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「FLESH&BLOOD」13巻 松岡なつき/彩

本日は
1ページ目…13巻・イラストチェックとノーマル感想
2ページ目…13巻・「禁じ手」説明&感想
以上の構成でお送りいたします。
2ページ目につきましては「イメージソング」後の「お断り」をご覧いただいてからお進みください。
                              

◎イラストチェック/彩(アート派マスター)
カラー★★★★☆←4.5以上は画像UPでUP
画像UPが耐えられる「絵」は本当に貴重です。
既に「挿絵マスター」のレベルに達してます。が、もう1作様子をみたい(何様?)
仕事量が増えて小手先の「慣れ」が上手くなる=味が軽くなる絵師さんもいるので…。
※余談
最近だとつぐら束さんがコレに相当。ショックだった…。最も進んで欲しくない方向に転んでしまわれました。期待の星だったのに。
マットで複雑な色遣いは相変わらずです。ビューテホー♪
機械処理を多用してますけど、この色の重ね方、しっかり絵具を使って「絵」を描いてきた方の表現です。アナログでのしっかりした基礎が無機質な機械処理に命を吹き込むのです。やはり「人」は手を汚さなければ一人前にはなれないのですね。うむ、賢治は正しい。
口絵、マーロウ大出世です。

カット★★★★4.0
上手いなあ…。ホワイト、というか画面の「白」の使い方が非常に上手いし潔い。白黒なのに色を感じます。
P249のアングル。マンガでもこの視点から描く人は相当ベテランです。12巻より格段に腕が上がっていらっしゃいます。
人物描きわけもばっちり。もう挿絵マスターに認定しちゃおうかなあ…。
でもね雪舟画聖のテイストを意識してらっしゃるのか、長編歴史もので登場キャラが多いせいなのか、「青の疑惑」のような大胆さがないんですよね。どれも無難に美しい。優等生の美とでもいいましょうか。もっとアートな弾け方できる絵師様のはずなんですが。


◎本編感想
祝・新章突入!
ようやく仲間達のところへ帰ってきました。本当なら嬉しい再会も喜びきれないカイト。伝染病を抱えてるんですから密室の「船」は致命傷、カイトも気が気じゃないでしょう。何も知らない恋人や仲間は寄ってくるし(そりゃそうだ)、心も体も休まりません。自分の体と愛する人のことだけ心配していいはずなのに、未来から来たという最大の「秘密」があるからリリィ以外に心が開けない。カイトが本当に楽になるにはもうこの「秘密」を吐くしかないのです。

ようやくカイトの悩みが和哉ばりにリアルになってきました。

ビセンテがカイトを手放したように、ジェフリーもカイトを手放す…じゃ月並みだから一緒に未来へ行く。やっぱこれしかないんじゃ?

新章突入で作家様の筆も軽いのか料理や犬など生活的歴史考察も随所にちりばめられ、歴ジョならずとも感心しきりです。
料理人のおっさん(ジョー)が言うセリフ、「順風に恵まれやしたからね」は少々やられました。
これは頭で考えて出てくるセリフではないです。ご本人が船乗り…のわけないですから海洋冒険映画か小説を染み込むほど見て読まないとこの表現に辿りつかない。これを船乗りが言っていたらもっと唸っちゃったんですが、ジェフリー「どういう意味だ?」と聞き直してる(笑) 惜しい!

松岡さんの書かれるセリフが含蓄に富んでいて、センスの良さがピカピカ光ります。
ドラマティックな展開のうまさといい、マンガやアニメの原作とか良いのではないかといつも思います。


それにしても相変わらずカイトの博識っぷりには舌を巻きますネ。英国在住とはいえ、16世紀のロンドンでもライオンが見られるところがどこか知っている17才の日本人、いるかな?


◎イメージソング
 「調和〜風来の調べ」 志方あきこ

新章の幕開けを飾る、短いながらもドラマティックな序曲です。



◆お断り
実は13巻感想がなかなか複雑でして…。
「禁じ手」説明&感想は個人の見解に基づくスパイシー感想で、真摯に書いてはおりますが読んで楽しいものにはなっていません。
正直「愛情編」を楽しんでいただけた方には次ページはお勧めしがたいです。

諸事ご納得いただける方のみ、先へお進みください。




〔フレブラ13巻〕
〔フレブライラストギャラリー〕
〔絵師:彩〕









 


◎13巻感想
無事カイトを取り戻した英国組。
喜びもつかの間、カイトの深刻な病状はもはや隠しておけないところまで来てしまった。
救い難い事実に衝撃が走る。
更にカイトが夢で見た親友・和也はタイムスリップを…・?

