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「君を抱いて昼夜に恋す」 久我 有加/麻々原絵里依

すごい作品に出会ってしまいました。


久我さんの関西弁(作品)にハズレなし。
↑遠巻きに全て好きだと言っています

ワタクシの中の4分の1の関西人の血が激しく沸き立ちます。(私は関西人のクォーター)
「濡れが利いとる」って…。なんてヤクザな言葉。たまりません。


◎イメージソング
本日はイメソンを聴きながらどうぞ♪
まさか、こういう作品に柴田淳さんを起用するとは思いませんでしたが…。
ちょっと懐かしめの曲ですがイメージにはあっているのではないでしょうか、ダメ?




なお、本日感想は読書メーターでおなじみの(?)「みゅうあ―」さんが特別参加しております。
ベタ褒め感想中、どこで暗黒空間が発動するのか?
そちらもお楽しみに♪(…していただくほど大したこと書いてませんが)



  本日はイラストチェックがモロネタバレなので、本編感想からまいります。

◎本編感想
・あらすじ
彫師の八束は、付近を預かる博徒の口利きで男をひとり預かることになる。最初の晩、男、源太は唐突に夜這いをかけてくる。その手に熱を上げつつも「抱くなら彫らんぞ」と告げると源太は引き下がったが、実のところ八束の心にこそ彫りたいという欲が生まれていた。だが美しいが情がないと亡き師に評された己の彫り物では、源太の野性に喰われてしまう。葛藤する八束は……? 博打打ち×彫師の大正任侠ロマンス。
腐界復帰第一弾がこれだったんですけども、エライのひいちゃいました。
イレズミ目当てで買ったのに作品自体にゴン!と来てしまい、1週間ほどこればかり読み込む始末(苦笑)。
例えば右サイドに上げてある「月間TOP1作品」でも、すぐ再読したい!と感じる作品は少ないので、これは相当のドキュンレベルです。

ヤクザ×彫師の傑作(と、私が感じる作品)は池戸裕子さんの夜叉と獅子」がありますが、あちらが「BL」として極上品だとするなら、こちらは「娯楽作品」として傑作。
男同士の交わりが必然でありつつBLの枠を超えてます。(でもBLなんです。なんのこっちゃ?)

どうしてそんなに引きこまれたのか、じっくり考えてみると…、やっぱり独特の世界観(恋愛観)?
なんだろう、上手くお伝えできませんが「恋愛」ではなくて「業」でもない。「情」…なのかな。
かわい有美子さんのしっとり京都弁も「情」ですがあれは「女ことば」。雅で含みがあって余韻すら意味のある、いわゆる「しっとり」の情。イメージは「雪中の椿1輪」です。
今作は同じ「情」でも「男ことば」の大阪弁、すべて暴いて更にエグって、鮮血にまみれた創痍をなめ合う剥き出しの「情」。イメージは「紅蓮の竹の華」です。

通常BLはハッピーエンドが原則で、この作品もその例にもれません。もちろん私も普段ならそういう終わりを望んでいます。
でもこの作品に限っては、この2人がこの後末永く幸せに…とはいかないだろうなと思えるし、何故かそうあってほしいのです。
短く、太く、激しく生きて華と散ってほしい。出来れば片方を残すことなく、2人一緒に。
そう祈りつつ、ラストの数行を読むとなんだか胸に詰まるのです。
少々思い入れが強すぎる気もしますが、BLとは妄想の権化なのですから、脳内濃縮文句あっか、という気持ち(笑)

寡黙でオトコくさい源太に惹かれていく八束視点でストーリーが展開しますが、八束が男に惹かれていく気持ちそのままに、読み手のワタクシも源太に惹かれていってしまいます。
作者様入魂の描写が、世界観を伝えるだけでなく、人物への感情移入も容易にしているからです。
「大正」と「任侠」という独特の世界観を損なわないように、創造ったキャラクターを曇らせないように、徹底的に作家様が吟味した表現の数々。
八束の零すため息一つ、源太の放つ視線一筋、どれをとっても妥協がないです。作家様に何かあったんではないでしょうか…と思えるぐらいの魂の注ぎ方、まさに「入魂」。
かと言って同人系作家様作品にありがちな、個性的だが押し(アク?)の強い訴え方ではなく、青い炎とでも例えればいいのか、静かなだけにより熱さが感じられる味わいとなっております。

