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「さらってよ」 渡海 奈穂 /麻々原絵里依

前回に引き続き、もういっちょ渡海さんで。


 ついに出会いました。
自分よりも年上の攻め。(除コミック)

2ヶ月ほど前BLレビューサイト「ちるちる」様よりリンクのお話をいただきましたが、その後ご丁寧にも『「BL小説」でカテゴライズさせていただきました』とご一報いただいた時には唸ってしまいました。
「バレてる…」

当社比8:2。
マンガ好きのくせにBLは圧倒的に小説派なのです。
そしてノベルス界では35才はおっさん呼ばわり。でもまだ現役なだけマシです。40超えたら定年退職強制退場、登場してもワキかいいとこ当て馬。このBLノベルス界特有の厳しい労働基準ににどれほど悶絶していた事か…。

ちなみに今までの最高齢は「ドアをノックするのは誰?」の甲田(41才)だと思います。彼も初見時は年上で…ムニャムニャ。

この度の43才。作者様と出版社に握手して回りたい気分です。
大変いい感じのあきらめ感にホレボレです。


毎度ながらモリモリネタバレ、おまけに説教臭いです。お気をつけてお進み下さい。



 

◎イラストチェック/麻々原絵里依
カラー★★★☆3.5
ロゴの字体がステキ。これはやっぱ縦書きじゃないと。配置が難しかったと思いますが右側に持ってこなかったのはこれが受のセリフだからですね。結果広い背中が生きる事になりこれはこれで良し!上品な色遣いも◎
カット★★★★4.0
麻々原さんはどうやってもスタイリッシュになってしまうので、今回は良し悪し。
受けと当ては最高なんですが、おっちゃんにお疲れ感が足りないかな。
P107なんてカッコよすぎ!!こんなパパなら妻もムスメも爆萌え、家庭内ハーレム誕生です。
とはいえネクタイがキャラクターとか、カバンをうっかり抱えちゃうとか、リアルに公務員くささを追求すると家族どころか読者も萎えるので商業的にはこれが正解でしょう。 

◎本編感想
た、たかのつめ…!!


コ―フンしてるのはピリ辛だからではなく、これが本作最大の萌え場だからです。
最大ですので詳細は伏せますが、この時のですね、43才有元のリアクションにもう、もう!十一転十二倒する勢いで萌えました。

どんだけマグロ…(笑)

有元。
43歳の枯れオヤジ〜♪とか喜んでますが、実際は枯れているというより有元のもともとの性格です。
「攻め」という字面がこれほどしっくりこない攻めも珍しい。
性格的には受け、それもマグロ。
痛点あるのか疑いたくなるアヤシげな反射神経です。かと言って鈍いわけではなくちゃんと考え感じる事が出来る、ただ致命的に表現意欲がないのです。
そのせいで一度手にした幸せを逃がした彼は、今度は絶対逃げない方法=初めから手にしない方法を選択して生きています。
つまり彼は人生の学習期間は終わったと判断したわけです。有元はここで人としての成長をとめてしまいました。

それに対して三木は25歳。人生の朱夏、若さの盛りです。
多岐にわたる人生航路から道を絞っている途中。ただ青春とは違いますので自分の望む方向は分かってきています。
絞るとは数ある可能性の中から一つを選択する行為、すなわちたくさんの経験から最善(と思われるもの)を見出す行為です。そのために経験が多いほど良い選択が出来るのは当たり前で、若いうちは何事も経験ってやつです。
一見同じことの繰り返しに見える三木の人生も、彼が迷い続けている間は無駄なことにはなっていません。迷うのは努力をし続ける気力があるという事。進み続けなければ望む方へ近づけないと思う彼はちゃんと人として今を生きています。

三木に魅かれる感情を自覚しながらも、自分可愛さで今まで選択してきた道を選ぶ有元ですが、逃げる事でかえって三木に本心を伝えてしまいます。
伝えておいてリアクションは相手に任せるなんてとことんずるいマグロですが、そんな有元が「さらってよ」と懇願する三木の手を取ったのは自分が彼の手を取らなければ彼も自分のように成長を止めてしまう、前に進まなくなるだろうと気付いたからです。

人として生きる、とは理性や理屈で説明できない迷いや本能を見つめて受け止める事です。生物なら必ずある本能を人だけが(知性=学習によって)律することができますが、それは本能や感情の存在を否定する事とは違います。
存在を認めず、今の自分にこだわっていては人としての進化は終了です。まだ若い三木にその道を歩かせる事はさすがに忍びない。忍びないと思うぐらい魅かれているのだから自分も変わってみようかと思う。人は学習期間を自分で定める事が出来るのです。


この話は1人じゃ止まってしまう弱い大人たちが、弱さを自覚した上で、それでも相手のために進んでみようかと思う低くくぐもった情熱の恋バナなんです。


とはいえ変わる事が必ずしも正しいとは限らず、2人にとってこれが正しい選択だったかどうかの答えはラスト1ページに詰まっています。
上手い…上手いよ渡海さん。某乙女ファンタジーはやや迷走状態ですが。

ふと裏書きを見たら「…ずるくて切ない大人の恋」と書いてありました。
ちょっと〜人が延々と書き綴っていた事がこんな一文で!
しかもこの方が分かりやすいじゃん!! 


子供のいる設定が地雷なのに今回まったく拒否反応なし。むしろいないとダメだ!


もう1人、有元と同じぐらいタカ掴みされた人物がおります。
彼は三木と同じ、人生の盛り。
でも生き方は正反対で、耐えない、迷わない、許さない。
その生き様を人にも強いるある種のカリスマさえ感じる彼の人生は人としては歪です。
彼の厄介なところは聡明なところ。経験不足をある程度、頭で補えてしまうのです。
だから自分の行く末が不安なのも漠然と悟っています。それでも進路変更しない彼は意地っ張りの面倒くさい子供です。ホントこいつ最低、でも悪人じゃないんだよね。
彼は情熱の盛りを過ぎ人生の白秋を迎えた時、いやおうなく自分の薄さと対峙しなければならなくなります。早くから学習放棄したツケを払わされるのです。

ポジションではなく、人としてこれほど惨めな当て馬にあったのは久しぶりです。どう考えても彼のこれからに全く救いがない。そこがまたツボ…♪

是非とも平尾の「幸せプラン」が読みたいです。



◎イメ―ジソング
 「Bitter Sweet」 傳田真央

http://www.youtube.com/watch?v=Eue1vkh2sSY

歌上手い。お若い方かと思ったら意外とお姉さんでした。
岩里祐穂さん作詞ですので猛烈に切ないです。

会いたくて 寂しかったよ

「Bitter Sweet」とは参りますね。



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[小説・作家名や〜わ]渡海奈穂 | comments(0) | trackbacks(0) |

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