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今週のTOP1でBLイメソン〜「八王子姫」 海野幸

今週も土曜日がやってまいりました。早い…。毎度テンプレのごあいさつですみません。

今週の土曜日は「えっ、ほんと?」という方が1位でございます。

2009.9.6付 TOP1


前曲、シルク・ド・ソレイユの今年のテーマソング「コルテオ」でも1位にならなかったのに、何のタイアップもないこちらが1位は少々驚きです。

今まではどっちかというと「絢香」っぽいかな〜と思ってましたけど今回はジュディマリ?
PV観ただけでは誰かわかりませんでした。(これ、ウィッグかな〜?全然違いますね)

ダーリンあなただけに つきたい嘘がある
愛しいあなたへの、あたしへの 背伸びを

凄いな、歌詞ドンピシャです。今日の作品はこれしかない!
ホントは単品(平日感想)で上げたかったんで取っといた作品ですけども、来ちゃったよ(笑)



以下、イラストチェックも感想もラストまで語っちゃってる激ネタバレですので、未読の方ご注意くださいませ。
そうしないと今回書けないのです、ごめんなさい…。

  ※本日はイラストチェックは本編感想後にお送りいたします。

◎本編感想
この人にしかない何かがある!と感じる事を「個性的」と呼ぶなら、この方は間違いなく個性的な作家様です。
それも結構なアク(褒めてます)

恋愛重視だけどオンリーじゃなくて、ナナメ角度が鈍角(個性的だが痛くなくて丸みを帯びてる、の意)
「期待の新人3羽ガラス」(古っ)と、私が勝手に名付けている赤丸急上昇の作家様のお1人です。
ちなみに後のお2人は
・凪良ゆうさん
・玉木ゆらさん
です。玉木さんはもう新人じゃないかもですけど(笑)
それぞれ、ポスト木原(アンチブラック)、ポスト榎田、ポスト高遠って感じかなあ?(ここだけ敬称略でごめんなさい)
もちろん3名様とも「個性的」ですので、単純にポスト付けなんてしては失礼なんですがイメージ(拙宅の重要アイテム)だとこんな感じって事で。

3羽ガラス様方は特集を準備してたんですが、まさかの土曜企画に引っかかっちゃったので先にここでネタバレです。(わあ〜、なんて行き当たりばったり)
特集はなんとか来月には…。

今回はチト裏あらすじの力をお借りします。(でもキモセリフをあっさり書いてあるため、僭越ながら少々手を加えました。なんでこんな事するかな…。)

姉・千里に無理やり着せられたロリータ服姿を、バイト先の社員・樋崎に見られてしまった幸彦。とっさに口のきけない姉の友人・ユキを演じるが、会社では冷たい樋崎が気持ち悪いくらい優しく、ついには告白してきて!?
その後もユキの正体を告げられぬまま樋崎とデートを重ねる幸彦は、彼の情熱に次第に惹かれていく。しかし、ユキとは違い、幸彦としての自分には相変わらず冷ややかで無関心な樋崎に寂しさを感じ始めて―。 
これだけ読むと少女マンガの王道、性別勘違いのドタバタラブコメBL版です。
昭和から使い古された設定で、正直、また〜?です。どうせこの後、嘘がばれてすれ違うけど結局君が好きだ〜!みたいな話でしょ?と。

でもこれはそんなレベルの話じゃないんだな!かなりハイレベルな恋愛心理ドラマ。
こんなあらすじをつけるってことは出版社もドタコメが売りと思っているのかもしれませんが、そんな平凡な範疇のみにわざわざ納める意味が分かりません。な〜んかBL読者って甘く見られてませんかねえ…。そりゃ、偉くもないけども。

宝塚の男役のようなクールな美貌・社会人としてもバリバリの才色兼備の姉と、彼女に頭が上がらない、頭脳も容姿も平凡な弟。
姉のストレス発散法はお姫様のようなゴスロリドレスを創り、弟を着せ替え人形にする事です。
こんな奇妙な姉の命令に唯々諾々と従う弟は怖い姉に昔から頭が上がらないのです。