が、13巻の主なあらすじです。
展開としてドラマティック目白押しで息つく暇なしですが、今回は少々笑い飛ばせない部分が。
以下、思い通りにコトが進まず駄々をこねてる子供のグズリですのでお含みおきくださいませね。



6月の読書記録の一言コメントで「禁じ手発動」と書きました。
禁じ手とは「和哉のタイムスリップ」です。もちろん私にとってだけですが。

大好きな「F&B」ですが、実は今まで触れていない「致命傷」があります。(あくまで私個人が感じるだけです)
それは「オリジナルキャラクターの没個性=作者様の過ぎる歴史萌え」です。
エリザベス女王からシェークスピア、フェリペ2世、セルバンテス、アランソ…駆け引きも陰謀もそれに係わる歴史上の実在人物も驚異の緻密さで書き表してあるのに、メインキャラクター(特に攻め)の存在感が決定的に薄いのです。
この作品の最大の長所でもある大マジ歴史考察なんですが、「BL」という大枠の中で過ぎるリアルを活かしきるのはなかなか大変です。

実を言うと「F&B」のお話は、12巻までは主役のカイトだけでも話が進んでいってしまう展開なのでした。
カイトが16世紀にタイムスリップし、ビセンテと出会い、別れ、ドレイクに会って予言して…と、敵国?ビセンテはともかく、ジェフリーとナイジェルに出会わなくても同じ展開が可能です。スペインにさらわれたカイトが英国に帰りたいのは英国からしか未来に帰れない(と思っている)から、で全く問題ないのです。
でもジェフリーとの恋愛を絡めたのはやっぱりBLだからで、引き離される恋人たちの悲恋という切ない効果を狙っていたハズ。ところがここにナイジェルという、友情でも恋愛でもややこしい立場の人を加えてしまったのでカイトもジェフリーも悩む範囲が広くなってしまって、恋人と引き離される悲恋度が薄まってしまいました。
他作品のように16世紀という時代背景だけノンフィクションで、後は徹底的にフィクションなら恋愛部分が軽くても問題ないのですが、今回は史実にフィクションを絡ませるというかなり複雑なストーリー展開をしています。緻密でリアルな史実(ノンフィクション)とあっさり幅広ラブストーリー(フィクション)、どうしてもノンフィクションの方が色濃い存在に。
結果、ノンフィクションとフィクションがはっきり区別されてしまって上手く融合できていないのです。
融け合わない部分を何とかして融かそうと、作者様は言葉を尽くして説明して下さいます。
これがまた、逆効果なのです(しつこいですが私にとっては、です)

この小説は言葉に頼りすぎ、文字ですべてを説明しすぎるのです。「含む」表現がまるでない。
歴史や陰謀の詳細はたっぷり語っていただいた方が楽しいし、読み応えがあります。(13巻の妖精と1ヶ月のズレの絡みはくどすぎましたけど)

でもそれと同じテンションで、心の機微や恋愛感情の高まりをモノローグですべて説明されてしまうのはBL=恋愛小説としては少々面白みにかけるように思えてしまうのです。

俺はあの時からカイトを好きになった。それは彼が船でOOをXXしていた時…
と、まるで「前回までのあらすじ」のような恋心の「説明」。実際不定期雑誌連載のようなのでほんとにあらすじなのかも知れません。

作品中のキャラクター同士の会話は粋で含蓄のあるセリフが多く、作者様のセンスがうかがえて私も大好きだと表感想?でも言いましたが、そのセリフが出てくるまでが難アリなのです。

頬に唇を滑らせて、ジェフリーは問いかける。
「俺の事を好きか?」
「…好きだよ」

ここだけ書き抜くと色っぽいシーンです。
でも、この二言をかわすために、ジェフリーは3ページに渡ってモノローグを展開。
A=B、B=C、よってA=Cみたいに、心の動きが明快な説明と共に決めゼリフまで導かれます。
思考内容は桃色でも数学の証明の様なクリアさで導かれた行為とセリフ、せっかくの萌えどころなのに気持ちが乗り切れないです。

他にも、例えばカイト。 ※これは引用ではありません
ぼんやりと波を見つめながら、ナイジェルの事を考えカイトはため息をついた。

(どうしたらいいんだろう…)

ナイジェルはいい人だけど、ぼくはジェフリーが好きだから彼の気持ちにこたえる事は出来ない。

(でもメイトの悲しい顔も見たくない。ああ、一体どうしたら?)