例えば、お約束で八束がヤバい奴らに捕まるシーン。
たった3時間しか離れていなかったのに、この2人の再会までの異様な盛り上がり…。なのに笑いとばす気になどさらさらなれません。どころか納得のクライマックスです。ここまでこの2人の関係にのめり込めるのは、久我さんが丹念に丹念に艶も色も漂わせながら世界を描き切ったゆえです。


この作品は、惹かれあう獣同士のねっとりと妖艶な情交を楽しむビターBLの一面もありますが、むしろ、手負いの獣同士が警戒しながらも心を近づけていく手段として「身体」があるという、意外と骨太な恋愛心理小説です。
ぶっちゃけエロシーンに突入するまで(と、初めて体を繋げた後の変化)がこの作品の真骨頂なので、エロ自体は朝チュンでもいい。だからイラストが少女系絵師・麻々原さんでもギリギリOKなのですね〜。
「手負い」の原因である、八束の戸籍のない生い立ちと、時代遅れと自覚しながらそれでも博徒になるしかない源太の生き様をもっと掘り下げてこの2人だけで1冊書き下ろしだったら、三浦しをんさんばりの男の「情」を描きだした名作になったんではないでしょうか。
表題作が雑誌小作だった事と、後半が別カプ絡みのお話だったのが惜しい。こちらのカプも悪くなかっただけにどちらも1冊づつ書いてもよかった、つか書いてほしかったです。


エロシーンがなくてもいい、とは言いましたが、なんたってBLですからそりゃ〜あれば嬉しいですよ(どっちなんだ)
ここでも入魂の「セリフ」の応酬、この上なく艶めかしくていやらしくてステキ♪です。

初めて体を繋げる時の源太の口説きが、もう…。
「触られたら体が熱なる。声聞くだけでも痺れる。おまえがそんななんのは俺だけや。そやろ?」
なんてオトコくさく聞かれたら喀血モノですよ?
でもって
「けど、俺も、おまえが俺を呼ぶ声聞いただけで体が熱なった。」
な〜んて続けて言われてみ? もう、どうとでもして下さい!です(向こうが願い下げだっちゅうの)
おいこら、源太!アンタほんとに22?!

八束のセリフより源太のセリフに名言が多いのは、大阪弁が男ことばだという証明にもなっております。大阪人に守りは要らん!(笑)


ちょっと残念なのはタイトル。
作者様こだわりの素敵なタイトルなんですけども、この2人が求めあう様は「恋」なんて生易しい語感じゃ表現しきれない気が…。
「君を抱いて昼夜に狂う」ぐらい言ってもいいような…?行きすぎ?でもこれじゃエロオンリーだあね(笑)


みゅうあーの暗黒余談:「タイトル」
たまたまですが、最近タイトルにモノ申す事が多いです
本来、「タイトル・題名」とは作品の主題を集約・象徴する大事な文学的要素です。プロアマ問わず批評・論文・演出など「作品解釈」が必要な作業をする方は「題名」の価値を知っています。
先行でも後付けでもどちらでもいいですが「題名」は必ず作者が考えるべきもの。創った本人にしかつけられない、と言ってもいいものだからです。
だから彼らがまず注目するのは「タイトル」なのです。(おこがましいですが私もです)

子供の命名と同じで、創造した命に魂を吹き込む行為は創作者の義務でもあり喜びでもあるはず。
タイトルが浮かばないということは、作品を通して伝えたい想い(主題)がない、または考えていないという、作品に作者自らが価値を認めない、ある意味責任放棄です。(タイトルがダサいとか、絞れないという事とは意味が違います)
ときどきお見かけする「(タイトルつけを)担当様にお任せしました」と堂々と語る後書き。
これは思想もこめず思いつきでフラフラお話を書きました、とゲロっているのと同じで、そういう方の書く作品は例外なく金太郎飴BL、旧作も新作も未来作もどれも一緒です。自覚がないのだから変わらないのは当たり前ですね。従って1作読めば十分です。
作者のこだわりなくつけられたタイトルの作品を真摯に読み込み理解しよう、という気にはワタクシはなれませぬ。(繰り返しますが、悩んだ挙句力尽きて担当様に助力を仰ぐのはいいのです。はじめから放棄している姿勢に呆れる、と言いたいのです)
たかがBLなんだからそんな難しく考えんでも…と読者が言うのはいいですが、BL作家様が言ってはいけませんよね〜。