ところがこの2人、単純な強い弱いの姉弟関係で描かれていません。

姉のバカげた行為に従う幸彦の本当の心中を知ると胸が痛みます。
自分では決して着ない、着られない極アマ・ロリータ衣装をせっせと作り続けては弟に着せる千里の心中を思うと胸が騒ぎます。
従わせる姉と従う弟のお互いの心の機微が非常にリアルかつ複雑で、これがこの作品をただのラブコメにしていない最大要因になっているのです。
この姉弟の在り様だけで小説一本書ける、実に濃い設定。でも作者様はそれを単なる一背景として、キチンと「BL」恋物語を書いて来るのです。

クセモノの姫にはクセモノの王子♪

姉弟の緻密な設定を背景に、八王子というミョーに生活感のある町で姫は王子と出会います。
クセモノ王子・樋崎のクセの付け方も、一糸も緩めぬ作者様のこだわり。
彼の「告白」もびっくりさせられますが、その後の彼の行動もすごいです。作者様、自作のキャラを貶め、辱める手に躊躇がない。
好きな子に合わせようと、デートにとんでもないものを着て現れる下りは声も出ません。会社でバイト(幸彦のことです)に「やる気ないなら辞めれば?」と言いはなってしまう世間知らずスレスレの彼の冷酷さ(でも、実社会にはよくいます)を既に描いているだけに、恋に努力する彼が一層哀れです。
過ぎる滑稽が刹那を生む事を作者様はよく知っています。

想いをこめて見つめられる自分が嘘まみれである事に傷つきながらも、引き際もわからず逢いたくて会いたくて、結局嘘を重ねてしまう幸彦も、あっちでもこっちでも哀れです。

結局幸彦はバレるのではなくバラす道を選びます。
これに樋崎がどう応えるのか、その後の展開もこれまた個性的。
後半短編「夏宵姫」まで使って、作者様はBLでありつつ姉弟が主役の異色BLに見事にケリをつけてしまいます。「八王子姫」は1人ではない、と最後まで読んで気づくのです。(「二王子」という地名があればなあ!!)
(ちなみにもう1人の王子は超ステキです。作者様よくこんなイケてる大人の男書けるよなあ…。この並々ならぬ観察眼からいっても、もしかしてそこそこお年いってる方なのかな?
でもって、こんな人と結婚できたら幸せだと思うよ〜千里ちゃん!)

むろん、荒さもあります。
BLだからどうしても「濡れ場」が必要、結果あっさり事が成就しますが、その際の攻めがミョーに場慣れてて「あれれ?」です。
ここにくるまでに色々研究してきたってこと?そういう事は確かにしそうなキャラではあるが…。「君には素質がある」なんてよっぽどの達人じゃなきゃ言えないと思いますが、恋愛ベタでも寝技では達人だとほのめかしたいのか?
でも訂正可能なツッコミはこのぐらいです。他、荒さはあっても1ついじると他も芋づる式にダメになってしまうのでいじり様がない。
表題作・商業誌初掲載作品「八王子姫」と後半「夏宵姫」では2年のブランクがあるため、若干樋崎の性格に前後で違和感がありますが、その他は荒いながらも完成しています。いい。
つくづく挿絵がねぇ…。

海野さんをポスト木原さん(アンチブラック)と例えたのは、深みのある人間観察眼と個性的切り口(着眼点)、BL範疇に収まっているのにBLらしからぬ所、自作のキャラに夢を見ない冷静さ、などからです。
樹生かなめさんも近いんだけど、「龍&Dr」以外の当たりラブコメを読んだ事がないため作品安定度からポスト木原さんといたしました。当たらずも遠からずな気がするけどどうかな?