考えれば考えるほどカイトは混乱した。なぜナイジェルはあんなことを言ったんだろう?ナイジェルがあんな態度を取るまでは兄のように頼りにしていたのに。

(そもそも何でこんな事になっちゃったんだろう。メイトといると安心できたのに気持ちを知った今では以前のようにふるまえないよ。云々)

本文も( )も同じことを繰り返しながら思考の流れをわかってもらいたいかのように、とことん言葉で悩みます。この手の記述がカイト、ジェフリー、ナイジェル、ビセンテ、和哉、場合によっては女王やマーロウなどまで及ぶ時も。
読めば全部わかるのは読者としては楽ですが訴願力には欠けます。心に残るのは「出来事=イベント」ばかりです。
間違いなく伝えようとするあまり言葉を尽くして、長くなってしまうのはまさに私がこのブログで毎回やっていること(ははは)、だからお気持ちはとてもよくわかります。
でも感想と小説が同じというのは…ましてや恋愛小説なら尚更です。

せっかくの美形攻めキャラ3人も、それぞれの立場や思惑から軽い迷いまで細か〜く説明された結果、思考回路に区別がつかず3人の性格的な違いがほとんどなくなってしまいました。

例えば12巻・スペイン脱出イベント。
大変良かったですね♪ 萌えましたビセンテに♪♪
萌えたのはビセンテが健気だったからですが、実はビセンテというより行動そのものが健気、彼と同じ立場だったらジェフリーもナイジェルも同じ選択をするようなキャラに思えます。
13巻でジェフは(俺にはできない…)っていってますがキャラがしっかり立っていないため、このセリフに説得力がない。違うな、セリフだけで「ああ、そう考える人なんだ」と判断するしかない。

何よりこのセリフの存在に驚きます。「?」と思ったところに答えがキチンと用意されているんですから。こういう例は他にもあり、作家様は私のように感じる読者がいるだろう事を見越して文字で違いをわからせている気がします。つまり作家様もキャラ区別がつきにくいと薄々感じているように思うのです。

個人的背景でお話するのも恥ずかしく今まで書いたことがなかったのですが、miru-haはその昔舞台演劇(演出)に少々携わっていたのでした。
舞台に限らず演劇は総合芸術です。脚本・美術・音楽・もちろん人(演技)も。
私がやたら作家様の本質を探ろうとしたり、文章表現に目を向けたりするのは改行一つにも意味を見出す演出の性分(分析と解釈)が出ているからです。
(拙ブログ「イメージソング」とは本の主題を自分なりに解釈して、それに沿って探した曲なのです。普通の舞台や映画等でBGMを選ぶのと同じ選択方です。イラスト=挿絵に拘るのも、絵が好き&解釈好きだからです)

もし私がこの本を原作にテーマ(主題)をくみ取り、その主題に沿って演出するならやっぱりカイトとジェフリーの恋愛メインで「想いの強さが力となる」とかの主題にするだろうな〜と思うのです。
ちょうど13巻の表紙のようなイメージで。
そしてメインキャラ5人(カイト・ジェフ・ナイジェル・ビセンテ・和哉)はもっと性格や見せ場にメリハリつけないととてもじゃないけど観客が一度見ただけで理解できる作品には出来ないです。

これは小説なので「一見に耐える」作品である必要はないですが、どのような媒体でも人に向けて作った「作品」である限り伝えたい事が必ず「作品」の中になければなりません。その際伝えたい事=テーマは1つでなければならないんです。(副題も設定しますけど、あくまで「副」です)
このお話は冒険・友情・恋愛が同じ重さ(恋愛だけ軽いかも)で入っている→印象が散漫(融合しきれなていない)で焦点が絞り切れない→焦点をはっきりさせようと言葉で全部説明してしまう。に、なっているのです。

同じく、作家様の歴史爆萌えBLに秋月こおさんの「幸村殿、艶にて候」があります。
この作品が傑作なのは史実と虚構の融合度が半端なく上手かったからです。マニア並みにしっかりした時代考証ですがテーマは「恋愛」に絞られてます。だから全ストーリーに軸があり、含んだ表現も巧みな伏線も効果絶大なのです。
でも「F&B」では伏線を張りようがないのです。全部説明してますから。出来るとしたら登場人物と一緒に「勘違い」、作者様がミスリードへと誘導した方向へついていくだけです。