◎イラストチェック/麻々原絵里依(コミック派マスター)
カラー★★★★4.0
え〜っと、皆様はご存じないかもしれませんが私はイレズミイラストにはチトうるさいのです。
そして、この作品を取りあげずしてイレズミを語るなかれ。です。
鯉、波、鷹、桜、唐獅子、雷、虎、雲、岩、龍、菊、楓、牡丹、そして蛇…。
これらすべてがたった1人の体に刻まれているのですよ!?
その他にも閻魔、鬼、吉祥天、鳳凰、蓮、髑髏…。
私を昇天させるおつもりですかッ?!!なんて素晴らしいイレズミカタログ(笑)

で・す・が。
あ〜、すっごく綺麗なんだけどなあ〜……肝心のイレズミがねぇ…。
他は美しいのにこの蛇はない…ないよ… ←ここをご理解いただくためにあえてUPにいたしました。
絵師様の生物レベルが爬虫類に到達してないのがよく分かります。
絵師様前回考察のパラダイスより不思議」のワンコやニャンコは爆裂キュートだったので、絵師様の生物モチーフの興味は哺乳類、しかもペットランクで終わってしまったのですね…。

「パラダイスより不思議」イラストチェックで、ワタクシはこうも申しました。
「麻々原さんのイレズミがリストに載る日はないでしょう」、と。

すんません、来ました。

来たけどさ、言い訳させていただくとこうなっちゃうのが嫌だったんだも〜ん&こうなっちゃうの分かってたも〜ん でも、やっちゃったのね、ディアOラス…。
まあ、お宅様でよもや任侠モノ(しかも極上)を書く作家様がいらっしゃるとは思わないわね…。
「ねっとり」を表現できる絵師様、他文庫でもレアですからね…しょうがないか。


カット★★★☆3.5
作品の持つイメージと「イレズミ」の持つイメージがこうも惹きあう作品もないですね。決意や生き様などの「心」を文字通り「体」に刻んでいます。多分、命すら削って。

でも残念な事にカットがすべて高潔、というか清潔、なんだな〜。御上手な方なのでガッカリ作品にはなってませんが、気迫にかけるというかクールビューティ過ぎるのです。
身を貫いて血まみれになりながら彫ってるんだろうな〜、痛いんだろうな〜と思わせる迫力が「イレズミ」にない。「閻魔」などの「イレズミ」図柄にそれがもろに出ています。
本編のイレズミ描写が入魂だけにギャップが辛い。「イレズミ」がヤクザBLによくあるような単なる一アイテム扱いならこれでも十分なんですけどね。

イレズミ以外のカットも同様。
脳内濃縮しての朝チュン骨太心理作ですが、実際には「ねっとり情交」が作中繰り広げられている訳で、そうなると、絵師様の個性でもあるごまかしのないすっきりした画風と描線がこの作品の持つ徒めいた艶とまったく逆ベクトルなのです。
P167のカット、本文通りだったら八束はもっと強気で壮絶に美しいし、源太はもっと薄笑いを浮かべながら八束を責めてるはず。
「イレズミ」もいくら習作とはいえ仮にも職人ですから、あそこまで稚拙な表現ではないはず。虎と桜が「落書き」過ぎて興ざめです。
麻々原さんのようにすべてを「線」で表現する絵師様には、「イレズミ」または「和柄」のような「面」で表現したいモチーフは相性が悪いですね。でも、これは絵師様の個性でもあるのでこれ以上どうこうとも言いがたいし…。

筋彫り状態の「イレズミ」と色が入った「イレズミ」の違いを表現しなければならなかったり、「岩」や「雷」まで図案として出てくる作品、専門的な画力がないと厳しいです。
本来「絵」なんかつけてはいけないのかもしれない、とイラスト好きの私が思ってしまうぐらいマレにみる挿絵師泣かせの難作。(だからこそ見たいと思ってしまうけれども)
画力すらヤバい絵師様も多いので(おい!)、そういう意味ではよく頑張ったと言えるんですけども。P67はとってもイイです。

麻々原さんでもこうなっちゃうんだから、つくづくイレズミはマスターランク絵師様しか扱ってはならないと実感しました。


もし、この世界観とシンクロ率の良い絵柄の絵師様(往年の奈良様はもちろん、稲荷屋さんとか高匳Δ気鵑箸)がご担当されていたらとんでもない1本になったのでは…と思わないでもないですが、それだとエロが強調され過ぎておそらく脳内濃縮まで行きつかなかった気もするので、これはこれでいいのかな。
という事で平均よりちょい上の★3.5です。





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〔絵師:麻々原絵里依〕〔カラー:★★★★〕〔画:イレズミ〕


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