余談:
この作品が海野さんの初読み作(去年の夏ごろかな?)だったため、速攻過去作をゲットしようと密林で検索したら…同性同名のエロマンガ家さん作品がワラワラ出てきてビックリ。過去作がエロマンガに埋もれちゃって見つかんない(笑) 
もちろん別人…ですよね?そうよね?あの絵をこの人が書くわけないよね?ね?(中身を読んでないから判断しかねるが、読みたくもない
`r(^^;)


◎イラストチェック/ユキムラ(コミック派)
★★☆2.5
う〜ん…。力量には個人差がありますし、あんまり「これがOOさんだったら…」とか言ってはいけないな〜とは思うんですが、今回小説の出来が良いだけに残念すぎる…。
本音スパイシーで語らせていただきます。
この表紙絵でこの作品を手に取ってみようと思うのむずかしいです。「ジャケ買い」があるなら当然「ジャケ損」もあるわけで…。
構図も何もあったもんじゃない上に今作最大の特徴&重要アイテムである「ゴスロリ衣装」がぼんやりと亡霊のように…その上にタイトルがドンときちゃってドレス見えないし…しかも見えないのが好都合なほどバランスが…わあ……。
口絵も違った意味で強烈です。なんでこんな表情とこんな色持ってくるかな…。
★★☆2.5
これまたイタイ。
この作品は「衣装」がキーアイテム。だから作者様は姫袖だのレース3段だのアリス風だのとしつこいぐらい描写するし、登場人物ほぼ全員(恩田以外)に、「衣装」に象徴された心理的な葛藤や解放の描写をどっさりしてある作品なんだからそこをしっかり描きわけないと「挿絵」の意味がないのです。
何もレース一目一目を描けっていってるわけではなく、デフォルメでもいいんでニュアンスをしっかり伝えてほしい。「使用前」と「使用後」がはっきり区別出来る事はこの作品に限らず挿絵の大前提と思います。
「あんなに伸ばした髪をよく切ったね」と本編で言うぐらいなのに髪の長さが終始全くもって変わってない事実をどう解釈したらいいのか…。
作業服で平気で街中歩ける男が「OOO−ド」を着てくるぶっ飛びの健気さ、肝心のイラストが何着てるかわかんないんじゃダメでしょう、やっぱり。
男性よりも女性が上手い、ぐらいの絵師様もってきたら伝説の一作になったんじゃないのかなあ。麻々原さんとか。
顔のアップやラストHシーンの受けクン(裸)は良いんだけど…。人物しか描いてないコミック派、まだまだこれからの方なんですね。ちょっと難しい作品にあたっちゃったか?

 

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    Comments

    ◆「八王子姫」へ拍手下さった皆様、ありがとうございました♪

    やっぱ、いいですよね〜、これ。私は個性的と思える作品につい惹かれてしまうので、この作品の主役が「姉弟」だ!と思った瞬間、がーっと入り込んでしまいました。もたつきもあるけどこの切り口大事にしてほしい…。

    つくづく絵が…って、しつこいですね、私も。


    読んで下さってありがとうございました♪また遊びに来てくださいまし!
    comment by: miru-ha | 2009/09/26 16:18
    >まOO様
    いらっしゃいませ〜♪
    海野さんこれ(の前半)がデビュー作になるんですね、雑誌で読んでてもきっとインパクトあったでしょうね〜かなり異色だもんね(笑)

    おっしゃる通り ショーコさんとかでしたら「隠し本棚最前列」でしたよ(泣)つくづく絵が…←まだ言ってる(笑)

    >書き下ろし
    上にも書いた通り、前半と後半で攻めの性格がちょっと違うかな〜?とは思えますが、弟(受け子クン)のシスコンやらコンプレックスやら、たかが夏祭り(ヒドイ)の数時間でこうまで書き切ってくるか!と唸りました。おいてきぼりな攻めの気持ちもよく分かるし、なにより姉カプのリアルさに萌えた(笑)

    「姉弟主役」をBLだからちょっと…と取るのか、BLなのにすごい!と取るのかで評価が分かれる作品だろうとは思いますが、個人的にはこの方の作品の中では一番好きです♪
    全部読んでないけど(失笑)

    comment by: miru-ha | 2010/02/16 21:50
    ■このページに拍手下さった皆様、本当にありがとうございましたm(*・´ω`・*)m

    わたくしの海野さんBESTは、これと「美貌の幹部」でございます。
    人の証しともいえる衣・食・住に目を向ける作家様、なかでも「装う」ことへの視点は…。
    センスがあるってこういうことなんだよな〜といつも思います。

    今後も追いかけていきたい作家様です、もっとブレイクしてもいいのにね〜

    comment by: miru-ha | 2011/07/02 01:53

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