笑) 
偶然なのか意図的なのかどっちなんでしょうね←んなこと気にするのはオマエだけだ



◎イメージソング
ちょうど前作「追憶のキスを君は奪う」の頃の曲です。(すみません最新でなくて…)
「雨」を待つのは…?

「雨待ち風」スキマスイッチ


ひからびた毎日よ
音を立てて剥がれ落ちてゆけ

まさに兄様の心そのもの。
PV3分過ぎの盛り上がりと映像はまさしくこの2人です♪




                 
〔絵師:あ行〕

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[小説・作家名は行]鳩村衣杏 | comments(3) | trackbacks(0) |

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Comments

拝啓 余寒の侯、いかがお過ごしでしょうか。
ボーイズラブレビューサイトちるちるです。
http://www.chil-chil.net/


今回、弊社サイトにて、「2009年度BLアワード」と称し、
2009年1月1日から2010年2月19日までに発売されたBLコミック、小説、CDでもっとも萌えた作品の選出を行いたいと思います。
そこで、日夜、BL界の動向に目を光らせているブロガーさまに
今年度、キラリと光ったBL作品、大活躍された作家さんを選出していただきたく思い、メールを差し上げました。

投票はすべて任意になっておりますので、お好きな部門のみの投票でOKです。
投票のカテゴリーは大きく分けまして
「作品」
「アーティスト」
「キャラクター」
がございます。
よろしければ、ぜひともご投票をいただきたいとおもいます。
http://www.chil-chil.net/blAward/u/1/


御不明な点、ご質問などがありましたら、下記の連絡先にいつでもおねがいいたします。

ビル 3F
TEL FAX 03-5456-3725
info@chil-chil.net
comment by: 西原ちるちる | 2010/02/19 15:52
ちるちる様、ご連絡ありがとうございます

おもしろそうなご企画です、結果がとっても楽しみです♪
お誘いいただきました「投票」ですが、実は今週UP予定の拙宅最終(4回目、失笑)グラミーとかなり項目がかぶっておりまして…f(^^;)
同じ回答になってしまっても良いものなのか…な?

まずは拙宅記事を完成させてから再度検討させていただきたく思います。
はっきりしたご回答が出来ず誠に申し訳ございません、どうかこれからも拙宅をよろしくお願いいたします。
comment by: miru-ha | 2010/02/20 14:21
■liOO様 お久しぶりですっ!
残暑お見舞いありがとうございます、お礼が遅くなって本当に申し訳ありません、liOO様もお忙しそうですが暑さ負けなどしてらっしゃいませんか?
積読岳登頂も結構体力使いますよね、どうかご自愛くださいまし。

全記事コメはおかげ様で全然進んでおりません(笑)このコメント欄がよ〜く不調になるので、私がお返事を書く時は別所に書いて保存してそれを貼るようにしてるんですが、貼る時間が…完成する時はイッキにいく…ハズなんで長〜い目でみてやってください☆

懐かしい記事にコメントありがとうございます、これね、忘れられない作品ですよ〜。再読する気になれないけどドナドナもできないんだな〜(好きな作品のシリーズ物だから)

私も「弟編」がとっても好きで(鳩村作品BEST3に入ってる)、新刊コーナーでこれを見かけた時は大興奮して即購入、そのハイテンションのまま読んだせいか、モヤッと感がどうにもおさまらずイッキに感想書いてしまったのだな〜。

前作をなぞった構成とか、森と雨の関係とか、文章そのものにも力があって、作者様に取って渾身の咲く日だということはすごく伝わってきて、だからこそこのモヤッとが、なんというか、悔しかったのですよね。


>帯ったー
BL飯(わははは、メシウマってやつですね)=ボーイズご飯ですね。あれは楽しかったよね〜♪

「帯ったー」情報ありがとうございます、早速遊んでみたところ、

【 miru-ha作BL本帯コピーは『俺のバナナで火傷するなよ?』 】

でした。

火傷…摩擦熱でってことですかね、わはははは!気をつけます☆

comment by: miru−ha | 2011/08/27 20:19

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