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『雪よ林檎の香のごとく』 一穂ミチ /竹美家らら

なんちゃってあらすじ
あの朝、図書室で。
彼の涙を見てしまってから、志緒は心のさざ波を止められない。
どうして?どうしたら?どうしたい?
      

…         …         … 


11月6日付の記事があまりに雑な書き方でいたたまれず、修正・加筆いたしました。
本日再UPいたします。


以下ネタバレ感想とイメージソングです

  ◎イラストチェック/竹美屋らら
カラー★★★★4.0
表紙美しい〜。どっちが桂か分からなかったけどそんなの関係ない(笑)
タイトルロゴ「林檎」の赤がものすごく生きてます。
切なさが増す演出です。これは表紙買いしちゃいますね。
他作家さんの表紙見て(青が印象的なアレです)一発で惚れましたが、水彩チックなタッチと繊細な人物表現が絶妙。ディアプラスでしか見ない絵師さんですが 専属でしょうか?

※ディアプラス文庫
絵師さんの個性、総合デザイン(特にロゴバランスが素晴らしい)、作品との相性などなど、切ない系&ほのぼの系では他の追随を許しませんね。
BL界の「新潮文庫」ってとこでしょうか。

カット★★★★4.0
カットも水彩チックで まさに「イラスト」。
お話がかなりセンシティブなので効果抜群です。
昔はこんなに淡いグラデーションのモノクロなんて考えられませんでしたから、印刷技術とデジタル進化に驚くばかりです。

◎本編感想
いろんなブロガー様宅でレビュー評価が高くて知った作品です。イラストもステキですが、お話がこれまた叙情的。非凡なタイトルからもおわかりいただけると思います。
BLのタイトルに白秋、見た途端震えました。


実は子供がいる人と結ばれる、という設定がイマイチ苦手です。
「バイ」は美味しくいただけるのに、なんだろう?子まで成した人が運命の人ではない、と言われている気がするからかな。 
特に、当人同士の気持ちを書くための1設定として子供出されるのは地雷。ついでに子供があっさり懐いたりした日にゃ大爆発です。

だからこそ「このお話は子持ちである事が必然よね、う〜ん」と唸らせてくれる作品に出会うと、そりゃあもう狂喜乱舞 


この本読んだ後、ワタクシはEXILEでした。


過去への贖罪のため 誰も寄せつけなかった桂。
罪を犯した昔の自分と同じ年頃の子供・志緒から「傷なの?」って問われ、閉じ込めていたものが激しく蠢きます。
「傷」にしたのは自分?これは「罪」ではない?救われたい。愛したい。温かいものが欲しい。
自分の欲しいものを口にすることが出来る喜び。もしかして自分は幸せになってもいいのか?
気付いてしまったらもう抑えられません。
「幸せにして」

桂が好きで、惹かれて、何でもしてあげたくて…身も心も全部使って桂を抱きしめる志緒。

これはもはや魂の救済ですから、性別や年齢差、社会的立場などすべて飛び越えてお互いだけを見る。
悪い事をしたわけではないのに苦しんで苦しんで、抑えて、諦めてきたすべてが志緒という存在によって昇華される。まるで神がこのような浄化の形を望んだかのようです。まさしく運命です。


「本気でかなえようと思ってるんだけど」 
ここまで支えられたら桂はもし志緒がいなくなったら壊れちゃうだろうな。
それにしても志緒君。もう少し子供でいてもいいのに、大人になっちゃいました。いろんな意味で(笑)



そして桂よりもっと淋しい人が出てきますが、正直彼が1番心配です。
本当は1人で生きていけないんだけど生きていけると思い込んでるから他人に屈折した係わり方をする事になります。ちょっかいぐらいで済んでるうちはいいですけどかなり重症ですから早く手を打たないと行き着く先は犯罪者ですね。
今回だって りかちゃんが大人だからあれで済んだんだし。極悪ではないと思うんで満たされればいい方へ変れる人だと思うんですけどね。どうやったら満たされたと思ってくれるのか、桂よりずっと手ごわいですよ、彼は。

彼にきっぱり引導を渡す志緒くん、このセリフはなかなか言えないです。
「俺は 時間も労力も 俺の男だけに使いたい」
すべての人がここまで達観できたら ドロドロの恋愛修羅場なんてなくなります。潔い!
志緒といい、りかといい、つくづく未成年の方が頼もしいお話です。
10代の2人にはもっとゆっくり大人になってもいいんだよって言ってあげたいですけど、それじゃ桂が救われないか。


葉子さんとの1節を最後に持ってきて、総てに胸をなでおろせる納得の構成。
まさに悔いなし!です。


余談:
作中で桂が言っていた「動かない言葉」ですが。
「雪よ林檎の香のごとくふれ」  
これを「林檎の花(か)のごとくふれ」とかにしてしまうと桜でもスモモでも良い訳で、「香」だから「林檎」で動かないって事でしょうか。う〜んなるほどぉ。
2人の関係もかのごとく、なんですね。


◎イメージソング
どこまでもリリカルなこの作品のイメージソングは しっとりと、 

 君の声 『君の声』 aluto (2008-11-05)

歌詞はこちら
http://www.uta-net.com/user/phplib/Link.php?ID=72320

♪君の声を聞かせてよ 君と夢を育てたい
 ここで、ここで、共に生きたいよ
         
「壊れていく地球の上で僕は何が出来るんだろう」がコンセプト、の歌だそうですが そんなワールドワイドな曲だったのか、知らなかった。
「地球」を「世界」に置き換えると まんま2人の心境。

メロディも素敵です。なんというか 温かい飲物の湯気の揺らめきを通して景色を見ている感じ? 
おすすめです。

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[小説・作家名あ行]一穂ミチ | comments(3) | trackbacks(0) |