ホントに私が演出するわけではありませんし、言葉を追い続けても想像の余地(余韻)がなくなるだけで冒険の楽しさや話の展開自体が楽しいことには変わりないので、以上をわかっていながらも「F&B」を愛し続けておりました。
特に和哉の存在は他のタイムスリップマンガや小説には見られない個性です。単純に主役カイトを16世紀に飛ばすだけでなく、残された親友の存在を描いている事が非凡でとっても素晴らしかったのです。親友を目の前で失いやさぐれていく彼の悩みや苦悩は作中唯一のリアルでした。(今はカイトの悩みもリアルですけど)

ところが今回彼も16世紀へ(まだ未定ですが)。

例えばナイジェル=和哉とか意味あるスリップの可能性もありますのでまだ断言できませんが、13巻で感じた和哉の「スリップ」の動機はカイトへの友情と罪悪感のように思えました。これじゃ「カイト」とキャラがかぶる。残されたのが「カイト」でも同じことしそうです。
同タイプ攻め3人×同タイプ受け2人では演出キツイ(みんないい子だから余計困ります)
和哉がカイトの病気を治すきっかけに、とか安易な設定だったらもっとドボン。

この先は派手な冒険イベントは和哉絡み、主役に関しては揺れる心(命の不安やそれぞれの恋心など)に重きを置いた展開が予想され、揺れ具合を1から10までひたすら説明されて終わる巻とか出てきそうな気がして少々心配になってきてしまったのです。


これが「禁じ手」の意味でした。ね、私にとってだけの理由だったでしょう?
私が考えすぎな気もしてこのページは何十回書きなおしたか…。
今後も直すか下げるかしょっちゅうしそうな気がしますが、キリがないのでひとまずUPします。

うっかり読んでしまってご不快になられた方、「表紙ギャラリー・彩」でお口直し(お目直し)していってくださいませ。




【ブログ内関連記事はこちら】
1週間で総復習!「FLESH&BLOOD」松岡なつき 第1夜  
1週間で総復習!「FLESH&BLOOD」松岡なつき 第2夜
1週間で総復習!「FLESH&BLOOD」松岡なつき 第3夜
1週間で総復習!「FLESH&BLOOD」松岡なつき 第4夜
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松岡なつき「FLESH&BLOOD」に愛をこめて   
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Comments

今記事への拍手のお礼をこちらで…
ばOOOこ様
初めまして、温かいコメントありがとうございます。
もったいなくも嬉しいお言葉をいただけて、感無量です。

この記事はUPを本当に迷ったし、どこまで書いていいのかも迷って本当に何十回も書き直したものです。「全消し」1からやり直し、も何回かしてますがあまりにたっぷり語ってるのでその都度保存だけはしてあるありさま(笑)

UPに踏ん切りがついたのは、待ってますっていって下さった方があったのと、もし私が作者・作りだす側なら真剣に考えた上での批評はむしろ聞きたいと思うだろうな、と思ったからです。
この感想を作家様ご本人が読む事はないとは思いますが、万が一お目に触れても精一杯作品に取り組んだ末に書いたという事だけはわかってもらおうと思って…。

他作品で茶化した感想書いている時もその思い(本気で向き合って真剣に書いている、という気持ち)はいつも持ちながら書くようにしていますが、今回は特にその気持ちを強く意識しながら書きました。

そのことを認めていただけた、ばO様のお言葉が本当にうれしかったです。ありがとうございました!

彩さんのイラスト集、いいですね!迫力あるだろうな〜、できれば色塗ってるところ(CG操作?)を見せてほしいな♪
どうやって重ねてるんだろう…。
小畑健さんも大好きです、サイボーグGちゃんをジャンプで連載している頃から?(歳がばれる、ははは)

読んで下さっている方がいるから頑張れます。
これからもどうかお遊びに来て下さい。そしてたまにでいいですからお声をかけてやって下さると一層ガンバります♪


拍手下さった皆様、ありがとうございました!

comment by: miru-ha | 2009/08/16 11:11
◆「FLESH&BLOOD13巻」への拍手ありがとうございました。
「和哉の禁じ手」について延々語ってしまいましたが、最後まで読んで下さって本当にありがとうございます。
実はあれでも当初の3分の1、「誰でもヒーロー」編と「1ヶ月のずれ」編はざっくりカットしたのです(保存はしてありますが)
フレブラが最終回を迎えたらこっそり見比べてオノレの浅はかさをあざ笑ってやろうと思います。


14巻が年内に出るとか…ぅう〜、ドキドキするうっ♪
その時はまた語りあいに来て下さいまし〜♪♪


comment by: miru-ha | 2009/09/22 18:17

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