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Comments

「香」を「花」にすると、「さくさく」が活きないのでは?
 短い言葉の中に、五感を巧みによみこんでいるからこの句はすばらしいんではないでしょうか?
 よって、「林檎」が動かせないイミはこちらに書かれているよりはもっと深いと個人的には思います。
comment by:    | 2010/02/28 21:31
コメントありがとうございます、過去記事まで丁寧に読んでいただいて嬉しいです。

>短い言葉の中に、五感を巧みによみこんでいる
>「林檎」が動かせないイミはこちらに書かれているよりはもっと深い
まさしくおっしゃる通り、このようなアホアホブログに取り上げるのももったいない名句でございます。「林檎」が動かせない意味を書き始めたら情熱のあまり本編感想より数倍長くなる自分が想像できましたので、余談でさくっと終わらせたのです。
今なら長々と別ページに書いたと思いますが(おいおい)、この頃(ブログ開設当初)は長文体質を改めようと極力短い感想にするようムリをしていた頃でしたので(笑)

今回名無し様にチャンスをいただきましたので、ちょっとだけ上の補足を書いてみていいでしょうか。
ご面倒でしたら飛ばして下さって結構です。←ちょっと下げときますね






>「香」を「花」にすると、「さくさく」が活きないのでは?
うんうん、「さくさく」とする事で雪を踏みしめる音と林檎を食した時の音、そこから林檎の芳香まで連想できます。
「林檎」には「甘酸っぱさ」とか不倫に係わる「背徳の実」(不倫相手を見送った朝を読んだ歌でしたよね?)とかの意もあると思うので、スモモやアンズではここまでのクオリアは引き出せないですね。

「林檎」を据え置いて「花」にしたとしても「さくさく」は「咲く」に掛かるから無理ではないでしょうが、聴覚と結びつけない分訴えが弱いかも。その代わり、寒い雪の中踏み出す人のほんのり上がる体温(吐息)と薄桃色の花びらが結びつけられそうな気もします。

そうやって考えていくとどんな言葉を持ってきても解釈次第でなんとでもなる(する?)のが人の脳のありがたいところ、「花」でも「スモモ」でも意味をつけることはきっと可能だろうが元の句に勝る完成度にはならない、と言いたかったのです。だから「動かない言葉」なのかな、と。

でもここでは句のそのものの解釈より、文学の解釈の多様性を知っている国語教師の桂がわざわざこの句を例に「動かない言葉」を語った意味、ひいては作者様がタイトルにまで持ってきた意味(タイトルからストーリーを膨らませていったのではないかと私は思っています)にちょっとふれておきたかったので「余談」に託してみたのです。


今振り返りますと、こここそ余談にせずにがっつり書けよ!って箇所ですね(汗)
ブログ初期で自分探しの真っ最中とはいえ、名無し様のコメントがなければこのまま放置プレイでした。

再考と補足の機会を与えて下さってありがとうございました、どうぞまた遊びに来て下さいね。
comment by: miru-ha | 2010/03/01 14:19
liOO様 
いただいたお言葉、甘露のごとく心に沁みました。ありがとうございます、更新がんばるぞぅ♪

私もliOO様と同じ思いを毎回味わっております。
「感覚」に形を与える=書く事は本当に難しいです。プロでも苦労するのだもの、素人が出来なくたって当たり前なんですがそう潔く割り切れないのが人間ってもんですよね(笑)

>雪が降り〜
この一文に感動しました。
雪が降って、歌が浮かんで、言葉を探す。なんと澄んだ行為…。

降る雪を見て思い出せる「歌」が詠める詩人にはまさに天賦の文才を感じます。
降る雪を見て思い出せる「歌」がある人も、天から豊かな「感性」を拝していると感じます。←ない人は本当にないもんね、うちの宿六のように(笑)
お気持ち十二分に伝わってまいりました。「表現」とはこういうことと思いますです。

>読む順番
これ、とってもよく分かります!雪にあの歌を浮かべるように、桜が咲けば「桜」が似合う儚いラブストーリーなんていいなと思いますし、疲れているときには元気の出そうなコミカルなお話が読みたくなったりしますよね。

やっぱりliOO様は天賦の感受性をお持ちと思います。こういう方はイメソン選ぶの得意なハズなのですよね。←我田引水ではなく本気で言ってます。ドラマや舞台のBGM選び(「効果」ってやつです)と同じで、演出意図(主題)を感覚で受け止めて「音」に託すのです。試しにお好きな曲を1曲選び、それに合うと思う本を1冊選んでみて下さいまし、きっとすぐ見つかると思いますです。でもって本にイメソンをつけるより曲に合う本を探す方が数倍難しく、これが難なくできればホンモノです。(何の?)

>記録会
すごい!もはや「私」を見切られている!!(わはははは!)
実は「記録会」に1度挑戦しました。投げるからには記録を競おうと(おいおい)もともと考えてはいたんですが、いざ作成してみると、要はどれだけ瞬ドナかを訴える内容なので拙宅史上最高濃度のドス黒空間に。しかも結構な数。
これはさすがに公表はマズイってことで、急遽形を変えて「みゅうあーの厄払い3本」として3冊だけ、グラミー特別賞におまけUPする予定でした。がそのグラミーもUPまで時間がかかり過ぎて「新春初笑い」にならなくなってしまったので、そこでも掲載取りやめ。ついにお蔵入りで〜す。
も〜し!笑い飛ばしていただけるなら「厄払い3冊」だけ「秘密の掲示板」でシークレット公開いたしますのでご一報を(笑)

とんでもなく長文のお返事申し訳ない、読んで下さってありがとうございました♪
comment by: miru-ha | 2010/03/11 12:33

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